一般葬における喪主のポイントを解説
一般葬で喪主を務めることになり、何から手をつければいいのか分からず不安に感じている人もいると思います。
一般葬における喪主のポイントを、やること、挨拶、家族との役割分担、困ったときの相談先の順に整理しました。差し迫った状況のなかで、まず何を押さえておけばいいか知りたい人は参考にしてみてください。
一般葬の喪主になったらやることを押さえておく
一般葬の喪主になったら、まずやることの全体像を押さえておくことが大切です。
一般葬は家族葬と違い、親族だけでなく会社関係者や友人、近所付き合いのある人まで参列する幅の広い葬儀です。家族葬と一般葬の違いについて気になる方は、家族葬と一般葬の違いを解説も併せて確認してください。喪主として対応する範囲も自然と広がるため、何をどこまで準備すればいいのか判断に迷いやすくなります。
押さえておきたいのは、参列者数の見込み、受付を頼む人、式の進行内容の打ち合わせ、企業が関わる場合の対応の4つです。いずれも一般葬ならではの事情が関わっているため、押さえておくと当日までの準備を落ち着いて進められます。
参列者数はおおまかに把握しておく
参列者数は、正確な数字ではなく、おおまかな見込みで把握しておきます。
一般葬は招待制ではなく、故人と関わりのあった人であれば幅広く参列できる形式です。家族葬のように参列者を限定しないため、当日になってみないと正確な人数は分かりません。
正確な数が分からなくても、故人の交友関係や勤務先の規模などから、参列者数の見込みを立てておくことはできます。見込みを立てておくと、受付の人数や返礼品の数量など、以降の準備を進めるときの目安になります。参列者数について気になる方は、平均は何人くらい?一般葬における参列者の人数を解説も併せて確認してください。
受付は早めに依頼しておく
受付は、当日を迎える前に早めに依頼しておきます。
一般葬は参列者数が多く、受付では記帳の案内や香典の受け取り、会葬御礼の手渡しなど複数の業務を同時にこなす必要があります。喪主自身が受付に立つことは難しいため、親族や故人と親しかった知人などに依頼することになります。一般葬であれば、受付は2〜3人程度で対応できることが多く、参列者数が多い場合はさらに人数を増やして対応します。
依頼が直前になると、受付を担当する側も当日の流れを把握しないまま本番を迎えることになり、対応に戸惑いが生じやすくなります。誰にどの業務を頼むかを早めに決めておくと、当日の受付もスムーズに進みます。葬儀の受付係について気になる方は、葬儀の受付係とは?必要な準備と当日の流れを解説も併せて確認してください。
式の進行内容は一般葬の規模に合わせて打ち合わせる
式の進行内容は、一般葬の規模に合わせて葬儀社と打ち合わせておきます。
一般葬は参列者数が読みにくいため、返礼品の数量や着席できる人数など、進行にかかわる部分に想定と実際のずれが生じやすくなります。返礼品は、参列者数ぴったりに用意すると不足するおそれがあるため、想定人数より50〜100ほど多めに準備しておくケースが多く見られます。葬儀における返礼品について気になる方は、葬儀における返礼品を解説も併せて確認してください。
着席についても、参列者全員分の座席を用意できるとは限りません。座れない参列者が出ることを前提に、当日の案内をどうするかまで葬儀社と話し合っておくと、いざというときに慌てずに対応できます。
施主や関係者が企業の場合は対応も行う
施主や関係者が企業の場合は、その対応も喪主が担うことになります。
一般葬では、故人の勤務先や取引先が施主に近い形で葬儀に関わったり、弔問に訪れたりすることがあります。会社が関わる場合は、日程の調整や、参列者への対応方針を会社側とすり合わせておく必要が出てきます。
家族葬にはあまり出てこない対応であるため、勤務先や取引先とのやり取りが発生しそうな場合は、早い段階で葬儀社に伝えておくと、進め方を相談しながら準備を進められます。喪主が担う役割全般について気になる方は、葬儀における喪主のやることを解説も併せて確認してください。企業が施主に近い形で関わる社葬について気になる方は、社葬とは?葬儀の観点からわかりやすく解説も併せて確認してください。
喪主の一番の負担は挨拶になる
喪主にとって一番の負担になりやすいのが、挨拶です。
挨拶は通夜の終了時、告別式や出棺のとき、精進落としの開始と終了時など、複数の場面で必要になります。そのたびに、身内だけでなく会社関係者や友人など、普段付き合いのない参列者にも向けて話すことになるため、身構えてしまう人も少なくありません。
一般葬ならではの挨拶は参列者の幅広さを意識する
一般葬ならではの挨拶では、参列者の幅広さを意識しておきます。
家族葬であれば身内だけに向けた短い言葉で済むこともありますが、一般葬は会社関係者や友人など、故人と生前どのような関わりがあったか分からない参列者も多く集まります。身内向けの簡単な挨拶だけでは、参列してくれたことへの感謝が伝わりにくいと感じる場合もあります。
大勢の参列者に向けて話すときは、来てくれた一人ひとりへの感謝を、関係性を限定しない言葉で伝えることを意識します。たとえば「本日はご多用のところ、大勢の皆様にご会葬いただき、誠にありがとうございます」のように、参列者の多さや関係性の広がりに触れる一言を添えると、身内以外の参列者にも気持ちが伝わりやすくなります。挨拶の基本的な構成や場面ごとの例文について気になる方は、葬儀の挨拶はどうしたらいい?例文を交えながら解説も併せて確認してください。
エピソードも、家庭での一面と仕事での一面を少しずつ盛り込むと、参列者それぞれが自分の知っている故人の話として受け止めやすくなります。たとえば「家では孫の相手をするのが何よりの楽しみで、よく公園に連れて行っていました」という家庭でのエピソードに続けて、「仕事でも最後まで後輩の相談に乗り、頼りにされる存在でした」のように、職場での一面にも触れます。家族だけが知っている話に終始せず、会社関係者や友人にとっても知っている故人だと感じられる内容を意識すると、参列者の幅広さに応じた挨拶になります。
一般葬の喪主は家族と役割を分担する
一般葬の喪主は、一人で対応しようとせず、家族と役割を分担することが大切です。
ここまで見てきたように、一般葬は喪主が担う業務が多く、一人で抱えるには負担が大きくなりやすい規模の葬儀です。挨拶のように喪主本人にしかできないことがある一方で、受付や参列者対応、香典の管理などは家族や親族で分担できます。
お願いする人にはあらかじめ口頭で依頼する
お願いする人には、当日ではなくあらかじめ口頭で依頼しておきます。
当日いきなり頼まれると、頼まれた側も何をどこまでやればいいのか分からないまま対応することになり、かえって喪主の負担が増えてしまう場合があります。LINEやメールなど文字だけのやり取りでは、細かいニュアンスが伝わりにくいため、電話でもかまわないので、声で直接依頼しておくと、当日の役割分担について認識のずれが起きにくくなります。
依頼するときは、受付や香典の管理、参列者への案内など、具体的にどの業務を任せたいのかを伝えておくと、相手も当日の動き方をイメージしやすくなります。香典の扱いについて気になる方は、一般葬における香典のポイントを解説も併せて確認してください。
一般葬の喪主になって心配なことは葬儀社に相談する
一般葬の喪主になって心配なことがある場合は、葬儀社に相談することで解決できます。
やることの全体像や挨拶のポイントを押さえていても、実際に自分の状況に当てはめたときには、判断に迷う部分が残ることもあります。挨拶の原稿がまとまらない場合や、当日どうしても挨拶が難しい場合の対応、勤務先や取引先など企業が関わる際の進め方についても、葬儀社に相談すれば具体的な対応を確認できます。
一人で抱え込まず、分からないことは早めに葬儀社に伝えておくと、当日まで落ち着いて準備を進められます。
よくある質問
- 喪主と施主は違うんですか?
- 喪主と施主は役割が異なります。喪主は遺族を代表して葬儀を取り仕切り、挨拶や参列者への対応を担う立場です。施主は葬儀にかかる費用を負担する立場を指し、多くの場合は喪主が施主を兼ねますが、勤務先が費用の一部を負担するなど、喪主と施主が分かれるケースもあります。
- 一般葬の喪主は必ず挨拶をしなければいけませんか?
- 喪主が挨拶をするのが基本ですが、体調が優れない場合や人前で話すことが難しい場合は、親族が代わりに挨拶をすることもできます。代役を立てたい場合は、事前に葬儀社に相談しておくと、当日の進行に合わせて対応してもらえます。
- 一般葬の喪主を一人でこなすのは難しいですか?
- 一般葬は参列者数が多く関係性の幅も広いため、喪主一人で受付から挨拶まですべてをこなすのは負担が大きくなります。受付や香典の管理などは家族や親族に分担してもらい、喪主は挨拶や進行の最終確認など、喪主本人にしかできないことに集中する進め方が現実的です。
- 一般葬で会社関係者への対応はどこまで必要ですか?
- 故人の勤務先や取引先が参列する場合、弔問への対応だけでなく、日程の連絡や参列者への対応方針のすり合わせが必要になることがあります。会社が施主に近い形で関わるケースもあるため、企業とのやり取りが発生しそうな場合は早めに葬儀社に相談しておくと安心です。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版