葬儀における風習を解説
葬儀の風習は地域ごとに違いがあり、同じ地域でも家庭によって重んじ方が異なります。
そのため、すべてを調べ尽くすよりも、火葬の流れや通夜ぶるまいなど違いが出やすい場面を押さえ、親族と葬儀社に確認しながら進める方が現実的です。
本記事では、火葬の順番、会食の扱い、収骨や水引といった独特な風習を整理し、迷ったときの確認先もあわせて解説します。
このページでは、アクセス・料金の目安・家族葬の可否を含め、葬祭プランナーが対象地域の斎場・火葬場を比較しながら分かりやすくご紹介します
葬儀の風習はすべてを守らなくてもよい
葬儀の風習は地域に根付いていることが多い一方で、地域の風習をすべて守らなくても、葬儀自体はとりおこなえます。
地域の風習は細かな形として残っている場合もありますが、地域差が大きいため、細部まで同じ形にしようとすると確認や調整が増え、準備の負担が大きくなりやすいです。
また、同じ地域の中でも家庭によって重んじ方が異なることがあり、親族間で受け止め方がそろわない場合もあります。
そのため、風習が気になるときは、細部まで調べ切るよりも、親族に確認して、この地域で外しにくい点を確認しておきます。
葬儀の風習は差が出やすい場面がある
葬儀の風習は地域差があるため、どの場面で違いが出やすいかを先に押さえると考えやすくなります。
違いが表れやすいのは、当日の流れに関わる部分や、会食や収骨のように地域で見慣れた形が残っている部分です。
こうした場面は、親族の過去の葬儀経験と結びつきやすく、想定がそろわないと後から説明や調整が必要になることがあります。
判断としては、次章で風習の違いが出やすい場面を確認し、分からない点は親族に確認したうえで、実務は葬儀社の案内に沿って進めます。
押さえておきたい葬儀の風習
葬儀の風習は細かく語られることがありますが、最低限押さえておきたい風習は限られます。
告別式そのものの進行は共通部分が多い一方で、火葬の流れや会食、収骨のような周辺で風習の違いが出やすい傾向があります。
なお、香典や返礼は地域差として語られることもありますが、実務上は家庭の方針や運用の要素が大きいため、本記事では風習としての扱いから外します。
まずは次の項目を一覧で確認し、分からない点は親族に確認します。
- 火葬と式の順番に関する風習
- 通夜ぶるまい・精進落としの食事に関する風習
- 収骨・水引・所作など独特な風習
火葬と式の順番に関する風習
火葬を先に行うか、葬儀・告別式の後に火葬へ向かうかは、地域に風習として残っていることがあります。
火葬を先に済ませ、遺骨で葬儀・告別式を行う形式は骨葬(こつそう)と呼ばれ、北海道や東北、九州の一部で見られることがあります。
一方で、葬儀・告別式の後に火葬へ向かう流れが一般的な地域もあります。火葬の順番は地域によって前提が分かれます。
また、どちらの順番であっても、出棺して火葬場へ向かい、火葬後に収骨を行う流れ自体は共通です。
そのため、迷いやすいのは、火葬を先にする地域か、式の後に火葬へ向かう地域かという順番の部分になります。
判断としては、この地域ではどちらの流れが多いかを親族に確認し、当日の進行は葬儀社の案内に沿って決めます。
火葬の流れそのものを確認したい場合は、火葬とはもあわせて参照します。
通夜ぶるまい・精進落としの食事に関する風習
通夜ぶるまいと精進落としは、用意するかどうかだけでなく、誰にどの形で出すかに地域差が出ることがあります。
通夜ぶるまいは、通夜に参列してくれた人へのお礼に加えて、場を区切る意味合いでお清めとして捉えられることがあります。
そのため、きちんとした食事というより、軽食や飲み物を用意して短時間で済ませる形になりやすい点も特徴です。
関東では通夜後に参列者へ食事を振る舞う形が多い一方、関西では通夜が終わったら参列者はそのまま帰り、食事は親族や近しい人だけで行う形が多い傾向があります。
ただし、参列者向けに通夜ぶるまいを広く用意しない場合でも、親族や手伝いの人だけが別で簡単に食事を取る、軽食を用意するといった形で食事の場が設けられることはあります。
判断としては、参列者にも出すのか、親族中心にするのかを分けて親族に確認し、人数と時間に合わせて葬儀社と内容を決めます。
精進落としの意味合いや位置づけを確認したい場合は、精進落としとはも参照します。
収骨・水引・所作など独特な風習
収骨や水引、所作の細部は、地域によって違いが残りやすい項目です。
代表的な例は次のとおりです。
- 収骨:関東では遺骨をすべて骨壺に収める形が多い傾向がある一方、関西では一部を収める形が多い傾向があり、骨壺の大きさも変わることがあります。
- 水引:黒白が一般的とされる一方、地域によっては黄白を用いることがあり、同じ関西でも地域で異なる場合があります。水引の考え方を確認すると判断しやすくなります。
- 所作:焼香の回数や立ち居振る舞いなど、細部の作法が家や地域で違うことがあります。
判断としては、細部を決め打ちせず、親族に確認したうえで、用意や当日の動きは葬儀社の案内に合わせます。
葬儀の風習で迷ったときは親族や葬儀社に確認すると安心
葬儀の風習に迷ったときは、親族と葬儀社に確認して決めます。
事前に親族へ確認するだけでも、当日の流れや会食の扱いで行き違いが起きにくくなります。
判断としては、風習の内容は親族に、当日の進行は葬儀社に確認します。
親族で地域の風習を確認する、段取りは葬儀社に任せる
まず親族に、この地域でよくある形を確認します。
聞く内容は、火葬が先か後か、通夜ぶるまいをどうするか、収骨や水引の扱いに加えて、焼香などの所作、清め塩の考え方、忌み言葉や言い回しの細部などです。
そのうえで葬儀社に伝え、式場や火葬場の都合を踏まえた段取りにします。
判断としては、親族の話を基準にしつつ、実際に動ける形は葬儀社の案内に合わせます。
よくある質問
- 葬儀の風習は必ず守らないと失礼になりますか?
- すべてを守らなくても葬儀はとりおこなえます。風習は地域に残っている場合がある一方で、家庭ごとに重んじ方が異なるためです。気になる場合は、外しにくい点だけ親族に確認し、実務は葬儀社の案内に沿って決めるとよいです。
- 火葬を先にする葬儀と、最後に火葬をする葬儀は何が違いますか?
- 違いは火葬と葬儀・告別式の順番です。地域に風習として残っていることがあり、骨葬のように火葬を先に行う形が見られる地域もあります。まず親族に地域の一般的な流れを確認し、当日の可否は火葬場の都合もあるため葬儀社の案内で決めます。
- 通夜ぶるまいは必ず用意するものですか?
- 必ずではありません。通夜ぶるまいは参列者全体に出す地域もあれば、参列者は帰り親族中心で行う地域もあり、地域差が出ることがあります。参列者にも出すのか、親族だけで軽食にするのかを分けて親族に確認し、人数に合わせて葬儀社と内容を決めるとよいです。
- 収骨の仕方や骨壺の大きさは地域で違うのですか?
- 違いが残っている場合があります。関東では全収骨、関西では部分収骨という説明がされることがあり、その違いで骨壺の大きさや納め方が変わることがあります。実際の運用は火葬場や葬儀社の案内にも左右されるため、親族に確認したうえで葬儀社に相談します。
- 水引や焼香など細かい作法で迷ったときはどうすればよいですか?
- 細部は決め打ちせず、親族に確認し、当日は葬儀社の案内に合わせます。水引や焼香の回数などは地域や家で違いが出ることがあり、正解が一つに決まらない場合もあります。地元側の親族の見慣れた形を基準にしつつ、準備物は葬儀社の用意に合わせるのが現実的です。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版