平均相場はどれくらい?一日葬における費用の目安を解説
一日葬は、通夜を行わず告別式と火葬を1日で済ませる葬儀形式です。
近年は「費用を抑えたい」「参列者や遺族の負担を軽くしたい」といった理由から選ばれることが増えています。
ただし、実際に検討する際には「費用はどのくらいかかるのか」「家族葬や直葬と比べてどんな位置づけなのか」といった疑問が多く聞かれます。
金額の幅が大きいだけに、全体像をつかみにくいと感じる人も少なくありません。
この記事では、一日葬の平均的な費用とその内訳、人数や内容によって変動する要素を整理しながら、家族葬や直葬との比較や費用を抑える方法まで解説します。
相場を理解したうえで、自分に合った形を判断するための参考にしてください。

一日葬を選ぶ人とその特徴
一日葬は、費用を抑えつつも告別式という儀式の形を残したいと考える人に選ばれることが多い形式です。
一般葬のように大規模で二日間かかる葬儀は負担が大きい一方で、直葬は儀式を省くためお別れの機会が十分に持てないと感じる人も少なくありません。
そうしたなかで、一日葬は両者の中間に位置し、経済的負担と儀式性のバランスをとれる点に特徴があります。
また、宗教儀礼を含めるかどうかを柔軟に決められるため、家の宗教観や親族の意向に応じた設計が可能です。
さらに、高齢の親族や遠方から参列する人が多い家庭にとっては、日程が1日で済むことが負担軽減につながります。
10〜30人程度の小規模な葬儀を前提にしやすいことも特徴の一つです。
このように一日葬を選ぶ人の特徴を整理することで、読者自身が「自分の事情に合うかどうか」を考える手がかりになります。
なお、選択の軸は「費用」と「お別れの時間(儀式性)」のバランスです。
一日葬を検討する人は費用とお別れの時間のバランスを重視します
一日葬は、一般葬ほどの費用や日程の負担は避けたいが、直葬のようにお別れの場を持たないのは寂しいと感じる人に選ばれています。
一般葬は二日間にわたる進行で費用も大きく、遺族や参列者の準備も負担になりやすい形式です。
一方で直葬は費用を抑えられる反面、告別式を省くため弔いの時間が不足していると感じる場合があります。
その中間に位置する一日葬は、費用を抑えつつも告別式を通じてお別れの時間を確保できる点が特徴です。
経済的な面と儀式的な面の両方を考慮したい人にとって、現実的な選択肢となりやすい形式といえます。
宗教儀礼あり・なしの両方に対応できます
一日葬は、僧侶を招いて読経や戒名を授かる形にも、無宗教で献花や音楽を中心に行う形にも対応できます。
宗教儀礼を取り入れる場合は、お布施や戒名料、御車料、御膳料といった費用が発生し、総額が数万円から数十万円ほど上がることがあります。
一方で無宗教形式であればお布施は不要となり、代わりに花や音楽など演出に予算を配分するケースも見られます。
こうした柔軟さがあるため、一日葬は宗教的背景や親族の考え方に合わせて内容を調整しやすいのが特徴です。
費用面でも大きな差が生じる部分であるため、事前に「宗教儀礼をどの程度重視するか」を整理しておくことが、形式選びの判断材料になります。
家族の状況や参列者数に応じて選ばれることが多いです
一日葬は、家族や参列者の事情に合わせて選ばれることが多い形式です。
例えば、高齢の親族が多い家庭では、通夜から二日間にわたる参列が身体的に負担となりやすいため、一日で済む形が好まれます。
また、遠方からの親族が多い場合にも、移動や宿泊の負担を減らせる点で現実的な選択肢となります。
参列者の規模も判断材料になります。
10〜30人程度の小規模で行うことが多く、身内中心で落ち着いた雰囲気での見送りを希望する場合に適しています。
このように、一日葬は規模や事情に柔軟に対応できる形式として選ばれやすい傾向があります。
判断の際には、参列する人の体力や移動距離、人数の見込みを踏まえ、自分たちにとって無理のない形式かどうかを検討することが重要です。
一日葬の平均費用は40〜100万円
一日葬の費用は、全国的な目安として40〜100万円の範囲に収まることが多いとされています。
鎌倉新書の調査によると、一日葬の平均費用は87.5万円であり、直葬(42.8万円)より高く、家族葬(105.7万円)や一般葬(161.3万円)よりは低い水準に位置しています。
この数字からも、一日葬が中間的な価格帯にあることが分かります。
ただし、実際の費用は地域差や葬儀社のプラン、宗教儀礼の有無によって変動します。
都市部では式場費や人件費の影響で高くなる場合があり、地方では参列者数や地域の風習によって費用が増えるケースも見られます。
また、僧侶を依頼して読経や戒名を含める場合には、お布施や謝礼が加わるため、総額が上乗せされる点も考慮が必要です。
一日葬を検討する際には、平均値をあくまで目安とし、どの項目に重点を置くのかを事前に整理しておくことが重要です。
「相場の中心はおよそ80万円前後である」と把握したうえで、自分の地域や希望する形式に応じて具体的な見積もりを確認することが、納得感のある選択につながります。
※出典:鎌倉新書「葬儀費用に関する調査」。数値は調査時点の平均であり、地域やプラン内容により変動します。
地域や葬儀社によって費用に差があります
一日葬の費用は、地域や葬儀社の違いによって大きく変わることがあります。
都市部では式場費や人件費が高いため、同じ規模の葬儀でも総額が上振れしやすい傾向があります。
一方で地方では式場費を比較的抑えやすい反面、参列者数が多くなったり、料理や供花など地域の風習によって費用が増える場合があります。
また、葬儀社ごとに用意されているプラン内容も費用に影響します。
花の量や返礼品の有無、会場サービスの充実度などによって価格に差が生じるため、同じ「一日葬プラン」であっても金額は一律ではありません。
このため、相場を把握するだけでなく、自分が住む地域の慣習や依頼する葬儀社のプラン内容を確認することが重要です。
見積もりを比較しながら、どの部分に費用をかけたいのかを判断することで、納得感のある選択につながります。
宗教儀礼を行うかどうかで費用が変動します
一日葬の費用は、宗教儀礼を取り入れるかどうかで大きく変わります。
僧侶を招いて読経や戒名を依頼する場合には、お布施のほか、戒名料や御車料、御膳料といった謝礼が加わり、総額が数万円から数十万円増えることがあります。
特に戒名料は金額の幅が大きく、寺院との関係性や地域の慣習によって差が出やすい項目です。
一方で、無宗教形式を選ぶ場合はお布施が不要となり、その分の予算を献花や音楽などの演出に回すことができます。
宗教的な儀礼を重視するか、シンプルな形式を選ぶかによって費用の配分が変わるため、家族や親族の意向を踏まえて判断することが重要です。
一日葬の費用を構成する内訳
一日葬にかかる費用は、いくつかの項目が組み合わさって成り立っています。
中心となるのは棺や祭壇、供花といった設営費で、式全体を形づくるために必ず必要となる部分です。
これに加えて、火葬費用やお布施、会食費、返礼品が主要な内訳として含まれます。
さらに僧侶を依頼する場合には、戒名料や御車料、御膳料といった費用が発生することもあります。
各項目は金額の幅が大きく、選ぶ内容や参列者数によって総額が変わります。
たとえば、会食や返礼品は参列者が増えるほど負担が大きくなり、お布施は寺院や宗派の慣習によって差が生じやすい点が特徴です。
どこに費用がかかるのかを理解しておくことで、見積もりを検討する際に納得感を持てます。
固定的にかかる設営費と、人数や宗教儀礼によって変動する費用を整理しながら、どの部分を重視するのかを検討することが重要です。
僧侶を依頼する場合はお布施や戒名料などの謝礼が発生します
一日葬では、僧侶を招いて読経や戒名を依頼する場合に、追加の謝礼が必要になります。
代表的なものはお布施に加え、戒名料、御車料(交通費)、御膳料(食事代)などです。
これらの金額は寺院との関係性や宗派の慣習によって差が大きく、数万円から数十万円に及ぶこともあります。
一方で、無宗教形式を選んだ場合には、僧侶への謝礼は不要となります。
その分の費用を献花や会場の演出に充てるケースも見られ、費用配分の自由度が広がる点が特徴です。
宗教儀礼を取り入れるかどうかは、費用に直結する重要な要素です。
遺族の希望や家の宗教観を踏まえ、どの程度の儀式を行うかを事前に整理しておくことが、納得感をもって見積もりを判断するために欠かせません。
会食費や返礼品は参列者の人数によって変動します
一日葬の費用のなかで、参列者の人数に比例して増減するのが会食費と返礼品です。
料理は一人あたり5,000〜8,000円程度、返礼品は2,000〜3,000円程度が目安とされており、参列者が増えるほど総額も大きくなります。
例えば20人規模と30人規模では、料理と返礼品だけで数万円単位の差が生じることも珍しくありません。
このため、人数の見積もりを事前に固めておくことが、全体の費用を把握するうえで欠かせない要素となります。
会食や返礼品は内容や数量を調整しやすい費用項目でもあるため、予算に合わせた工夫がしやすい部分です。
参列規模を早めに見極め、必要に応じて会食の簡略化や返礼品の種類の見直しを行うことで、費用の予測とコントロールがしやすくなります。
家族葬や直葬との費用比較
一日葬の費用は、直葬より高く、家族葬よりは低い中間的な価格帯に位置しています。
直葬は約20万円前後で最も費用を抑えられる形式ですが、告別式を省くため儀式性が乏しいと感じられることがあります。
一方、家族葬は80〜120万円程度が中心で、通夜と葬儀を二日間にわたり行うため、費用も準備負担も大きくなりやすい形式です。
その中間にある一日葬は、40〜100万円前後で行えることが多く、費用を抑えながら告別式を通じてお別れの場を設けられるのが特徴です。
費用の違いだけでなく、儀式の有無や日程の長さといった点を踏まえて比較することで、自分たちに合った形式を選びやすくなります。
葬儀形式 | 平均費用の目安 | 特徴 |
---|---|---|
直葬 | 約20万円前後 | 通夜・告別式を行わず火葬のみ。費用は最も低いが儀式性は少ない。 |
一日葬 | 約40〜100万円 | 告別式と火葬を1日で行う。費用を抑えつつ儀式性を確保できる。 |
家族葬 | 約80〜120万円 | 通夜と葬儀を2日かけて行う。しっかり見送れるが費用・負担は大きい。 |
直葬と一日葬を比較すると儀式性に大きな違いがあります
直葬と一日葬の最も大きな違いは、儀式を行うかどうかにあります。
直葬は火葬のみを行う形式で、平均費用は約20万円前後に収まります。
費用を最小限に抑えられる反面、通夜や告別式を行わないため、故人と向き合う時間が短く、親族や友人が十分にお別れをする機会が持てないことがあります。
一方、一日葬は告別式と火葬を一日で行うため、平均費用は40〜100万円と直葬より高額になります。
ただし、式を通じて故人を送り出す儀式性を確保できる点が大きな特徴です。
読経や献花の時間を設けられるため、直葬では物足りなさを感じる人にとっては安心感につながります。
適したケースとしては、「できるだけ費用を抑えたい」「形式にこだわらず火葬だけでよい」と考える場合は直葬が向いています。
一方で、「費用は抑えたいが、告別式を通じて最低限のお別れはしたい」と考える場合には一日葬が現実的な選択肢となります。
家族葬と一日葬を比較すると日程と費用に差があります
家族葬と一日葬の大きな違いは、日程と費用の負担にあります。
家族葬は通夜と葬儀を二日間かけて行うのが基本で、平均費用は80〜120万円程度になります。
準備や参列も二日に分かれるため、親族や遺族にはまとまった時間と体力的な負担がかかりやすい形式です。
一方で一日葬は、告別式と火葬を一日で済ませるため、費用は40〜100万円程度に抑えられます。
通夜を省くことで式場費や人件費を削減でき、遠方から参列する親族の宿泊や移動の負担を減らせる点も特徴です。
その分、故人と過ごす時間は家族葬より短くなりますが、費用と負担の軽減を重視する場合には適した形式といえます。
適したケースとしては、「二日間かけてしっかりと見送りたい」「親族や関係者が多く、丁寧な対応を望む」という場合は家族葬が選ばれやすいです。
逆に、「儀式の形は残したいが、費用や日程の負担をできるだけ抑えたい」という場合には一日葬が有力な選択肢となります。
参列者人数による費用の変動
一日葬の費用は、参列者の人数によって大きく変わります。
特に料理や返礼品は人数に比例して増えるため、10人と30人では総額に数十万円の差が生じることもあります。
見積もりを依頼する際には、参列予定人数をできるだけ正確に想定しておくことが大切です。
人数による費用シミュレーションと料理・返礼品の特徴
一日葬の基礎費用は40〜100万円が目安となり、ここに参列者数に応じた費用が加わります。
以下は料理7,000円・返礼品2,500円を基準にした試算例です。
参列者数 | 料理費用 | 返礼品費用 | 合計(目安) |
---|---|---|---|
10人 | 約7万円 | 約2万5,000円 | 約9万5,000円 |
20人 | 約14万円 | 約5万円 | 約19万円 |
30人 | 約21万円 | 約7万5,000円 | 約28万5,000円 |
料理と返礼品は人数に比例して増える代表的な費用項目です。
ただし、内容や数量を調整しやすい点でもあり、会食を軽食に変更したり、返礼品を簡略化することで費用を抑える工夫が可能です。
参列規模をできるだけ早めに見極め、無理のない形で設計することが、総額の予測を立てるうえで重要になります。
人数想定を事前に固めることが見積もりの精度につながります
一日葬の見積もりを検討する際、参列者の人数をできるだけ早い段階で把握しておくことが重要です。
人数の見込みが不確定なままでは、料理や返礼品といった人数依存の費用が予測できず、見積もりの幅が大きくなってしまいます。
人数を想定する際には、まず親族の範囲をどこまで呼ぶのかを家族で話し合い、兄弟姉妹・いとこまでとするのか、または友人や近隣の知人も含めるのかといった基準を決めることが出発点になります。
さらに、遠方からの移動が必要な人や高齢の親族については、実際に参列できるかどうかを確認することで、より現実的な人数を見積もることができます。
こうした事前整理を行うことで、費用予測の精度が高まるだけでなく、式の準備もスムーズに進められます。
人数を固める作業は、無理のない計画を立てるための判断視点として欠かせない要素といえます。
一日葬の費用を抑える方法
一日葬の費用は、プラン内容や参列者数、宗教儀礼の有無によって大きく変動します。
費用を抑えるためには、無理に削るのではなく、優先順位を整理したうえで調整可能な部分を見極めることが効果的です。
実際に工夫しやすいのは、会食や返礼品の内容、僧侶の依頼方法、式場の選び方といった項目です。
これらは選び方や設計次第で金額に幅を持たせやすく、予算に合わせた調整が可能です。
一方で、火葬費用や棺・祭壇といった基本的な設営費用は必須であり、大きく削ることは難しい部分です。
そのため、どこに費用をかけ、どこで抑えるかという優先順位をあらかじめ決めておくことが、納得のいく見積もりにつながります。
会食や返礼品を調整することで費用を抑えられます
一日葬の費用を抑えるうえで、会食や返礼品は無理なく調整しやすい項目です。
これらは参列者の人数に比例して増えるため、規模に合わせて見直すことで総額に大きな差が出ます。
例えば会食を正式な会席料理から軽食に変更すれば、一人あたり数千円単位で費用を減らせます。
また、返礼品を即日返しにせず、後日郵送に切り替えることで数量や内容を調整しやすくなり、結果的に負担を抑えることにつながります。
このように、料理や返礼品は「用意するか・どの程度の内容にするか」を柔軟に選べる部分です。
必須の費用ではあるものの、工夫の余地が大きい項目なので、予算に応じて調整することで無理のない形で費用を抑えられます。
僧侶の依頼方法によってお布施の金額が変わります
一日葬で僧侶を依頼する場合、お布施の金額は依頼方法によって変わります。
菩提寺にお願いする場合は、寺院との付き合いの深さや地域の慣習によって金額が異なり、一定の幅が出やすいのが特徴です。
一方で、葬儀社を通じて僧侶を紹介してもらう方法を選べば、あらかじめ料金が提示されていることが多く、費用の目安が明確になりやすい傾向があります。
「戒名料を含めていくら」といった形でパッケージ化されている場合もあり、金額の見通しを立てやすい点がメリットです。
このように、依頼先の選び方によってお布施の金額は数万円から数十万円規模で差が出ることがあります。
事前に希望する形式や予算感を整理したうえで、どちらの依頼方法が自分たちに合っているかを検討することが大切です。
式場選びによって費用に差が出ます
一日葬の費用は、どの式場を選ぶかによっても大きく変わります。
公営斎場の式場は使用料が低めに設定されている一方で、民間の式場は利便性やサービスが充実している分、費用が高めになる傾向があります。
また、火葬場に併設された式場を利用すれば、式場から火葬場への移動費を抑えられるため、総額を下げる工夫につながります。
自宅や地域の集会所などを式場代わりに使う場合は、式場費用をほとんどかけずに済むこともありますが、その分準備や片付けの負担が増える可能性があります。
どの式場を選ぶかは、費用だけでなくアクセスや参列者の利便性とのバランスを考えることが重要です。
「費用を抑えること」と「参列者の負担を軽減すること」の両方を視野に入れて検討すると、納得感のある選択につながります。
無理なく費用を抑えるためには優先順位を決めることが大切です
一日葬の費用を抑えるには、まず「何を重視するのか」を家族で話し合って整理することが欠かせません。
無計画に費用を削ると、故人へのお別れに必要な要素まで省かれてしまう恐れがあります。
具体的には、会食や返礼品のように調整しやすい部分と、火葬費や基本的な設営費(棺や祭壇など)のように削ることができない部分を分けて考えることが大切です。
また、僧侶への謝礼も宗教儀礼を伴う場合は必須の費用であり、金額の幅はあるものの完全に省くことは難しい項目です。
一方で、会食を軽食に変更したり、返礼品を後日郵送にするなどの工夫は比較的現実的な調整方法です。
このように「残すべき部分」と「調整できる部分」を明確に分け、優先順位をあらかじめ決めておくことが、無理のない費用削減につながります。
予算と希望の両立を図りながら納得感のある選択をするために、家族での話し合いが重要です。
一日葬の費用を理解して自分に合う形を選びましょう
一日葬の費用は、全国的に40〜100万円程度が目安とされます。
ただし実際の総額は、内訳の選び方や参列者の人数、宗教儀礼を含めるかどうかによって大きく変動します。
鎌倉新書の調査では、一日葬の平均費用は約87.5万円とされていますが、これはあくまで目安であり、条件によって幅があることを理解しておく必要があります。
この記事を通して整理してきたように、一日葬は直葬より費用は高いものの告別式を行える形式であり、家族葬よりは費用と負担を抑えやすい中間的な選択肢に位置づけられます。
また、費用を構成する要素には、棺や祭壇といった設営費、火葬費用、僧侶への謝礼、会食費や返礼品などがあり、それぞれに変動要因があることを確認しました。
さらに、参列者の人数や宗教儀礼の有無によって金額が上下しやすい点、会食や返礼品・式場選びなど調整可能な部分がある点も理解いただけたかと思います。
最終的に大切なのは、費用だけにとらわれず、「どのように故人を送りたいのか」という意向を基準に判断することです。
そのためには、まず平均的な費用感を把握し、内訳や規模を家族で話し合って優先順位を決めることが第一歩となります。
そのうえで、葬儀社から具体的な見積もりを取り寄せ、比較検討を進めるのが次のステップです。

この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版