葬儀日程の決め方と注意点
故人が逝去した日の翌日にお通夜、翌々日に葬儀・告別式を行うものだと考えている方は少なくなりません。
しかし、地域によっては、故人が逝去してから数日後にお通夜や葬儀・告別式を行うことも珍しくありません。葬儀の日程を決めるために、様々な要因を考慮して、調整する必要があるからです。
万が一に備えてご逝去から葬儀を終えるまでの日程をスムーズに決められるよう、重要なポイントをご紹介します。
逝去から葬儀までの平均日数
首都圏の葬儀に関する情報を発信するエンディングデータバンクによると、2019年に営まれた葬儀のうち、ご逝去から火葬を終えるまでの平均日数は5日~6日が大半を占めています。
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この限られた時間の中で、葬儀の準備や手続きなど、やるべきことはたくさんあります。
万が一のとき慌てないためにも、ご逝去から葬儀までのおおまかな日程と内容を理解して、いざというとき対応できるように心構えをしておきましょう。
菩提寺と付き合いのある方は、最優先で都合の確認を
葬儀の日程を決める上で、重要な3つのポイントは、宗教者の都合、火葬場の予約状況、参列者の都合です。
宗教者とは僧侶や神主、神父などのことです。僧侶による読経など、宗教儀礼のある葬儀を行う場合、宗教者がいなくては始まりません。
特に、菩提寺と付き合いがある方は、菩提寺の都合を最優先で確認しましょう。菩提寺の僧侶が葬儀で読経をしなかった場合、お墓への納骨を断られる可能性があるからです。菩提寺が遠方にある場合でも、菩提寺の僧侶に読経をお願いしましょう。
宗教者との付き合いはないが、宗教儀礼のある葬儀を希望する場合は、葬儀社を通じて宗教者を紹介してもらうことができます。宗教者は、家族のスケジュールに合う方を紹介してもらえます。
火葬場の空き状況や休館日も考慮して
日本の法律では、故人の火葬が義務付けられています。そのため、葬儀を行う際には、あらかじめ火葬場の予約をしなければなりません。
宗教者の都合を確認したら、すぐに火葬場の空き状況を確認しましょう。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県といった首都圏では、火葬場が予約で埋まっていて、希望する日時に予約できないということも珍しくないからです。
特に火葬場は、11時から13時に予約が集中します。これは、10時や11時に告別式を終え、火葬中や火葬後に精進落としを食べようと考える方が多いからです。
火葬場の空き状況のほか、火葬場の休館日も考慮して、スケジュールを決める必要があります。
暦の上で「友引」は、「凶事に友を引く」として、友引の葬儀が避けられているため、多くの火葬場は「友引」を休業日にしているので、日程に影響することがあります。
式場や火葬場の予定についても、葬儀社に確認してもらいましょう。
参列者のスケジュールや友引にも配慮して日程調整
葬儀の日程を決める上で、最後に参列者のスケジュールを確認しましょう。特に遠方から参列する方がいる場合は、交通機関の状況も踏まえて、日程を調整してください。
このほか、友引にも配慮して、葬儀の日程を検討しましょう。葬儀では、「凶事に友を引く」として、友引の葬儀が避けられているからです。
友引は本来、「共引」と書き、「物事に勝負がつかないとする日」という意味の日でした。それがいつしか「友引」となり、意味合いも変わったようです。
高齢の方の中には、友引を気にする方が少なくありません。「自分は友引を気にしない」という方であっても、参列する方の顔ぶれに合わせて、友引に葬儀を行うかどうか判断しましょう。
葬儀の日程は、葬儀社との打ち合わせで決めていきます。菩提寺への都合の聞き方がわからなかったり、火葬場に空きがなく、希望の日時で葬儀が行えないなど、葬儀の日程調整で困った場合は、葬儀社にすぐ相談しましょう。
葬儀の日程を決定するために考えておくべき4ステップ
葬儀の日程を決めるうえで、「費用」「呼ぶ範囲」「場所」「スタイル」について事前に考えておくことで、いざという時のために備えることができます。
おおよその葬儀費用を把握
こんな場所で、このような葬儀のスタイルで、これくらい参列者を呼んで、この程度の予算で葬儀を行いたいというアバウトな方向性を持つことが、葬儀の日程を決める第一歩です。
いまの段階で具体的な費用を算出する必要はありませんが、ご本人の金融資産について把握しておくと後々のためになるでしょう。
葬儀に参列する人数の検討
葬儀に呼ぶ人の範囲は、費用にも日程にも影響します。
家族と親族、故人と親しかった方に限定してお呼びするのか、仕事関係や近隣の方もお呼びするのか考えておくといいでしょう。
葬儀を行う場所
日程を優先する場合、葬儀を行おうと考えている斎場・葬儀場、火葬場などの空き状況が希望に沿わないこともあります。候補を複数選んでおくといいでしょう。
葬儀スタイル・形式
葬儀は地域慣習や家族の考え方によって様々なスタイルがありますが、現在の傾向としては大きく「家族葬」「一般葬」に分けられます。
「家族葬」は、葬儀にお呼びする方を家族や親族、故人と親しかった方などに限定して、少人数でゆっくりとお別れをする葬儀です。
「一般葬」は、昔からある一般的な葬儀で、家族や親族はもちろん知人、お仕事関係や近隣の方々もお呼びして、多くの人々でお別れするスタイルなので、参列者の範囲は広がります。
近年では、参列者への配慮やシンプルな葬儀を希望する方のために、1日目の通夜を行わず、2日目の葬儀・告別式と火葬のみを行う「一日葬」というスタイルもあります。一日葬の流れは2日間の葬儀とは異なります。
また、直接火葬場に集合をして、火葬と収骨のみを行う火葬式・直葬に関しても当日の流れは大きく変わります。
葬儀後にもやることがある
葬儀が終わってからも、「仏壇」「法要」「お墓」「納骨」「相続などの各種手続き」などの手続きが必要になります。
喪主を経験した方を対象に実施したアンケートでは、7割以上の方が「一番大変だった」と回答したのは、葬儀後の各種手続きについてでした。
葬儀が終わってからも、四十九日法要や一周忌法要、供養や法要、葬祭補助金の手続き、年金の手続き、保険、相続、遺品整理など、やるべきことがたくさんあります。
日頃やり慣れていない供養や法要、様々な手続きを葬儀後に行うのは心身ともに大変なことです。
こうした喪主の方をサポートするため、専門の相談員が無料で、回数の制限なくアフターサポートしている葬儀社もあります。
葬儀社選びのポイントのひとつに、しっかりしたアフターサポートがあるかどうかを加えておくことをお勧めします。
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