何色にすべき?葬儀における水引を解説

マナー・流れ

葬儀に参列する際、香典袋の水引について「この色で失礼にならないか」「結び方は合っているのか」と迷う場面は少なくありません。 水引には弔事として扱われてきた一定の形式がある一方で、地域や宗教の違いによって選ばれ方が分かれるため、判断が難しく感じられることがあります。
水引は正解や不正解を一律に決めるものではなく、葬儀の場で失礼と受け取られにくいかどうかという視点で考えることが重要です。 色や結び方、印刷された水引であっても、その場の文脈に合っていれば問題になりにくいケースもあります。
この記事では、葬儀における水引の基本的な考え方を整理したうえで、色・結び方・印刷水引の扱いについて解説します。 今手元にある香典袋が葬儀の場にふさわしいかを、自分で判断できるようになることを目的としています。

葬儀の水引には弔事としての基本的な形式がある

葬儀で用いられる水引には、弔事としての基本的な形式があります。弔事では、水引を用いるかどうか、色、結び方といった点が、あらかじめ一定の型として扱われてきました。

葬儀の香典袋では、水引を用いる形が基本とされ、黒白や双銀といった色合い、結び切りやあわじ結びといった結び方が用いられてきました。これらは見た目を整えるためではなく、弔意を形式として示すための要素です。

水引を用いるかどうかや色、結び方について判断が求められるのは、このような型が前提として存在しているためです。まずは、葬儀における水引には一定の形式があり、その範囲の中で扱われていることを押さえておく必要があります。

水引が形式として重視されてきた歴史的背景

水引はもともと、物を結び留めるための実用的な役割から使われてきました。その後、贈答の場で用いられるようになり、結び方や使い方に、贈る側の意図を表す意味が加えられていきました。

弔事においては、悲しみや不幸を繰り返さないという考え方が重視され、水引の扱いにもその価値観が反映されてきました。結び方や色が限られた型として残っているのは、悲しみを繰り返さないという考え方を形式として共有するためです。

このように、水引は見た目を整えるために加えられたものではなく、気持ちや立場を外形的に示す手段として扱われてきました。葬儀の場で水引が形式として重視されている背景には、こうした歴史的な積み重ねがあります。

香典袋に水引が用いられる理由

香典袋に水引が用いられてきた理由は、金銭を包む行為に対して、一定の礼節を示す必要があったためです。葬儀という場では、金額や中身そのものよりも、どのような態度で弔意を示すかが重視されてきました。

水引を添えることで、香典が私的な金銭のやり取りではなく、弔意を表すための正式なものとして扱われます。言葉で説明しなくても、形式によって意図が伝わる点が、水引を用いる理由の一つでした。

葬儀では、参列者と遺族の関係性や立場がさまざまであるため、誰に対しても同じ意味で受け取られる形式が求められます。水引は、その役割を果たすために香典袋に用いられてきたと考えられます。

葬儀の水引の色は地域や宗教の考え方を踏まえて選ばれている

葬儀の水引の色は、全国で一律に決まっているものではありません。弔事用として使われてきた色には一定の型がある一方で、地域の慣習や宗教形式によって選ばれ方が分かれるため、同じ香典袋でも水引の色に違いが生じます。

水引の色で迷ったときは、正解か不正解かで判断するのではなく、葬儀の場で失礼と受け取られにくいかを基準に考えると整理しやすくなります。色単体ではなく、その地域や宗教形式でどのように受け取られてきたかを踏まえる視点が重要です。

  • 確認の順番:地域の慣習 → 宗教形式 → 香典袋全体の体裁
  • 迷いが残る場合:水引の色だけでなく、表書きや宗教モチーフも含めて判断する

黒白と双銀が使われてきた経緯

葬儀の香典袋に使われる水引の色として、黒白や双銀は弔事用の型として扱われてきました。これらは慶事用の水引と区別するために用いられ、弔意を示す場にふさわしい色合いとして定着してきたものです。

黒白の水引は、弔事用として広く使われてきた色であり、葬儀の場でも違和感が生じにくい選択肢とされています。弔事であることを明確に示す目的から、香典袋の水引として選ばれてきました。

一方で、双銀の水引は、弔事用の中で、包む金額や故人との関係性に応じて、より丁寧な形を意識したい場合に選ばれることがあります。黒白が失礼になるわけではなく、場との釣り合いを考えた際の選択肢として用いられてきました。

黒白と双銀はいずれも弔事用の水引であり、優劣で使い分けられるものではありません。水引の色は、弔意を形式として示すための要素であり、葬儀の場にふさわしいかどうかが判断の軸になります。

地域差が生まれた要因

水引の色に地域差が見られる背景には、関東圏と関西圏で、使われてきた香典袋の形や慣習の違いがあります。関東では、黒白の水引が弔事用として広く使われてきた一方で、関西では地域によって黄白を弔事用として扱う慣習が残っている場合があります。

こうした違いは、どちらが正しいかという問題ではなく、その地域で弔事用として受け取られてきたかという点に基づいています。地元で使われてきた香典袋の形が、そのまま慣習として受け継がれているケースも少なくありません。

参列先が自分の住む地域と異なる場合は、現地で一般的に使われている香典袋の水引を参考にすると判断しやすくなります。地域差があることを前提に考えることで、水引の色に対する不安を減らすことができます。

宗教形式が色の選択に影響する場面

水引の色は、宗教形式によって選び方が変わる場面があります。仏式や神式の葬儀では、弔事用の水引が付いた香典袋が選ばれることが多く、色についても地域の慣習に沿ったものが用いられてきました。

一方で、キリスト教式の葬儀では、水引を使わない封筒や、宗教モチーフに合わせた香典袋が用いられることがあります。この場合、水引の色を合わせるよりも、宗教形式に適した体裁であるかどうかが重視されます。

宗教形式が事前に分かっている場合は、それに合わせた香典袋を選ぶことで、形式面での齟齬を避けやすくなります。宗教形式が分からない場合は、宗教色の強いデザインを避け、弔事用として扱われている香典袋を選ぶ考え方も一つの方法です。

葬儀の水引の結び方は弔事としての意味を踏まえて選ばれている

葬儀で用いられる水引の結び方には、弔事として扱われてきた基本形があります。葬儀の香典袋では、結び切りやあわじ結びといった、ほどけない形の結び方が用いられてきました。

水引の結び方で迷った場合は、結び切りまたはあわじ結びであるかを基準に確認すると、弔事の場にふさわしいかを判断しやすくなります。

結び切りが弔事用の結び方とされてきた理由

結び切りは、香典袋に用いられる結び方の中でも、弔事用であることが分かりやすい形として使われてきました。一度結ぶとほどけない形であるため、弔事の場にふさわしい結び方として認識されやすかった点が背景にあります。

葬儀の場では、不幸が重なることを連想させる表現を避けたいという意識があり、何度も結び直せる形よりも、最初から形が固定されている結び切りが選ばれやすい傾向にありました。

そのため、香典袋を確認する際は、結び切りであるかどうかを一つの基準として見ることで、弔事用として適しているかを判断しやすくなります。

あわじ結びが弔事用として扱われる場合

あわじ結びは、形状は異なるものの、結び切りと同様に簡単にはほどけない結び方です。この点から、弔事用の水引として用いられる場合があります。

地域や香典袋の仕様によっては、結び切りではなく、あわじ結びが採用されていることもあります。いずれも「ほどけない形」である点は共通しており、意味の上で大きな違いはありません。

結び方で迷った場合は、結び切りまたはあわじ結びであれば、葬儀の場において違和感を持たれにくいと考えられます。

蝶結びが弔事で避けられてきた背景

蝶結びは、何度でも結び直せる形をしており、慶事用の水引として用いられてきました。繰り返し起こってほしい出来事を表す結び方とされるため、弔事には適さないと考えられています。

葬儀では、不幸が重なることを避けたいという考え方が強く、結び直せる蝶結びは弔意を示す結び方として選ばれてきませんでした。この点は、水引の色よりも判断が分かれにくい要素といえます。

そのため、香典袋を用意する際は、水引の色に加えて、結び方が蝶結びになっていないかを確認することが重要です。

印刷された水引でも葬儀では失礼にあたらない

葬儀の香典袋に用いられる水引は、必ずしも立体的な水引でなければならないわけではありません。現在では、水引が印刷された香典袋であっても、葬儀の場において失礼にあたらないと受け取られるケースが一般的になっています。

印刷水引は、略式という位置づけではあるものの、弔事用としての体裁が整っていれば、弔意を示す形式として問題視されにくい扱いになっています。水引が立体か印刷かという点よりも、弔事用の表書きや全体の印象が重視される傾向があります。

そのため、香典袋を選ぶ際は、水引が印刷されているかどうかだけで判断するのではなく、葬儀の場で弔事用として違和感を持たれにくい体裁であるかを基準に考えることが重要です。

印刷水引が普及した社会的背景

印刷水引が広く使われるようになった背景には、香典袋の入手方法や準備のあり方が変化してきたことがあります。現在では、香典袋は専門店だけでなく、コンビニエンスストアや量販店でも購入されることが多くなっています。

こうした販売環境では、あらかじめ水引が印刷された香典袋が多く扱われてきました。立体的な水引を用いる場合に比べて、供給や価格が安定しやすく、必要なときにすぐ手に取りやすい点が重視されてきたためです。

また、葬儀が短い日程で行われることが増える中で、参列者が直前に香典袋を用意する場面も少なくありません。そのため、細かな形式よりも、弔事用であることが一目で分かる体裁が優先される傾向が見られます。このような背景から、印刷水引であっても弔意を示す形式として受け取られる場面が定着してきました。

形式を簡略化しても問題になりにくい条件

水引の形式を簡略化しても問題になりにくいかどうかは、正式か略式かという区分ではなく、葬儀の場で弔事用として違和感なく受け取られる体裁であるかを基準に判断されてきました。印刷水引であっても、弔事用の香典袋として必要な要素がそろっていれば、形式面で問題視されにくい扱いです。

具体的には、表書きが「御霊前」など弔事用の表現になっていることや、仏式・神式・キリスト教式といった宗教形式に合ったデザインであることが確認ポイントになります。水引が立体か印刷かという点は、それらが整ったうえで判断される要素の一つに過ぎません。

一方で、香典袋全体が簡素すぎたり、弔事用と分かりにくい体裁であったりすると、印刷水引である点が目立ちやすくなることもあります。形式を簡略化する場合でも、香典袋全体を見て、弔事用として分かりやすいかどうかを確認することが重要です。

よくある質問

香典袋の水引は必ず付いていないと失礼になりますか。
葬儀では、水引が付いた香典袋が弔事用として扱われてきましたが、必ずしも立体的な水引が必要というわけではありません。宗教形式によっては水引を用いない封筒が選ばれる場合もあり、水引の有無だけで失礼かどうかが判断されるものではありません。香典袋全体が弔事用として受け取られにくい体裁かどうかを見ることが大切です。
黒白以外の水引を使うとマナー違反になりますか。
黒白は弔事用として広く使われてきた水引の色ですが、地域によっては黄白などが弔事用として扱われている場合もあります。色だけで一律に判断するのではなく、その地域で弔事用として受け取られてきたかどうかを基準に考えると、過度に不安を感じる必要はありません。
双銀の水引は黒白より丁寧すぎる印象になりませんか。
双銀は弔事用の水引として扱われており、黒白よりも落ち着いた印象を与える場合があります。ただし、黒白が失礼になるわけではなく、包む金額や故人との関係性との釣り合いを考えて選ばれてきた経緯があります。どちらが正しいというより、場に合っているかが判断の軸になります。
結び方は結び切りでないと失礼になりますか。
葬儀の香典袋では、結び切りやあわじ結びといった、ほどけない形の結び方が弔事用として用いられてきました。蝶結びは慶事用とされるため避けられてきましたが、結び切りかあわじ結びであれば、弔事用として失礼と受け取られにくいと考えられます。
コンビニで買った香典袋でも問題ありませんか。
コンビニや量販店で販売されている香典袋であっても、弔事用として体裁が整っていれば問題になることは少ないとされています。印刷水引であるかどうかよりも、表書きや宗教形式に合っているかなど、香典袋全体が弔事用として分かりやすいかを確認することが重要です。

深夜・早朝でも24時間365日対応

相談無料・通話料無料

QRコードを
読み取ると、
すぐに電話
できます

中川 貴之