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相談員 : 馬場 美月

家族葬における受付係のポイントを解説

マナー・流れ

家族葬では参列者の人数が限られているため、受付の必要性について迷う方が多くいます。
しかし、香典の受け取りや案内の対応は必要不可欠なものであり、家族葬でも受付を設けることが望ましいケースが多くあります
この章では、家族葬における受付の必要性や、受付を設けることによるメリット、そして省略するケースについて具体的に解説します。

家族葬における受付は必要?基本的な考え方

家族葬では「受付は必要ないのでは?」と考える方もいますが、参列者対応を円滑に進めるためには、最低限の受付対応が役立つ場面も多くあります。

この章では、一般葬との違いをふまえた受付の必要性や、受付を設けることで得られる効果、省略しても問題ないケースについて解説します。

一般葬との違いと受付の有無

一般葬では受付を設けるのが基本ですが、家族葬では参列人数や香典対応の有無によって受付の設置が判断されます。

一般葬の場合、参列者が数十名から数百名に及ぶため、香典や記帳の整理を行うための受付係は必須とされます。遺族の負担を減らし、スムーズな運営を実現するためにも重要な役割です。

一方で家族葬は、10名〜30名程度の少人数で執り行われることが多く、参列者も近しい親族や知人に限定されるため、形式的な受付を省略するケースも見られます。

ただし、家族葬であっても30名以上の参列がある場合には、「香典の受け取り」「記帳の案内」「会場への誘導」といった対応を喪主や親族だけで担うのは大きな負担になります
誰が来たのかを記録し、香典を確実に受け取り、案内するだけでも、遺族の負担を大きく軽減できます。

受付係の主な業務 目的
香典の受け取り 金銭の管理・香典帳との照合のため
記帳の案内 参列者の記録と香典返しの準備のため
式場への案内 参列者の誘導と混乱の防止

迷った場合は1名でも受付係を立てておくと、葬儀全体の進行が格段にスムーズになります

受付を設けるメリットと省略するケース

受付を設けることによって、香典や参列者の対応を整理でき、喪主や遺族の負担が軽減されます

香典の受け取りと記帳は、のちの香典返しやお礼状の準備に直結するため、確実な対応が求められます。また、受付係が会場への誘導も担うことで、遺族が全体の進行に集中できるようになります。

  • 記帳によって参列者リストを正確に管理できる
  • 香典の受け取り漏れや混乱を防止できる
  • 参列者をスムーズに式場へ案内できる

一方で、以下のようなケースでは、受付を設けなくても問題ありません。

  • 参列者が10名未満で、すべて家族または親族に限定されている場合
  • 香典や供花をすべて辞退している場合
  • 自宅葬や会食中心の形式で、受付の役割が不要な場合

受付の有無は葬儀の規模や香典対応の有無を踏まえて判断し、迷った場合は簡易的な対応でも用意しておくとトラブルを防げます

受付を担当するのは誰?適任者と人数の目安

機構のご案内をしているところです

葬儀社のスタッフが受付を担当することは基本的にありません。
香典など金銭の授受が発生するため、トラブルを避ける目的で、受付は遺族側で対応するのが一般的です。

では、誰に依頼すればよいのか?何人いれば十分なのか?
この章では、受付係をお願いする際の人選の考え方や、参列者数に応じた適正人数、家族内での役割分担について詳しく解説します。

家族葬で受付を任せる人の選び方

受付係は、遺族や参列者の信頼を得やすく、落ち着いて対応できる人に依頼するのが基本です。

家族葬の場合、喪主側で事前に受付係を選定する必要があります。

依頼先として多いのは以下のような人物です。

  • 喪主のきょうだいや子供などの親族
  • 家族ぐるみで付き合いのある友人や近所の人
  • 会社関係者(小規模の社葬的な要素がある場合)

選ぶ際は、以下のような基準を満たすか確認しましょう。

  • 当日の開場時間より早く到着できる
  • 筆記や金銭の取り扱いに不安がない
  • ある程度の対人対応に慣れている

孫・嫁は受付係に適している?

孫やお嫁さんでも、受付係を担当することは可能です。ただし、弔問客との関係性や精神的な負担を考慮したうえで判断しましょう。

たとえば、中高生・大学生の孫が受付に立つこともありますが、緊張してしまう可能性もあるため、ベテランの親族とペアで対応するなどの配慮が必要です。

また、嫁(長男の妻など)の場合、地域によっては「遺族として対応に回るべき」「表に立つ役は避けるべき」とされることもあります。
気になる場合は、親族間で事前に確認を取っておきましょう。

大切なのは、「誰がやるべきか」よりも「スムーズな受付ができるかどうか」です。
無理なく対応できる人にお願いするのが、もっとも自然で失礼のない方法です

必要な人数と当日の役割分担

家族葬の受付係は、原則1〜2名いれば十分です。参列者数や香典の受け取り有無に応じて、適切な人数を判断しましょう。

一般的な目安としては、以下の通りです。

参列者数の目安 受付係の人数 補足
10名未満 不要〜1名 家族対応または香典辞退時は省略可
10〜30名程度 1名 記帳・香典受け取りを1人で対応
30〜50名以上 2名 1名が記帳、1名が香典と案内に分担すると安心

少人数でも、1名は受付係として配置しておくと安心です。参列者が重なると対応が遅れたり、香典の扱いに不備が出るリスクがあるため、受付を“空けない”体制が望まれます。

当日は以下のように役割を分担するとスムーズです。

  • 1人目:入口に立ってあいさつ・記帳案内
  • 2人目:香典の受け取りと席への誘導(必要に応じて)

また、受付係が記帳や香典の管理を円滑に行うためには、事前に以下のような準備物を整えておくことも重要です

これらの用品は、葬儀社があらかじめ用意してくれることも多いため、必要なものが揃っているか事前に確認しておくと安心です

  • 芳名帳や記帳用紙、筆記用具
  • 香典の一時保管用の封筒やボックス
  • 香典管理メモ(誰から受け取ったかを簡単に記録できるもの)

受付係のやり方と当日の流れ

香典の受け取り方の画像

家族葬における受付は、形式張った対応というよりも、参列者を温かく迎え、香典や記帳を丁寧に受け取ることが求められます。

この章では、受付係が行う具体的な業務の流れや、香典・記帳の扱い方、受付時のあいさつやマナーについて詳しくご紹介します。

受付係が行う主な対応

受付係の仕事は、参列者の出迎え・記帳の案内・香典の受け取りの3つが基本です。式場への誘導や簡単なご案内も含めると、葬儀の第一印象を担う大切な役割となります。

当日の流れに沿って、具体的な対応内容を見てみましょう。

タイミング 対応内容
参列者来場時 入口付近であいさつ/記帳を案内
記帳中 記帳を見守りつつ香典の受け取り準備
香典受け取り 「お預かりいたします」と丁寧に受け取る/香典メモに氏名を記録
会場案内 受付が済んだら式場・席順を簡潔に案内

受付係は葬儀社のスタッフではないため、案内に迷った際は必ずスタッフに引き継ぐようにしましょう。無理に対応しようとすると混乱や誤案内につながる可能性があります。

香典の受け取り・記帳の手順

香典と記帳は同時に対応することが多いため、流れと声かけのパターンを事前に共有しておくとスムーズです。

記帳台と香典受け取り位置は近くに設置するのが一般的です。以下は基本的な手順です。

  1. 参列者に「こちらにご記帳をお願いいたします」と案内する
  2. 記帳後、香典を受け取る際に「お預かりいたします」と丁寧に受け取る
  3. 香典袋に名前がない場合や読みづらい場合は、「念のため、お名前を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」と確認する
  4. 受け取った香典は、用意した箱・封筒などに丁寧に保管する
  5. 必要であれば香典の氏名を控えとして簡単にメモしておく

香典の金額をその場で確認したり開封することはマナー違反とされるため、絶対に避けましょう

記帳済みの名簿と香典の数が一致しているかを確認しておくと、のちの香典返しの手配もスムーズになります。

受付がいない・設けない場合の対応方法

家族葬では、参列者が極めて少人数である場合や、香典を辞退している場合など、受付を設けずに葬儀を行うケースもあります。

この章では、受付係を置かない場合に必要な対応方法や、香典の受け取りに関する注意点について解説します。

香典はどう受け取る?親族が直接手渡しで対応

受付を設けない場合でも、香典は必ず遺族側の人間が手渡しで受け取る必要があります。

現金である香典を、箱やテーブルに置かせる形で無人で受け取るのは、マナー面・安全面の両方から望ましくありません。

以下のような対応が基本となります。

  • 親族(喪主・喪主の配偶者・子など)が入口近くに立ち、参列者を迎える
  • 香典は手渡しで受け取り、「ありがとうございます」「お預かりいたします」と一言添える
  • 必要に応じて記帳用紙を設置し、参列者に促す

香典は金銭であるため、責任を持って受け取る人物を明確にすることが大切です
無人の対応や香典の放置は、トラブルや取り違いの原因となるため避けましょう。

親族や喪主が対応する場合の注意点

受付を設けない場合でも、誰かが入口に立って参列者を迎える体制は必要です。

喪主の家族や信頼できる親族が、簡単な案内と香典の受け取りを行うだけでも、参列者は安心して対応できます。

香典の受け取り時に気をつけたいポイントは以下の通りです。

  • 金額をその場で確認しない(開封もしない)
  • 無理にお礼や挨拶を繰り返さず、「お預かりします」で十分
  • 誰から受け取ったかをメモしておくと、香典返しの管理がしやすい

受付を省略する場合でも、最低限の案内・記録・受け取りを手渡しで行うことで、丁寧で混乱のない葬儀を実現できます

受付係へのお礼・心づけのマナー

受付係は、香典や記帳といった大切な業務を担う、責任ある役目を果たしてくれます。形式の大小に関係なく、感謝の気持ちを伝えることは欠かせません。

この章では、お礼の渡し方や金額の相場、適切な表書きやタイミングについて、現場での実情を踏まえて解説します。

お金で感謝を伝える場合の基本

もっとも一般的なのは、心づけとして現金を包んでお礼をする方法です。封筒に入れて手渡しするのが基本で、裸のまま現金を渡すのは避けましょう。

封筒の種類は、白無地で問題ありません。表書きは、相手との関係性によって使い分けます。

  • 目上や形式的な関係の場合:「御礼」
  • 親しい間柄の場合:「寸志」

入れるお札は新札である必要はありません。ただし、著しく古いものや破損している紙幣は避けたほうがよいでしょう。

金額の目安は3,000円〜5,000円程度が一般的です。お手伝いの内容や相手との関係性を踏まえて、無理のない範囲で包むようにしましょう。

品物や食事で感謝を伝える方法も

地域や関係性によっては、現金ではなく品物や食事をお礼に代えるケースもあります。

たとえば、心づけの代わりにお菓子やお茶、洗剤などの「消えもの」を渡すのも一つの方法です。後に残らず、かえって気を遣わせないという配慮から好まれる傾向にあります。

また、通夜や葬儀後の「精進落とし」に同席してもらうことで、お礼の意味を込める地域もあります。
その場合は、料理や飲み物をふるまいながら、あらためて感謝の言葉を伝えるのがマナーです。

お礼を渡すタイミングと伝え方

もっとも確実なのは、受付が始まる前のタイミングでお礼を渡すことです。

葬儀が始まると、遺族側も参列者の対応や進行で忙しくなり、渡しそびれる可能性があります。控室などで落ち着いて話ができるうちに、「今日はありがとうございます。よろしくお願いします」と一言添えて渡すとスマートです。

万が一、当日に渡しそびれた場合でも、翌日〜翌々日までに直接訪問するか、品物と手紙を添えて届ければ失礼にはなりません。

その際は以下のような言葉を添えると丁寧です。

  • 「このたびは、受付を快くお引き受けいただき、本当にありがとうございました」
  • 「おかげさまで、滞りなく葬儀を終えることができました。感謝しております」
  • 「ささやかではありますが、心ばかりの品をお納めください」

お礼の本質は“形式”よりも“気持ち”です。相手に対して敬意と感謝が伝わるよう、タイミングや言葉づかいに配慮して対応しましょう。

よくある質問

Q

家族葬では受付を必ず設けないといけませんか?

いいえ、必ず設ける必要はありません。参列者がごく少人数で、香典を辞退する場合などは、受付を省略することも可能です。ただし、香典を受け取る場合には、誰かが手渡しで対応する体制を整えることが大切です。

Q

受付係は親族でないといけませんか?

必ずしも親族である必要はありません。遺族との関係性が深く、信頼できる知人や友人であれば受付係をお願いしても問題ありません。ただし、金銭の授受が伴うため、丁寧に依頼し、相手が負担にならないよう配慮しましょう。

Q

受付のお礼は現金で渡さないと失礼ですか?

いいえ、現金以外でも問題ありません。お菓子やお茶などの「消えもの」や、葬儀後の食事(精進落とし)への招待で感謝を伝える方法もあります。地域性や相手との関係性に応じて、適切な方法を選びましょう。

Q

受付係は香典の中身をその場で確認すべきですか?

いいえ、香典の中身(金額)をその場で開封して確認することはマナー違反とされています。受け取った香典はそのまま保管し、後日、記帳名簿と照合するなどして管理します。

Q

受付を頼んだ人にお礼を渡しそびれてしまいました。後日でも大丈夫ですか?

はい、後日でも問題ありません。可能であれば翌日〜翌々日中に、直接訪問または手紙や品物を添えてお礼を伝えましょう。感謝の気持ちを丁寧に伝えることが何より大切です。

受付対応を通じて、想いが伝わる家族葬に

受付係は、葬儀全体の中では目立たない役割かもしれませんが、参列者を最初に迎え、遺族の想いを代弁する大切な窓口です。

家族葬の規模や形式によって対応は変わりますが、大切なのは「誰がやるか」よりも「どのように迎えるか」。香典を丁寧に受け取り、記帳や案内を通じて安心感を届けることで、喪主やご家族の負担も軽減されます。

受付をお願いする際は、感謝の気持ちを言葉や形でしっかり伝えることも忘れずに。
小さな配慮の積み重ねが、温かなお別れの時間を支える力になります。

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中川 貴之