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相談員 : 鳥本 拓

葬儀における焼香について詳しく解説

仏教の葬儀や告別式、法要では、焼香を通じて故人の冥福を祈る儀式が行われます。 しかし実際の場面では「焼香は何回?」「喪主や遺族、親族でやり方は違う?」「宗派の作法に合わせるべきか、自分の宗派でいいのか?」と戸惑う方も少なくありません。 本記事では、葬儀における焼香の意味や作法、焼香のやり方(喪主・遺族・親族それぞれの場合)、順番、回数、宗派による違いなどをわかりやすく解説します。 故人を想う気持ちを大切にしながら、失礼のない焼香マナーを身につけておきましょう。

お焼香とは?【基礎知識】

仏式の葬儀では、香炉の中に置かれた香炭で「抹香」を焚いて礼拝します。
抹香は沈香や白檀、キシミなどを砕いた粒状のお香です。
仏教では、灯明(ロウソク)とお香は仏様へのお供え物であり、お香の煙によって身を清めると考えられています。
お焼香には心身を清浄な状態にして、仏様と故人に向き合うという意味が込められています。

葬儀における焼香の順番|喪主・遺族・親族の流れ

お焼香は故人と関係の深い人から順番に行います。
喪主、遺族が最初に行い、年齢の高い親族から順に行うのが一般的です。
あらかじめお焼香する順番に着席しておくとよいでしょう。

  1. 喪主
  2. 遺族
  3. 親族(親、配偶者、子ども、孫、兄弟姉妹)
  4. 参列者

お焼香のあげかた【形式別】

お焼香の形式は、立礼焼香、座礼焼香、回し焼香などがあります。
一般的に立礼焼香は葬儀場の葬儀、座礼焼香は寺院や自宅の葬儀、回し焼香は参列者が多い葬儀や式場が狭いときなどに行われます。

抹香のあげかた

抹香をくべる回数は宗派によって違います。
一般的には2回とされますが、参列者が多いときは1回でかまいません。

  1. 抹香を右の親指と人差し指、中指でつまみ、目の高さまで押しいただきます。
  2. 抹香を香炉にくべます(2回以上の場合は同じ動作を繰り返します)。
  3. 合掌します。

線香のあげかた

線香を何本立てるかは宗派によって違います。
特に指示がない場合は1本にします。

  1. 線香を右手で取り、ロウソクで火を点けます。
  2. 線香の炎はもう片方の手で仰いで消します。決して息を吹きかけたりしません。
  3. 線香を香炉に立てます(複数の場合は1本ずつ立てます)。
  4. 合掌します。

立礼焼香のやり方と作法|椅子席での正しい動作

椅子席の葬儀場や参列者の多い葬儀では立礼のご焼香が行われます。

  1. 順番がきたら周囲の人に軽く会釈して祭壇前に進みます。
  2. 焼香台の手前で遺族と僧侶に一礼します。
  3. 焼香台に進み、遺影に向かって一礼してからお焼香します。
  4. 遺影に向かって合掌します。
  5. 前を向いたまま2、3歩下がり、最後に遺族と僧侶に一礼して席に戻ります。

座礼焼香の作法

自宅や寺院など畳敷きの和室では座礼焼香が行われます。

  1. 順番がきたら周囲の人に軽く会釈して祭壇前に進みます。
  2. 移動の際は立ち上がらず、腰を落とした「膝行・膝退」の姿勢で進むのが正式とされます。
  3. 焼香台の座布団の手前まで進み、遺族と僧侶に一礼します。
  4. 向き直って遺影に一礼します。
  5. 膝でにじり寄って座布団に正座します。
  6. お焼香して、合掌します。
  7. 膝をついたまま座布団から下がり、遺族と僧侶に一礼して席に戻ります。

回し焼香の作法

座ったまま焼香炉を隣の人に順番に渡しながら行うお焼香のスタイルです。

  1. 隣の人から焼香炉が回ってきたら軽く会釈して受け取ります。
  2. 畳敷きの場合は焼香炉を自分の前に置き、椅子席の場合は自分の膝の上に焼香炉をのせます。
  3. 遺影に向かって一礼します。
  4. お焼香して、合掌します。
  5. 終わったら隣の人に焼香炉を回します。

お焼香の作法の違い【宗派別】

神式の葬儀では、祭儀の前に水で手や口を清める手水(ちょうず)という習わしがあります。
また、二礼、二拍手、一礼の際、拍手は音を立てない「忍び手」で行います。
キリスト教の葬儀では、仏教のお焼香にあたるものはありませんが、葬儀によっては献花を行います。
このときカトリックは十字を切り、プロテスタントは手を組み合わせますが、信者以外は黙祷します。

【神式の葬儀】 玉串奉奠の作法

神式の葬儀でお焼香にあたる儀式が玉串(たまぐし)奉奠(ほうてん)(玉串拝礼)です。
玉串は榊の枝に紙(し)垂(で)や木綿(ゆう)を結んだもので、神道の神事において神職や参拝者が神前に捧げます。

  1. 神官に一礼してから、両手で玉串を受け取る
  2. 右手で玉串の根元を、左手の平で葉を支え、遺族に対して一礼する
  3. 玉串の根元が下にくるように時計回りに回して、玉串を縦にする
  4. 左手で玉串の根元を、右手の平で葉を持ち、時計回りに180度回転させる
  5. 玉串の根元を向こう側にして案(台)に置く
  6. 二礼、二拍手(忍び手)、一礼する
  7. 数歩下がって神官、遺族に一礼して戻る

【キリスト教式の葬儀】 献花の作法

キリスト教の葬儀では献花を行うことがあります。
献花は参列者が順番に祭壇前まで進み、故人に花を捧げて安息を願うものです。
献花は宗教によらない自由葬や追悼式、お別れの会などでも行われます。

  1. 花を右、根元を左にして、両手で花を受け取る
  2. 故人の遺影に一礼する
  3. 花が手前にくるように献花代に置く
  4. ④ 黙祷した後、遺族に一礼して戻る

お焼香の5つのマナー

訃報の案内があったときは余程の事情のないかぎり、通夜、葬儀・告別式のいずれかに参列するのが社会人としてのマナーです。
初めての弔問で分からないことは、家族や年長者に相談しましょう。以下に弔問とお焼香についての基本的なマナーをご紹介します。

形式よりも故人への「気持ち」を大切にする

お焼香をするときは、喪家の宗派の儀礼に合わせるという考え方と、参列者自らの宗派の作法で行うという考え方があります。
結論から言えば、宗教者や司会者などから指示がない場合は、とくにこだわる必要はありません。
抹香を押しいただく回数も参列者が大勢のときは1回でかまいません。
葬儀のお焼香でいちばん大切なのは故人を弔う気持ちです。
お焼香の作法や抹香をくべる回数ばかりに気をとられて、故人を想う気持ちが二の次になってしまっては本末転倒です。

数珠は左手で持ち、右手でお焼香をする

仏教では仏様を拝むとき、数珠(念珠)を手にかけて合掌します。
式場内では数珠は左手で房が下を向いた状態で持ちます。
お焼香するときは左手に数珠をかけて、右手でお焼香して合掌します。
葬儀のあいだ数珠は常に手に持っておきます。離席するときは、椅子の上などには置かずバッグやポケットにしまいましょう。

葬儀での焼香時の挨拶・お辞儀のポイント

葬儀のお悔やみの言葉は短めにするのがよいとされています。
喪主や遺族は、通夜、葬儀・告別式をとおして大勢の人に応接しなければなりません。
挨拶のとき長々と話し込むのは避けましょう。
「このたびはご愁傷様でございます」「心からご冥福をお祈りいたします」と真心を込めて伝えれば挨拶として十分です。
故人の死因や最期の様子などは、遺族から触れないかぎり参列者から聞くことは控えましょう。
葬儀では不吉なことを連想させる「迷う」「消える」「浮かばれない」「四(死)」「九(苦)」などの忌み言葉。
不幸を繰り返さないという意味から「ますます」「返す返す」「度々」「再三」といった重ね言葉も使わないようにします。

服装と身だしなみのマナーを心がける

喪家である喪主や遺族は、参列者よりもカジュアルな服装では失礼になるので、男女ともに正礼装または準礼装にします。
男性の正礼装は、和装は染め抜き五つ紋付きの黒羽二重の羽織と着物。洋装はモーニングコート、通夜はブラックスーツ。
女性の正礼装は、和装は染め抜き五つ紋付の黒羽二重か一越縮緬の着物。
夏季は絽か紗の紋付き。洋装は黒のワンピース、アンサンブル、スーツなど、夏季は6分丈でもかまいません。
準礼装(喪服)は、男性はブラックスーツに黒のネクタイ。女性は黒のワンピースかアンサンブル、スーツなど。
参列者の服装は、訃報に接して急いで駆けつける通夜は平服。
故人と最後のお別れをする葬儀・告別式は準礼装(喪服)の着用が正式とされますが、最近は通夜でも弔意を表すために準礼装でのぞむことが多くなりました。
準礼装(喪服)がない場合は、男女とも紺やグレーの地味な色のスーツやワンピースなどの略礼装でかまいません。

荷物が多いときは受付やクロークに預ける

通夜、葬儀・告別式の開始10~20分前までには式場に到着するようにします。
バッグなどを持参するときは、男女とも黒か地味な色のものにします。荷物が多いときは受付やクロークに預けましょう。
式場内ではスマートフォンや音の出る電子機器の電源は切りましょう。

焼香についてよくある質問

Q

抹香と線香の違いは?

抹香も線香も原材料に大きな違いはありません。
抹香は沈香や白檀、キシミなどの香木を砕いた粒状のお香です。
線香はそこに粘り気のある椨粉などを加えて棒状に加工したお香です。
葬儀や法要では抹香を焚き、自宅の仏壇や墓参りには線香を使うのが一般的です。
線香は自宅で使う匂い線香、墓参りに使う煙の多い杉線香があります。

Q

喪主のお焼香の作法は遺族や参列者と違いますか?

お焼香のやり方に違いはありません。 但し、喪主と遺族の一礼は、故人の遺影と僧侶、参列者に対して行います。 喪主は喪家の代表として最初にお焼香を行うため、菩提寺の宗派のお焼香の作法を心得ておくことが大切です。不安なときは開式前に僧侶や葬儀社のスタッフに確認しましょう。

Q

お通夜、告別式、法事でお焼香の作法は異なる?

お焼香の作法は通夜、葬儀・告別式、法要で違いはありません。
菩提寺とお付き合いのある方は、宗派の作法に則したお焼香のやり方を覚えておくとよいでしょう。

Q

お焼香のみで退席するときのマナーは?

通夜、告別式に開式から終了まで参列できないときは、お焼香のみで退席することも可能です。
但し、開式時に着席していた場合は、お焼香を終えるまでは退席できません。
どうしても早く退席しなければならない事情があるときは、開式時間の15分~30分前までには到着して、開式前にお焼香をあげさせていただきましょう。
このときご遺族や葬儀社の担当者に了承を得ることが必要です。
社葬やお別れの会、参列者の多い一般葬は、弔問の列に並んでお焼香をあげたら退出してかまいません。

Q

家族葬はお焼香の作法やマナーが違いますか?

家族葬もお焼香の作法に違いはありません。
菩提寺の僧侶が儀式を執り行うときは、宗派の作法にしたがってお焼香をあげましょう。

Q

葬儀に参列できず、ご自宅に弔問してお焼香したいときは?

喪家への弔問は葬儀の直後を避けて、ご遺族が落ち着かれるまで日を置きましょう。 葬儀を終えた1週間後から四十九日までが目安とされますが、優先すべきは弔事のしきたりではなく、弔問先のご遺族のお気持ちです。 自分の想いや都合だけで行動するのではなく、事前に喪家のご都合を伺って日取りを決めましょう。ご自宅では抹香のお焼香ではなく、線香をあげてお参りするのが一般的です。線香のあげかたの作法を覚えておきましょう。

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お通夜、葬儀・告別式では、お焼香の作法だけでなく、服装のマナー、香典の金額や包み方、ご遺族様への挨拶など配慮すべきことがいくつもあります。
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