何から始めるべき?終活の進め方を解説
終活を始めたいと思いながら、何から手をつけたらいいのか分からず、なかなか実行に移せない人は多くいます。特別な準備や専門知識を必要としない、エンディングノートや断捨離は始めやすい終活の手段です。
終活で整理すべき内容は、大きく「気持ちと情報の整理」「モノとお金の整理」「万一への備えの整理」の3つに分けられます。多岐に渡るこれらの内容を一度にすべて終わらせることはできません。この記事では、身近なことから始める方法と、無理なく着実に進めるための工夫について解説します。
終活は身近なことから始める
終活は、自分の情報や希望を整理して書き残すエンディングノートや、身の回りの不用品を処分する断捨離など、身近なことから始めることで無理なく進められます。
事前の準備や専門知識が必要ないので、思い立ったときにすぐ着手できるのがメリットです。お金をかけずに進められるうえ、目に見えて進捗が把握できるので達成感も得られます。
終活の内容は多岐に渡り、必要な準備も人それぞれ異なります。その第一歩としてエンディングノートと断捨離は、誰でも気軽に始められる取り組みです。
終活そのものについて詳しく知りたい方は、終活とは?準備するときのポイントを解説も併せて確認してください。
エンディングノートを書く
エンディングノートは、自分に万一のことがあった場合、残された家族が困らないように、自分の情報や希望を記載するものです。
遺言書のような法的効力はありませんが、書き方に決まったルールがないので、形式にとらわれず自由に書けます。
何から書き始めればいいのか分からないときは、氏名、生年月日、本籍、マイナンバー、菩提寺、友人や知人の連絡先といった基本情報を整理したり、配偶者や家族へのメッセージを書いたりすることで、家族と自分に必要な項目が見えてきます。
エンディングノートは一度に完成させるものではなく、状況の変化に応じて何度でも加筆・修正できるので、更新することを前提に取り組むと継続しやすくなります。
エンディングノートの書き方について気になる方は、終活におけるエンディングノートとは?作るときのポイントを解説も併せて確認してください。
身の回りを断捨離する
断捨離は、終活の一環として身の回りの不用品を処分し、快適な生活環境を手に入れる取り組みです。
ごみ同然と分かっていながら放置してあるもの、今後使わない書類や資料、サイズが合わなくなった衣類などを処分することから始めると、効率よく進められます。
アルバムや写真、家族の思い出がある品、友人からの贈り物など、判断に迷うものは無理に処分する必要はありません。
断捨離は一気に終わらせる必要はありません。自分の気になっている場所や部屋、家具などを決めて、少しずつ片づけることで挫折することなく進められます。
断捨離の具体的な進め方について気になる方は、終活における断捨離のコツを解説も併せて確認してください。
終活は3つの取り組みに整理できる
終活で取り組むべき内容は、大きく「気持ちと情報の整理」「モノとお金の整理」「万一への備えの整理」の3つに分けられます。
終活は考えるべき項目が多岐にわたるため、取り組むべき内容を整理しないまま始めてしまうと、何をどこまで進めたのか、次にやるべき作業や手続きは何か、自分でも把握しきれなくなります。
この3つの切り口で考えることで、必要な項目や優先順位を整理し、把握しやすくなります。
気持ちと情報の整理
終活を進めるうえで、気持ちの整理は早めに取り組みたい内容です。
終活の項目で何を優先すべきかは人それぞれ異なります。これまでの人生を振り返り、家族に何を伝えたいのか、どんな想いを残したいのかを考えることは、単なる情報の書き出しとは違い、終活全体の方向性を定める土台になります。
気持ちが定まると、家族に何を残すべきか、何を伝えておくべきかという情報の優先順位も見えてきます。たとえば、家族への感謝を伝えたいという想いがあれば、連絡先や思い出の品の扱いといった具体的な情報を整理する必要性に気づけます。
気持ちの整理を通じて情報が具体的になると、エンディングノートに書くべき項目も自然と定まり、これからの暮らしを見直すきっかけにもなります。
モノとお金の整理
残された家族が困らないためにも、モノとお金の整理は欠かせません。
モノの整理は、住居に溜め込んだ不用品を処分して身の回りを整える断捨離に加え、財産を引き継いだ家族には価値が分かりにくい美術品や骨董品、高額コレクションなどの整理や売却も含まれます。
お金の整理は、預貯金、保険、年金、不動産、有価証券、デジタル資産などのプラスの財産だけでなく、借入金、連帯保証人、ローンや税金、公共料金などの未払金といったマイナスの財産、さらに携帯電話やインターネット契約、サブスクリプションサービスなど、定期的な支払まで含めて整理する必要があります。
モノとお金の整理は一気に片づけられません。まず自分が何を持っているのかを把握することから始めるとよいでしょう。
相続に関わる整理について気になる方は、終活における相続のポイントを解説も併せて確認してください。
万一への備えの整理
自分に万一のことがあった場合の備えは、家族と自分を守るために重要です。
医療や介護、延命治療、緩和ケア、臓器提供など命にかかわる判断を家族まかせにすることは、精神的に大きな負担になるだけでなく、後々まで後悔させてしまうことにもなりかねません。
同様に、葬儀やお墓、供養について希望があるときは、その理由も含めて書き残しておくことで、いざというとき家族は慌てずに対応できます。
万一への備えは、家族が判断しづらい内容ほど、早めに整理しておく必要があります。
終活は期間を区切ると無理なく進められる
終活に決まったゴールはありません。考える項目も多岐にわたり、その内容も年齢とともに変わっていきます。
期間を区切らずに進めてしまうと、徐々に負担が重くなり、途中で挫折することも多くなります。家族と自分にとって優先順位の高いものから始め、ある程度の期間を定めてひと区切りとすることで、負担が軽くなり継続して進められます。
一人で抱え込まず、家族とコミュニケーションを取りながら無理なく進めることが大切です。
進め方の目安を立てたい方は、終活におけるチェックリストの作成方法を解説も併せて確認してください。
家族と情報を共有する
整理した「気持ちと情報」「モノとお金」「万一への備え」の内容は、家族が把握できる状態にしておくことが重要です。エンディングノートや、相続に必要な貴重品の保管場所についても同様です。
整理した情報を家族と共有する方法は、エンディングノートに限りません。相続の専門家に相談したり、配偶者や家族に日常の会話で伝えたりする方法もあります。
まずは自分の情報を書き出すことから始め、必要に応じて葬儀社や専門家に相談するとよいでしょう。
よくある質問
- 終活は何から始めればよいですか
- 終活はエンディングノートの作成や身の回りの整理など、着手しやすいことから始めると取り組みやすくなります。完璧に進めようとするあまり何も始められないまま時間だけが過ぎてしまわないよう、身近なことから少しずつ整理する方法があります。
- 終活では何をすればよいですか
- 終活で考える内容は、大きく「気持ちと情報の整理」「モノとお金の整理」「万一への備えの整理」の3つに分けられます。すべてを一度に進める必要はなく、家族と自分にとって優先順位の高いことから着手すると、効率よく進められます。
- 身の回りのモノは何から捨てればよいですか
- ごみ同然と分かっていながら放置してあるもの、サイズが合わなくなったものなど、捨てるか残すか判断しやすいものから処分する方法があります。アルバムや思い出の品といった判断に迷うものは、後回しにして構いません。
- 終活はどれくらいの期間で進めればよいですか
- 終活に決まった終わりはありません。しかし、取り組む範囲や期間を決めずに進めると負担が大きくなり、途中で続かなくなりやすくなります。ある程度の達成目標を定め、それをひと区切りとして取り組むことで、負担を軽くできます。
- 家族には何を伝えておけばよいですか
- 万一のとき家族が困らないための情報は、家族全体で共有しておく必要があります。エンディングノートに基本情報、医療や介護、葬儀や供養、財産や契約、デジタル情報などを記載したら、その保管場所を家族に伝えておくことが大切です。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版