一般葬における通夜のポイントを解説
一般葬の通夜に参列することになり、当日どのように過ごせばいいのか気になっている人もいると思います。
反対に、一般葬で通夜を執り行う喪主側では、参列者への対応に追われるなかで、何を準備しておけばいいのか判断に迷う場面も出てきます。
当記事では、一般葬における通夜のポイントを、参列者側と喪主側それぞれの立場から解説します。まず一般葬の通夜ならではの特徴を確認したうえで、参列者側が押さえておきたい流れ、喪主側が進めておきたい準備の順に整理しているため、一般葬の通夜について知りたい人は参考にしてみてください。
一般葬の通夜は参列者対応に追われる時間になる
一般葬の通夜は、喪主にとって参列者対応に追われる時間になります。
一般葬は親族だけでなく友人や会社関係者、近所付き合いのある人まで幅広く弔問に訪れる形式です。喪主や遺族は、限られた通夜の時間のなかで一人ひとりに挨拶を返す必要があります。
参列者への対応に時間を取られる分、喪主や近親者は落ち着いて故人と向き合う時間を取りにくくなります。
家族で過ごす時間は告別式になる
家族で過ごす時間は、通夜ではなく告別式で確保することになります。告別式について詳しく知りたい方は、告別式とは?葬儀との違いからわかりやすく解説も併せて確認してください。
通夜は弔問に訪れる参列者への対応が中心になる時間です。喪主や近親者は受付や焼香の案内、挨拶対応に追われるため、家族だけで静かに過ごす時間を作りにくいのが実情です。
一般葬でも家族でゆっくり過ごせるように、告別式は家族のみで過ごし、一般の参列を辞退することも可能です。告別式に一般の参列者が来た場合も、読経のあとお花入れの前に家族だけの時間を作ることがあります。
家族だけでお別れをしたいものの、交友関係の広さから一般葬にする必要がある場合は、葬儀社に相談し、一般の参列を通夜だけに限定することも選択肢として考えるとよいでしょう。
一般葬の通夜に参列するときは流れを押さえておくことがポイントになる
一般葬の通夜に参列するときは、当日の流れを押さえておくことがポイントになります。
一般葬は参列者が多いため、流れを把握せずに参列すると、受付や焼香の順番待ちで戸惑ったり、周囲に合わせて動けず落ち着かない気持ちのまま過ごしたりすることになりかねません。
押さえておきたいのは次の3つです。
- 受付から開式までの過ごし方
- 焼香から通夜振る舞いまでの過ごし方
- 閉式後の過ごし方
いずれも一般葬ならではの事情が関わっているため、押さえておくと当日の安心につながります。
受付から開式までは早めの行動を心がける
受付から開式までは、早めの行動を心がけることが大切になります。
一般葬は参列者が多く、開式が近づくにつれて受付が混み合います。到着が遅れると、受付を済ませる前に開式時刻を迎えてしまい、慌ただしく着席することになりかねません。
受付では香典を渡し、記帳をすませてから会場に入ります。通夜は18時ごろに開式することが多いため、開式の15分ほど前を目安に受付を終えられるよう、余裕を持って会場に向かうと落ち着いて過ごせます。香典について詳しく知りたい方は、一般葬における香典のポイントを解説も併せて確認してください。
会社の同僚や近所の人と一緒に参列する場合は、周囲と参列するタイミングを合わせておくと、単独で動くよりも落ち着いて行動できます。上司や同僚と参列する場合は、集合時間や香典の扱いを事前に話し合っておくとスムーズです。
焼香から通夜振る舞いまでは手荷物の管理を心がける
焼香から通夜振る舞いまでは、手荷物の管理を心がけることが大切になります。
一般葬は参列者数を事前に読みきれないため、全員分の座席を用意できる斎場を最初から確保することが難しい場合があります。そのため、焼香を終えた参列者がそのまま通夜振る舞いの席に移動して食事をとり、自席に戻らずに帰るケースも珍しくありません。
自席に戻らない場合、コートや荷物を席に置いたままにしておくと、通夜振る舞いの会場まで持ち歩けなくなります。焼香に向かう前から、上着や手荷物は自分の手元に置いておくと、そのまま移動する場合にも困りません。
閉式後は喪主の状況を確認できるように心がける
閉式後は、喪主の状況を確認できるように心がけることが大切になります。
閉式後は喪主や遺族が弔問客の対応に追われ、慌ただしくなる時間帯です。長居をすると、対応の妨げになったり、次の弔問客の案内が滞ったりすることにつながります。
通夜振る舞いに案内されている場合は、30分程度を目安に、喪主や遺族の様子をうかがいながら退席の挨拶をします。喪主の役割について詳しく知りたい方は、葬儀における喪主の役割を解説も併せて確認してください。
遺族と面識が薄い場合は、長い言葉をかける必要はありません。「このたびはご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」など短いお悔やみの言葉を伝えるだけで十分です。手短に気持ちを伝えたうえで、速やかに退席するとスマートです。
一般葬の通夜は事前に参列者を想定して準備を行うのがポイント
参列者側の流れを押さえたところで、ここからは一般葬の通夜を執り行う喪主側の準備に話を移します。
一般葬は参列者の範囲が広く、実際に何人が参列するかを正確に把握することは難しくなります。想定していた人数を大きく下回ったり上回ったりすると、参列者をもてなす体制が整わず、失礼な対応につながる場合があります。参列者数の目安について詳しく知りたい方は、平均は何人くらい?一般葬における参列者の人数を解説も併せて確認してください。
参列者数の影響を大きく受けるのは、受付の対応人数、返礼品、通夜振る舞いの料理の3つです。
一般葬での受付は予想される参列者に合わせて準備をする
一般葬での受付は、予想される参列者数に合わせて準備をします。
受付では記帳の案内や香典の受け取り、会葬御礼の手渡しなど複数の業務を同時にこなす必要があります。一般葬であれば、受付は2〜3人程度で対応できることが多く、家族葬のように1人だけで対応するケースは少なくなります。
参列者数が100人を超えるような大型の一般葬では、人数に応じて受付を増やしたり、受付の場所を複数箇所に分けたりする対応が必要です。葬儀の受付係について詳しく知りたい方は、葬儀の受付係とは?必要な準備と当日の流れを解説も併せて確認してください。
一般葬での返礼品・香典返しは想定よりも余裕をもって準備をする
一般葬での返礼品や香典返しは、想定人数よりも余裕をもって準備をします。
返礼品や香典返しは、参列してくれたお礼として渡すものであり、用意した数が足りなくなると、渡せない参列者が出てしまいます。一般葬では、想定人数より50〜100ほど多めに準備しておくケースが多く見られます。返礼品について詳しく知りたい方は、葬儀における返礼品を解説も併せて確認してください。
多めに準備しておいても、実際に使った分だけを精算する仕組みになっていることが多いため、数量を多く見積もったこと自体が負担につながるわけではありません。適切な予備数は葬儀社が経験から判断できるため、相談しながら数量を決めていくと安心です。
一般葬での通夜振る舞いは想定人数分を目安に準備をする
一般葬での通夜振る舞いは、想定人数分を目安に準備をします。
通夜振る舞いの料理は、お寿司やオードブルといった立食で食べられる軽食が中心です。通夜振る舞いの内容について詳しく知りたい方は、用意するものなの?葬儀における食事を解説も併せて確認してください。参列者全員に振る舞う前提で、人数分をきっちり用意する必要はありませんが、極端に少ないと食事が行き渡らない参列者が出てしまいます。
通夜振る舞いは30分程度で切り上げるのが一般的です。式場が21時に閉まることも多く、その時間までに完全に撤収を終えられるよう進行を組んでおく必要があります。
想定人数を目安にしながら、多少の増減にも対応できる量で手配しておくと安心です。実際の参列者数に応じて、葬儀社と当日の数量を調整できる場合もあります。
一般葬の通夜で分からないことがあれば葬儀社に相談する
一般葬の通夜で分からないことがある場合は、葬儀社に相談することで解決できます。
参列者側・喪主側それぞれのポイントを押さえていても、実際の会場や参列者の状況に当てはめたときには、判断に迷う部分が残ることもあります。一般葬は家族葬に比べて参列者の範囲が広く、当日の対応に個別の事情が絡みやすい形式でもあります。
通夜の進め方や当日の対応で判断に迷ったときは、葬儀社に相談することで、状況に応じた具体的な対応を確認できます。
よくある質問
- 一般葬でも通夜振る舞いをしないことはできますか?
- 一般葬でも、通夜振る舞いを省略することは可能です。感染症対策や、遺族の準備・費用の負担を軽減する目的で、通夜振る舞いを行わず、折詰めやお弁当を持ち帰ってもらう形式に変える葬儀も増えています。省略する場合は、訃報や案内状、当日の受付での案内でその旨を伝えておくと、参列者も戸惑わずに済みます。通夜振る舞いがないと案内された場合、参列者側は閉式後にそのまま帰っても失礼にはあたりません。
- 通夜振る舞いに誘われたら断ってもいいですか?
- 通夜振る舞いに誘われた場合は参加するのが基本的なマナーですが、やむを得ない事情があれば辞退しても差し支えありません。辞退する場合は、遺族や世話役に一言伝えたうえで、目立たないように退席するとよいでしょう。
- 通夜は焼香だけして帰ってもいいですか?
- 一般葬の通夜では、焼香だけをすませて通夜振る舞いには参加せずに帰ることも珍しくありません。関係性がそれほど深くない場合や、翌日の告別式に参列する予定がある場合は、無理に長居せず、焼香を終えたタイミングで退席してもマナー違反にはあたりません。
- 一般葬の受付は何人で対応すればいいですか?
- 一般葬であれば、受付は2〜3人程度で対応できることが多いです。参列者数が100人を超えるような大型の葬儀では、人数に応じて受付を増やしたり、受付を複数箇所に分けたりする対応が必要になります。
- 家族だけの時間はいつ取ればいいですか?
- 一般葬の通夜は参列者対応に追われるため、家族だけで過ごす時間は告別式で確保するのが一般的です。告別式では一般の参列を辞退したり、読経のあとお花入れの前に家族だけの時間を作ったりすることもできます。通夜のうちに時間を確保したい場合は、葬儀社に事前に相談しておくとよいでしょう。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版