家族葬と一般葬の違いを解説

ご葬儀スタイル

家族葬と一般葬は、葬儀を検討する際に候補として挙がりやすい形式です。しかし、参列者の範囲や費用の目安、当日の流れまで、具体的な違いを把握しないまま選択を迫られるケースもあります。
この記事では、家族葬と一般葬の代表的な違いを整理したうえで、どちらを選ぶかの判断軸についても解説します。

家族葬と一般葬には代表的な違いがある

家族葬と一般葬には、参列者の範囲、費用、当日の流れという代表的な違いがあります。どちらの形式を選ぶかによって、葬儀全体の規模や準備の内容が変わります。

両者の違いの根本は、参列者の範囲にあります。家族葬は家族や親族を中心とした限られた人数で執り行うのに対し、一般葬は会社関係者や近隣住民など広い範囲に訃報を案内します。この参列者の範囲の違いが、費用や当日の流れにも直結します。

葬儀の形式を選ぶ際は、どちらが自分たちの状況に合うかを具体的に比較したうえで判断することになります。参列規模、費用、流れの順に、それぞれの違いを確認します。

参列規模

参列者の規模は、家族葬と一般葬で異なります。家族葬は家族や親族を中心に、故人と親しかった知人、友人に限定して案内するケースが多く、30名前後までが目安とされています。一般葬は会社関係者や近隣住民まで広く案内するため、100名を超える規模になることもあります。

一般葬と家族葬の参列数の違い

むすびす(一都三県)の実績データをみると、家族葬の参列者数は中央値15名で、90%のケースが30名以内に収まっています。一方、一般葬にあたる中型葬、大型葬では参列者の中央値が95名となっており、両者の規模の差が数字にもみられます。

参列者の範囲は、葬儀後の対応にも影響します。一般葬では香典の受け取りや返礼品の準備、後日の挨拶回りなどが発生します。家族葬でも、訃報を知った関係者から後日弔問や香典の申し出があるケースがあるため、参列範囲を絞る場合は事前に対応方針を決めておくことが大切です。

家族葬における参列者の範囲について気になる方は家族葬とは?葬儀における参列者の範囲を解説も併せて確認してください。

費用

葬儀費用は、参列者数によって変動する項目とそうでない項目に分かれます。参列者数に連動するのは、返礼品や飲食接待にかかる費用です。参列者が多くなるほどこれらの費用が積み上がる構造になっているため、参列規模の大きい一般葬の方が総費用は高くなります。

一方、葬儀社への基本費用や寺院へのお布施は、家族葬、一般葬を問わず発生します。形式によって変わる費用と変わらない費用があるため、家族葬の方が一概に安いとはいえません。

また、一般葬では参列者が多い分、香典収入も増える場合があります。家族葬では香典を辞退するケースもあり、その場合は費用の大部分を遺族が負担することになります。支出だけでなく香典収入も含めた収支全体でみると、実質的な自己負担額は家族葬と一般葬で異なる場合があります。費用面での判断は、収支全体を葬儀社に確認したうえで行うことが現実的です。

葬儀にかかる費用の目安について気になる方は相場はどれくらい?葬儀にかかる費用と内訳を解説も併せて確認してください。

流れ

家族葬と一般葬の流れは、臨終→搬送→安置→打ち合わせ→納棺→通夜→葬儀・告別式→火葬という順序で進む点で共通しています。両者の違いは流れそのものではなく、各工程にかかる時間や対応の規模にあります。

参列者数の違いが、各工程の対応内容に影響します。一般葬では受付や焼香の対応に時間を要し、通夜、葬儀それぞれで多くの参列者を迎える準備が必要です。家族葬では参列者が限られる分、各工程がコンパクトになり、遺族が故人と過ごす時間が生まれます。

流れのうえで両者が異なる点として、通夜を省略するかどうかがあります。家族葬では通夜を行わず葬儀、告別式のみで執り行う一日葬を選択するケースがあります。一般葬では通夜を含む二日間の日程で執り行います。

家族葬における流れについて気になる方は家族葬における流れを解説も併せて確認してください。

家族葬と一般葬で迷ったときは見送り方で決める

家族葬と一般葬のどちらが合うかは、葬儀をどのように執り行いたいかによって変わります。家族だけで静かに故人を見送りたい場合は家族葬が、会社関係者や近隣住民など多くの人に参列してもらいたい場合は一般葬が、それぞれの希望に沿いやすい形式です。両者にそれぞれ強みがあるため、遺族が何を大切にするかによって判断が変わります。

見送り方の希望が明確であれば、形式は自然と絞られます。一方で、家族だけで過ごしたい気持ちと多くの人に見送ってもらいたい気持ちの両方がある場合や、理想の見送り方と費用面の現実に差がある場合は、判断が難しくなります。

家族葬か一般葬か決めきれないときは優先順位を整理する

見送り方の希望を整理する際の基準となるのが、参列者の範囲、費用、家族だけで過ごす時間のどれを最も大切にするかです。優先順位が明確になることで、判断の手がかりが生まれます。

ただし、優先順位を整理しても判断が難しいケースがあります。家族葬と一般葬は二択ではなく、家族葬でも一定の範囲で一般参列者を受け入れる形や、一般葬でも費用を抑える進め方、あるいは家族葬で見送ったあとに日を改めてお別れ会を設けるなど、形式の枠にとらわれない選択肢があります。こうした選択肢は、葬儀社への相談ではじめて見えてきます。

希望と現実の差分を含めて葬儀社に相談することで、状況に応じた提案を受けられます。葬儀社は両形式の費用や進め方を把握しており、どちらか決めきれない段階からでも相談に対応しています。

一日葬との違いについて気になる方は一日葬と家族葬の違いを解説も併せて確認してください。

よくある質問

家族葬と一般葬の参列者数の目安はどのくらいですか?
家族葬は30名前後までが目安とされています。むすびすの実績データでは中央値15名で、90%のケースが30名以内に収まっています。一般葬は100名を超えるケースも多く、中央値は95名となっています。
家族葬は一般葬より費用が安いですか?
参列者数に連動する返礼品や飲食費は家族葬の方が抑えられますが、葬儀社への基本費用やお布施は形式を問わず発生します。また一般葬では香典収入が見込めるため、実質的な自己負担額は一概に家族葬の方が安いとはいえません
家族葬と一般葬で当日の流れは変わりますか?
基本的な順序は共通していますが、家族葬では通夜を省略した一日葬を選択するケースがあります。一般葬は通夜を含む二日間の日程で執り行うのが一般的です。
家族葬か一般葬か迷った場合はどうすればいいですか?
参列者の範囲・費用・家族だけで過ごす時間のどれを優先するかを整理することが判断の手がかりになります。家族葬でも一般参列者を一定範囲で受け入れる形や、家族葬後にお別れ会を設けるなど、形式にとらわれない選択肢もあります。判断が難しい場合は葬儀社への相談が適切です。
家族葬を選んだ場合、参列しなかった人への対応はどうすればいいですか?
訃報を知った関係者から後日弔問や香典の申し出があるケースがあります。参列範囲を絞る場合は、事前に対応方針を決めておくことが大切です。後日お別れ会を設けるなど、形式にとらわれない方法で関係者への配慮をすることも選択肢のひとつです。

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中川 貴之