臨済宗の特徴は? 葬儀の流れ、マナーや費用などを解説

ご葬儀スタイル

臨済宗(りんざいしゅう)は、曹洞宗(そうとうしゅう)、黄檗宗(おうばくしゅう)と並ぶ日本三大禅宗のひとつで、その葬儀は禅の思想を色濃く反映した静寂な儀礼として知られています。
鎌倉時代初期、宋に渡った栄西禅師(えいさいぜんじ・ようさいぜんじ)が臨済宗黄龍派(りんざいしゅうおうりゅうは)の虚庵懐敝禅師(きあんえしょうぜんじ)に師事し、日本に本格的な禅を伝えたことに始まります。
臨済宗では、坐禅と禅問答を通して悟りを体得する「看話禅(かんなぜん)」を重視し、坐禅や食事、諷経(ふぎん)、作務(さむ)といった日常の営みを修行と捉えます。
この考え方は葬儀にも通じ、臨済宗の葬儀は故人が仏弟子として新たな修行の道へ進み、仏性に目覚めることを願う儀式として行われます。
葬儀を通して、遺族や参列者も無常を観じ、心を静める学びを得るのが臨済宗の特徴です。現在は十四派に分かれ、それぞれ儀礼や読経の形式が異なりますが、どの派にも共通して「禅の精神」と「簡素で静謐な作法」が受け継がれています。
この記事では、臨済宗の葬儀の流れや作法、参列時のマナー、喪主の準備、そして費用やお布施の考え方までを解説します。臨済宗の葬儀を正しく理解し、心を込めて故人を見送るための指針としてご活用ください。

臨済宗の特徴は? 葬儀の流れ、マナーや費用などを解説

臨済宗とは? 歴史と教え、十四派の特徴をわかりやすく解説

臨済宗(りんざいしゅう)は、曹洞宗(そうとうしゅう)や黄檗宗(おうばくしゅう)と並ぶ、日本三大禅宗のひとつです。
禅の中でも「坐禅」と「公案(こうあん)」を通じて悟りを体得する実践的な宗派であり、日本の禅思想の中心的な存在として知られています。
現在では全国に約6,000の寺院を有し、禅の精神を伝える代表的な宗派として広く信仰されています。
葬送の基礎理解には葬儀とは何か?由来を交えながら解説、進行の全体像は葬儀における流れを解説(はじめての方へ)が参考になります。

臨済宗の起こりと栄西禅師の伝来

日本の臨済宗は、鎌倉時代初期に栄西禅師(えいさいぜんじ・ようさいぜんじ)が宋(中国)に渡り、臨済宗黄龍派(りんざいしゅうおうりゅうは)の虚庵懐敝禅師(きあんえしょうぜんじ)に師事したことに始まります。
栄西は二度の渡航で本格的な禅の修行を重ね、「嗣法(しほう)」と呼ばれる法の継承を受けて日本に帰国しました。
この嗣法とは、禅宗において師から弟子へ正統な教えと悟りの系譜を受け継ぐことを意味します。
帰国後は筑前国香椎の報恩寺(ほうおんじ)、博多の聖福寺(しょうふくじ)、鎌倉の寿福寺(じゅふくじ)、京都の建仁寺(けんにんじ)を次々に開創し、禅の受容を広げました。
また『興禅護国論(こうぜんごこくろん)』を著して禅の社会的意義を示し、鎌倉新仏教の潮流の中で臨済宗の地位を確立しました。

臨済宗の思想と修行の特徴

臨済宗の根底には、執着を離れ自己の仏性に気づくという目的があります。
特徴的な修行である看話禅(かんなぜん)では、師から与えられた公案に向き合い、坐禅を通じて体験的に悟りを深めます。
坐禅だけでなく、諷経(ふぎん:声を合わせて経を唱える)や作務(さむ:掃除・労働を通じた実践)など、寺院での日常の営みも修行の一環です。
こうした価値観は葬儀や法要の儀礼にも引き継がれており、形式よりも心を整える姿勢を重んじます。
関連する作法は葬儀のマナーについて詳しく解説を参照してください。

臨済宗の十四派と大本山の系譜

現在の臨済宗は十四派に分かれ、それぞれの開山を祖師として大本山を中心に教えを継承しています。
臨済宗には他宗派のような単一の「宗祖」という概念はなく、各派が独自の伝統と法系を守っています。

  • 建仁寺派(京都/栄西禅師)
  • 妙心寺派(京都/関山慧玄禅師)
  • 南禅寺派(京都/無関普門禅師)
  • 建長寺派(鎌倉/蘭渓道隆禅師)
  • 東福寺派(京都/円爾禅師)
  • 円覚寺派(鎌倉/無学祖元禅師)
  • 大徳寺派(京都/宗峰妙超禅師)
  • 方広寺派(浜松/無文元選禅禅師)
  • 永源寺派(東近江/寂室元光禅師)
  • 相国寺派(京都/夢窓疎石禅師)
  • 天龍寺派(京都/夢窓疎石禅師)
  • 向嶽寺派(甲府/抜隊得勝禅師)
  • 佛通寺派(広島/愚中周及禅師)
  • 国泰寺派(富山/慈雲妙意禅師)

十四派はいずれも坐禅の実践を重んじる点で共通していますが、葬儀や法要をはじめとする儀礼の進行や用語の使い方には差があります。
参列者側の基本は葬儀における参列とは?列席との違いやマナー・服装・範囲まで解説が参考になります。

臨済宗の葬儀の主な特徴

臨済宗の葬儀は、故人が仏弟子として新たな修行の道に入り、自己の仏性(ぶっしょう)に目覚めることを願う儀式です。
とくに禅宗の葬儀の中でも精神修行の色合いが濃く、中心に「授戒(じゅかい)」と「引導(いんどう)」が置かれます。
臨済宗では、生と死を切り離さず「生死即涅槃(しょうじそくねはん)」の見方を取り、葬儀は悟りへの歩みを完成させる場と捉えられます。
実務面の手続き全体は逝去から葬儀を終えるまでの手続き、儀式区分の違いは葬儀・通夜・告別式の違いが参考になります。

式場では、僧侶の読経や引導法語を通じて、故人が迷いなく仏道へ進むよう祈りが捧げられます。
静謐で簡素な所作は「禅即生活」の精神を体現したもので、坐禅や作務と同様、形よりも心の在り方を重んじます。
臨済宗は十四派に分かれ、葬儀の流れや用語がやや異なるため、菩提寺に事前確認しておくと安心です。

焼香は額に押しいただかず、1回だけ行う

臨済宗の焼香は、抹香を額に押しいただく所作を行わず、回数は1回が基本です。心静かに香をくべ、故人を思う時間そのものを大切にします。
地域や寺院で細部が異なることがあるため、当日の案内に従えば失礼になりません。参列準備としては葬儀における男性の服装も事前に確認しておくと安心です。

引導法語で僧侶が「喝!」と一喝する

臨済宗の葬儀で印象的なのが、僧侶が自作の漢詩形式で唱える引導法語です。
終盤に響く「喝!(かつ)」は、故人の未練や執着を断ち切り、悟りの一歩を促す象徴的な所作とされています。
驚かずに静かに合掌し、その一瞬に込められた祈りの意図を受け取ることが大切です。
引導の理解を深めたい場合は葬儀は亡くなってから何日後?通夜の流れとマナーを併せて読むと把握しやすくなります。

要点として、臨済宗の葬儀は静寂を重んじる禅の思想が色濃く、焼香の回数は1回で、引導の儀では僧侶の「喝!」が行われます。

臨済宗の葬儀の流れ

臨済宗の葬儀は、故人が仏弟子として修行の道に入り、仏性(ぶっしょう)に目覚めることを願って営まれます。
中心となる儀式は、戒を授かる「授戒(じゅかい)」と、悟りの世界へ導かれる「引導(いんどう)」です。
日程面の考え方は葬儀の日程の決め方、実施までの日数感は葬儀は亡くなってから何日後?が参考になります。

通夜

故人を安置した後、できるだけ早く僧侶に「枕経(まくらきょう)」をお願いし、最初の諷経(ふぎん:声を揃えて経を読むこと)を行います。
通夜では「観音経(かんのんきょう)」や「金剛経(こんごうきょう)」、「世尊偈(せそんげ)」などが読まれることが多いものの、各派や寺院によって選ぶ経文が異なる場合があります。
香典や持ち物の準備は、葬儀における持ち物を事前に確認すると安心です。

葬儀式

臨済宗の葬儀式は、故人が仏弟子として歩み始めることを象徴する厳粛な儀礼で、授戒と引導を中心に進みます。
主な進行は次のとおりです。

  1. 入堂:遺族・参列者の着席後、導師が入場します。
  2. 剃髪(ていはつ):導師が剃刀を象徴的に用い、「剃髪の偈」を三唱して懺悔と清浄を願います。
  3. 授戒(じゅかい):「懺悔文」「三帰戒文」を唱え、三宝に帰依する誓いを立て、「五戒」「三聚浄戒」「十重禁戒」を授かります。
  4. 入棺諷経(にゅうかんふぎん):納棺に際し「大悲呪」を読み、回向文を唱えます(現代は事前納棺の場合あり)。
  5. 龕前念誦(がんぜんねんじゅ):故人の悟りを願い、「十仏名」や「大悲呪」を唱和します。
  6. 鎖龕諷経(さいがんふぎん):棺の蓋を閉じる際に行います。
  7. 起龕諷経(きがんふぎん):出棺に際して行います。
  8. 弔辞・弔電:関係者が弔意を表します。
  9. 山頭念誦(さんとうねんじゅ):火葬前に行い、故人が涅槃に至ることを祈念します。遺族・会葬者の焼香が続きます。
  10. 引導法語(いんどうほうご):導師が漢詩形式の法語を唱え、終盤に「喝!」と一喝して迷いを断ち切り、仏道へ導きます。
  11. 散堂(さんどう):導師退場、式の終了です。

各派・各寺院で読経や用語の運用が異なることがあるため、依頼前に菩提寺へ確認しておくと確実です。
言葉の整理には葬儀と葬式の違い、全体の進行は葬儀の所要時間の目安と流れが役立ちます。

葬儀後の法要

葬儀後は、故人の冥福を祈る追善法要を営みます。
忌明けの四十九日までを「中陰法要」、以後を「年忌法要」とし、読経・焼香を通じて功徳を回向します。
初七日を葬儀当日に合わせる運用も一般的になっているため、時期や形式は寺院と相談して決めます。
日取りや進め方は初七日法要が参考になります。

【喪主・遺族向け】臨済宗の葬儀を進めるためにすること

臨済宗の葬儀を正しく進めるには、まず故人の宗派を確認し、その教義に沿って執り行うことが大切です。
喪主や遺族の宗派が異なる場合でも、故人の信仰を尊重する姿勢が供養の第一歩になります。
準備を始める段階で、臨済宗における手配の流れと注意点を把握しておきましょう。

まず「菩提寺」があるかを確認する

最初に故人や家族の菩提寺(ぼだいじ)の有無を確認します。
菩提寺とは、先祖代々のお墓があり、葬儀や法要を依頼してきた寺院のことです。臨済宗の葬儀では、原則として菩提寺の僧侶に読経や戒名授与をお願いするのが基本です。
不明な場合は親族に聞く、過去の法要記録や墓地の管理書類を確認するなどで特定します。
全体の進み方は葬儀の流れ(はじめての方へ)も参考になります。

【菩提寺がある場合】僧侶と葬儀社の両方に連絡する

菩提寺がある場合は、寺院と葬儀社の両方に連絡します。
日程や場所は、僧侶の都合と式場の空き状況を調整して決定します。菩提寺で営む方法に加え、近年は葬儀社の式場に僧侶を招いて行うケースも一般的です。
菩提寺から指定の葬儀社や式場が案内されることもあるため、その可否を確認しましょう。
菩提寺に無断で葬儀を行うと、後日の納骨が認められない場合があるため、必ず最初に連絡することが重要です。
喪主としての動きは葬儀における喪主とは?も併せて確認すると安心です。

【菩提寺が遠方にある場合】僧侶に出向いてもらえるか確認する

菩提寺が遠方でも、まず寺院へ連絡します。
僧侶が出向ける場合は日程と会場を調整し、葬儀社に共有して準備を進めます。
出向けない場合は、同じ臨済宗の僧侶や寺院を紹介してもらえることがあります。戒名は菩提寺、読経は紹介先の僧侶に依頼する運用も可能です。
紹介が難しいときは、葬儀社に臨済宗の同一派の僧侶手配を相談します。派が異なると儀礼の細部が変わるため、依頼前の確認が安全です。
葬儀社選びの基準は葬儀社を選ぶときのポイントが参考になります。

【菩提寺がない場合】葬儀社に相談し、僧侶を紹介してもらう

菩提寺がない場合は、まず葬儀社に相談して臨済宗での実施希望を伝えます。
宗派に合った僧侶の紹介や式次第、必要な法具は葬儀社が把握しているため、喪主や遺族が細部まで理解していなくても進行可能です。
対応範囲や費用は社によって変わるため、複数社の見積もりを取り、式場設備や宗派対応の可否を比較検討します。
費用感の事前把握には葬儀にかかる費用と内訳が役立ちます。
なお、僧侶の紹介は信頼できる葬儀社を通じて依頼するのが安心です。独自に依頼する場合は、臨済宗であることと派の一致を必ず確認しましょう。

葬儀を行う場所の選び方

葬儀の場所は、菩提寺の有無や立地条件で異なります。代表的なケースは次のとおりです。

ケース 葬儀を営む主な場所
菩提寺がある場合 ・お付き合いのある菩提寺または自宅
・葬儀社の式場に僧侶を招く
菩提寺が遠方の場合 ・紹介を受けた臨済宗の寺院または自宅
・葬儀社の式場(紹介僧侶に読経を依頼)
菩提寺がない場合 ・葬儀社の式場(臨済宗の僧侶を紹介してもらう)

近年は葬儀社の式場で営むケースが増えています。
場所を決める際は、僧侶の移動可否や参列者のアクセス、会場設備を総合的に確認しましょう。
進行の全体像は葬儀の所要時間の目安と流れも参考になります。

【喪主・遺族向け】臨済宗の葬儀にかかる費用

臨済宗の葬儀費用は、葬儀社のプラン内容や菩提寺・僧侶の方針によって大きく変動します。
総額は一般的に100万〜200万円前後になることが多いものの、規模・参列者数・儀礼内容によって幅があります。
ここでは、費用の内訳と相場感、お布施の目安、出費を抑えるための具体策を整理します。

葬儀費用の内訳と相場

葬儀費用は大きく「葬儀運営費」「参列者対応費」「宗教関係費」に分けられます。
葬儀運営費(式場・祭壇・火葬料など)が全体の約半分を占め、参列者対応費(飲食・返礼品)は人数や地域慣習で増減します。宗教関係費には僧侶へのお布施・御車代・御膳料などが含まれます。
供花など個別費用の考え方は葬儀における花代も参考になります。

お布施の目安

お布施は読経や戒名への対価ではなく、僧侶への感謝を表す供養です。
臨済宗の戒名は「院号+道号+戒名+位号」で構成され、位号が上がるほど目安額も高くなります。一般的な「信士・信女」は30万〜50万円程度が目安です。
導師・脇導師それぞれにお布施と御車代(交通費)・御膳料(食事辞退時)を包み、遠方の場合は宿泊費も配慮します。初七日を同日に行う場合は3〜5万円程度を合算するケースがあります。
形式別の相場感は一日葬のお布施も目安になります。

項目 目安金額
導師 お布施30〜50万円/御車代・御膳料 各1〜2万円
脇導師 お布施10〜20万円 × 人数/御車代・御膳料 各1〜2万円 × 人数
戒名 お布施に含まれる(位号により異なる)
初七日法要 3〜5万円(葬儀当日に行う場合は合算可)

葬儀の費用を抑えるためのポイント

費用は選び方で大きく変わります。複数社の見積比較、規模・形式(家族葬・一日葬等)の見直し、会員制度や事前割引の活用、葬儀保険・互助会による備え、自治体の葬祭費・埋葬料の確認、香典・遺産の充当などを組み合わせると効果的です。
形式別の費用感は一日葬の費用の目安、形式選択の考え方は家族葬と一般葬の違いが参考になります。

【参列者向け】臨済宗の葬儀におけるマナー

臨済宗の葬儀に参列する際は、服装・焼香・数珠などに独自の作法があります。
同じ仏教でも宗派によって細かな違いがあるため、事前に基本的なマナーを理解しておくことが大切です。
ここでは、参列時の身だしなみから、焼香や数珠の扱い、不祝儀袋の表書きまでを整理して解説します。

参列時の服装と身だしなみ

臨済宗に限らず、参列者は黒を基調とした光沢のない装いが基本です。肌の露出や華美な装飾、派手なメイクは避け、落ち着いた印象を心がけます。
バッグや小物では、毛皮や爬虫類系の革など“殺生”を連想させる素材を避けます。迷う場合は葬儀における服装も確認すると安心です。

  • ブラックフォーマル(喪服)を着用する
  • 髪は肩や目にかからないよう整える
  • アクセサリー・メイクは控えめにする

【男性の例】黒のフォーマルスーツ(ダブル/シングル)、白無地シャツ(ボタンダウン不可)、光沢のない黒無地ネクタイ、黒の靴・靴下

【女性の例】黒のワンピースまたはアンサンブル(光沢なし)、黒のパンプス(ヒール3〜5cm程度)、黒のストッキング(厚すぎないもの)

焼香の作法

臨済宗では、抹香を額に押しいただかず1回だけ香炉にくべます。形式にとらわれず、静かに合掌し故人を偲ぶ心を大切にします。焼香の一般的マナーは焼香の作法と流れも参照ください。

  1. 左手に数珠を持ち、祭壇へ進む
  2. 導師・遺族に一礼し、本尊に一礼する
  3. 右手で抹香をつまみ、額へは押しいただかず香炉に一度くべる
  4. 遺影に合掌・拝礼し、下がって一礼して席に戻る

細かな作法は派や地域で異なることがあります。案内がある場合は僧侶・葬儀スタッフの指示に従えば失礼になりません。

数珠(珠数)の作法

臨済宗の正式な数珠は看経念珠(かんきんねんじゅ)で、親玉1個・天玉4個・主玉108個を二重にして用います(男性=組紐房/女性=頭付房)。宗派を問わない略式数珠でも差し支えありません。基本は葬儀における数珠で事前確認を。

  1. 数珠を二重にし、左手の親指と人差し指の間にかける(房は下へ)
  2. そのまま合掌し、式中は左手にかけたまま持つ
  • 席を離れるときは椅子・机に置かず、バッグやポケットへ
  • 焼香直前に取り出すのは避け、式前に準備する
  • 数珠は個人の法具のため、家族間でも貸し借りはしない

言葉や表現のマナー

葬儀の場では、悲しみを深めたり不吉な印象を与える言葉は避けます。他宗教的表現(例:「天に召される」)は用いず、仏教では「ご冥福をお祈りします」「安らかにお眠りください」などの表現が適切です。挨拶例は葬儀の挨拶(例文)が参考になります。

種類 避けるべき例
不幸の重なり 重ね重ね/再び/繰り返し/たびたび
不吉・不適切 終わる/消える/四(死)/九(苦)
直接的表現 死ぬ/亡くなる/死因を問う言葉

不祝儀袋の表書き

不祝儀袋は無地に白黒の水引が一般的(高額は双銀可、関西では黄白の場合あり)。表書きは「御霊前」または「御香典」を用い、薄墨の筆ペンでフルネームを記します。
中袋には住所・氏名・金額を記入します。表書きはボールペン不可ですが、中袋の記入に限りボールペン可とされます。香典の基本は葬儀の香典マナーで確認できます。

臨済宗の特徴と葬儀の作法を理解して、心を込めて見送るために

臨済宗(りんざいしゅう)は、鎌倉時代初期に栄西禅師(えいさいぜんじ・ようさいぜんじ)が宋から伝えた、日本最初の本格的な禅宗の一つです。
坐禅や禅問答によって仏の教えを体得する「看話禅(かんなぜん)」を重んじ、日常の行いをすべて修行ととらえる点に特徴があります。

臨済宗の葬儀は、故人が仏弟子となり、修業の道に入り、自己の仏性(ぶっしょう)に目覚めることを願う厳粛な儀式です。
葬儀では「授戒(じゅかい)」と「引導(いんどう)」が中心となり、故人が仏の弟子として新たな道へ導かれることを表します。

現在、日本の臨済宗は十四派に分かれ、それぞれ葬儀の流れや儀礼、使われる経文が異なります。
焼香の回数(1回)や抹香を額に押しいただかない作法など、他の仏教宗派とは異なる点もあるため、事前に確認しておくと安心です。
臨済宗の葬儀では、静かに手を合わせ、故人の悟りを祈る姿勢が何よりも尊ばれます。

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よくある質問

臨済宗の大本山はどこですか
現在、日本の臨済宗は十四派からなり、各々宗派名の寺が大本山になっています。したがって、臨済宗の大本山は十四箇寺あります。臨済宗では、ほかの仏教の宗派のような宗祖という考えはありません。各派とも開山した禅師を租師として、その教えを教義にしています。
臨済宗のお焼香の作法は?
臨済宗では抹香をつまんで額に押しいただくことはしません。お焼香の回数は1回です。ただし、臨済宗の各派や地域の慣習によってお焼香の作法が異なることもあるので、不安なときは僧侶や葬儀スタッフの案内に従いましょう。
僧侶へのお布施は、どのようにお渡しすればいいですか
お布施をそのまま僧侶に手渡しすることはマナー違反です。「袱紗(ふくさ)」か「切手盆(きってぼん:冠婚葬祭でご祝儀やお布施などを渡すとき用いる小さなお盆)」の上にのせて、相手から文字が見えるように渡します。その際、「本日はありがとうございました」など、僧侶へお礼を述べることも大切です。
臨済宗の葬儀は「家族葬」で行えますか?
家族葬で行えます。家族葬は近親者のみで営む葬儀であり、儀式の形態を規定するものではありません。家族葬は弔問客に気を遣うことなく、落ち着いて故人とお別れをすることができます。また、一般的な葬儀に比べて規模が小さくなるため、費用を抑えられるメリットがあります。
臨済宗の葬儀は「一日葬」で行えますか?
同じ臨済宗であってもお寺ごとに考え方が異なるため、「一日葬」ができる場合とできない場合があります。古くからのしきたりを重んじているお寺では、一日葬ができないこともあります。どのような葬儀を行いたいかについては、家族や親族とよく話し合い、菩提寺や読経を依頼する僧侶、葬儀社に相談して決めましょう。

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中川 貴之