葬儀における時間について分かりやすく解説
葬儀に参列する際は、何時に始まるのかだけでなく、どこまで参加するとどれくらい拘束されるのかを把握しておくことが重要です。仕事や移動の都合で全てに参列できない人にとっては、焼香や出棺など区切りとなる場面を知っておくことで、失礼にならない範囲で予定を組みやすくなります。
本記事では、葬儀にかかる時間の目安を日数と形式から整理し、通夜と葬儀告別式の時間帯、当日の流れ、途中退席の考え方までを実務的にまとめます。
葬儀にかかる時間は「全体で何日・何時間か」から把握する
葬儀に参列する際は、最初に全体で何日かかるのかと各日でどれくらいの時間が必要かを把握することが重要です。日数と時間を切り分けて考えることで、仕事や移動との調整が現実的になります。
葬儀は一日で完結する場合と、二日に分けて行われる場合があり、この違いによって拘束時間の考え方が変わります。時間の長短だけを見るのではなく、日ごとの負担感を整理する視点が必要です。
まずは、葬儀全体を1日葬と2日葬に分けて考えることで、参列計画の全体像が見えやすくなります。
葬儀全体は1日葬か2日葬かで大きく分かれる
葬儀は、通夜と葬儀告別式を別日に行う2日葬と、葬儀告別式と火葬を一日で行う1日葬に大きく分かれます。この違いは、参列者が確保すべき日数を判断するうえでの基準になります。
2日葬では、1日目に通夜、2日目に葬儀告別式と火葬が行われます。そのため、連日で時間を確保する必要があり、仕事や家庭の予定との調整が課題になります。
1日葬では通夜を行わず、葬儀告別式と火葬を同日にまとめます。日数は一日で済みますが、当日の中で式と移動と待機が連続しやすく、拘束時間が長く感じられる場合があります。
参列の可否を判断する際は、まず何日関わる必要があるのかを整理すると、休暇取得や移動計画の判断がしやすくなります。
1日葬と2日葬では、当日の拘束時間の考え方が異なる
1日葬と2日葬では、当日に意識すべき拘束時間の考え方が異なります。同じ数時間でも、時間の配分によって負担感が変わります。
2日葬の場合、時間は1日目と2日目に分かれます。通夜は夕方から夜にかけて行われることが多く、翌日は葬儀告別式と火葬が午前から昼過ぎにかけて進みます。
1日葬では、葬儀告別式と火葬を一日にまとめるため、式そのものに加えて移動や待機の時間が同日に集約されます。その結果、拘束時間が半日程度になるケースも見られます。
このように、日数が少ないから負担が軽いとは言い切れません。日数と当日の拘束時間を分けて把握することで、参列の現実的な判断につながります。
葬儀の形式による日数と拘束時間の違い
葬儀にかかる日数や拘束時間は、選ばれる葬儀形式によって考え方が変わります。同じ葬儀であっても、形式が異なれば、参列者がどの場面で時間を確保する必要があるかは異なります。
ここでは、複数日に分けて行う形式と一日で完結する形式に分けて、参列者の立場から時間面の違いを整理します。
一般葬・家族葬
一般葬と家族葬は、参列者の範囲に違いはあるものの、式の進め方はほぼ共通しています。いずれも通夜と葬儀告別式を別日に行うため、日数は二日に分かれます。
この形式では、1日目に通夜、2日目に葬儀告別式と火葬が行われます。拘束時間は一日にまとめて発生せず、二日に分けて確保する形になります。
一般参列者の場合、通夜または葬儀告別式のいずれか一方に参列するケースが多く、二日間すべてに関わる親族とは、確保すべき時間の考え方が異なります。どの日に参列するかを前提に、必要な時間を個別に考えることになります。
また、一般葬と家族葬では、参列者対応にかかる時間に差が生じます。一般葬では参列者の人数が多くなるため、受付や焼香に要する時間が長くなり、開式前後の待機時間や滞在時間が伸びることがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日数 | 2日 |
| 主な構成 | 通夜・葬儀告別式・火葬 |
| 時間の特徴 | 日ごとに時間を確保する |
| 差が出やすい場面 | 受付・焼香・開式前後の待機 |
一日葬・火葬式
一日葬と火葬式は、日数を一日にまとめた形式として位置づけられます。通夜を行わず、葬儀の流れが一日に集約される点が共通しています。
一日葬では、葬儀告別式と火葬を同日に行います。式の進行自体は、二日葬における葬儀告別式と大きく変わりません。一方で、通夜を行わない分、式の進行に関する最終確認や参列者対応が当日に行われます。その結果、式そのものに加えて、前後の調整時間を含めた滞在時間を見込む必要があります。
火葬式では、葬儀告別式を簡略化し、火葬を中心に進行します。儀礼は行わず、火葬場での待機が主な時間となるため、確保する時間は一日葬より少なくなります。
| 項目 | 一日葬 | 火葬式 |
|---|---|---|
| 行われる儀礼 | 葬儀告別式・火葬 | 火葬のみ |
| 参列者対応 | 読経・焼香が行われる | 儀礼は行われない |
| 時間を確保する必要がある場面 | 式の前後と葬儀告別式の進行中 | 火葬場での待機時間 |
| 拘束時間の目安 | 半日程度になる場合がある | 数時間で終わることがある |
このように、形式ごとの違いは、単に何時間かかるかではなく、どの場面で時間を確保する必要があるかという視点で整理すると理解しやすくなります。
葬儀当日の流れと、時間帯の目安を把握する
葬儀当日は、式の内容だけでなく、どの時間帯に何が行われるかを把握しておくことが重要です。 特に参列者の立場では、開始時刻だけでなく、前後に発生する対応や待機時間も含めて考える必要があります。
ここでは、通夜と葬儀告別式、火葬に分けて、当日の流れと時間帯の目安を整理します。
通夜が行われる時間帯の目安
通夜は、夕方から夜にかけて行われることが多く、18時前後に開式する流れが一つの目安になります。 仕事を終えた後でも参列しやすい時間帯として設定されるためです。
- 開式前
受付、着席、親族への挨拶 - 通夜式
読経、焼香 - 閉式後
焼香の続き、通夜振る舞いが行われる場合がある
通夜では、閉式後に通夜振る舞いが設けられることがあります。 通夜振る舞いは、参列者に軽食や飲み物を振る舞う場で、必ず参加するものではありませんが、親族や近しい関係者が参加する場合、滞在時間が延びる要因になります。
そのため、通夜に参列する場合は、開式時刻だけでなく、通夜振る舞いの有無によって滞在時間が変わる点も含めて予定を考える必要があります。 短時間での参列を想定する場合は、焼香が行われている時間帯を基準に、通夜振る舞いには参加せず退席する判断も現実的です。
葬儀告別式と火葬が行われる時間帯の目安
葬儀告別式と火葬は日中に行われることが多く、9時〜11時台に葬儀告別式が始まる流れが一つの目安になります。 これは、火葬場の予約時間に合わせて、式の進行が組まれるためです。
- 葬儀告別式
葬儀(読経、焼香)
告別式(花入れ、最後のお別れ) - 出棺
- 火葬
- 収骨
葬儀では読経と焼香が行われ、その後に告別式として花入れや最後のお別れの時間が設けられます。 この一連の流れが終わると出棺となり、火葬場へ移動します。
火葬場では、火葬と収骨が行われ、一定の待機時間が発生します。 そのため、参列者は、葬儀告別式の時間だけでなく、移動と収骨までを含めた拘束時間を見込む必要があります。
収骨後に精進落としなどの食事が行われることもありますが、参加者や内容に幅があるため、参列者の拘束時間としては、収骨までを一区切りとして考えると判断しやすくなります。
- 通夜は通夜振る舞いの有無で滞在時間が変わる
- 葬儀告別式は葬儀と告別式を一連の流れとして考える
- 拘束時間は終了時刻ではなくどこまで関わるかで判断する
参列できる時間が限られている場合の考え方
仕事や移動の都合により、通夜や葬儀告別式のすべてに参列できない場合もあります。 そのような場合は、どの場面に参列するかだけでなく、どのタイミングで退席するかまで含めて考えておくことが重要です。
ここでは、通夜の日だけ参列できる場合、葬儀告別式の日だけ参列できる場合、さらに参列自体が難しい場合の判断について整理します。
通夜の日だけ参列できる場合は焼香の時間を選ぶ
通夜の日しか参列できない場合は、焼香が行われている時間帯に参列するのが現実的です。通夜は、通夜式の途中に焼香の時間が設けられるため、最初から最後まで参列する必要はありません。
- 参列するタイミング:焼香が行われている時間帯
- 退席するタイミング:焼香を終えたあと
通夜では、閉式後に通夜振る舞いが行われることがありますが、これは必ず参加するものではありません。
時間に制約がある場合は、焼香を終えた時点で退席して問題ありません。
途中で退席する予定がある場合は、受付や近くの係員、葬儀社のスタッフにあらかじめ伝えておくことで、退席しやすいタイミングを案内してもらえるため、周囲への配慮もしやすくなります。
葬儀告別式の日だけ参列できる場合は立場によって判断が分かれる
葬儀告別式の日だけ参列できる場合は、参列者の立場によって判断が異なります。
この日は、葬儀、告別式、出棺、火葬、収骨と進行が続くため、どこまで参列するかを明確にしておく必要があります。
一般参列者の場合
一般参列者の場合、参列の範囲は葬儀告別式の式が終わるまでと考えるのが通説です。一般参列者が火葬場まで同行することは少なく、葬儀告別式の終了後、出棺を見送って解散となる流れが一般的です。
そのため、一般参列者として参列する場合は、次のように整理すると判断しやすくなります。
- 参列するタイミング
葬儀告別式の開式から式終了まで - 退席するタイミング
出棺を見送ったあと
時間に制約がある場合でも、式の途中で退席するより、式が終わるまで参列する方が無難とされます。
親族として参列する場合
親族として参列する場合は、火葬や収骨まで関わることもあるため、一般参列者より拘束時間が長くなる傾向があります。ただし、すべての親族が必ず火葬場まで同行するわけではありません。
時間に制約がある場合は、事前に家族や葬儀社へ伝えたうえで、葬儀告別式や出棺までで退席する判断も可能です。親族の場合は、当日の流れが役割分担に影響することがあるため、事前確認を行っておくことで、当日の判断に迷いにくくなります。
参列が難しい場合は弔問という選択肢もある
通夜や葬儀告別式のいずれにも参列が難しい場合は、弔問という形で弔意を伝える選択肢もあります。
弔問は、通夜と葬儀告別式の間、または葬儀後に遺族が落ち着いた時期に行われることが多く、事前に遺族や葬儀社へ確認したうえで伺うのが一般的です。
式当日は遺族の対応が重なりやすいため、後日の弔問の方が、落ち着いて弔意を伝えやすい場合もあります。時間の制約がある場合は、参列だけにこだわらず、状況に応じた方法を検討することも一つの判断です。
限られた時間で判断する際の整理ポイント
- 通夜は焼香の時間に参列し、焼香後に退席する
- 途中退席が想定される場合は、事前に受付や葬儀社へ伝える
- 一般参列者の葬儀告別式は、式終了まで参列するのが通説
- 火葬場への同行は、立場と事前確認を前提に判断する
- 参列が難しい場合は、弔問という選択肢もある
よくある質問
- 葬儀にはどれくらいの時間を見ておけばよいですか
- 葬儀にかかる時間は、1日葬か2日葬か、また参列する立場によって異なります。一般的には、通夜のみであれば2〜3時間程度、葬儀告別式から収骨まで参列する場合は半日程度を見ておくと予定を組みやすくなります。すべてに参列しない場合でも、どこまで参加するかを決めておくことで、必要な時間を把握しやすくなります。
- 通夜だけ参列する場合、最初から最後までいなければ失礼ですか
- 通夜は焼香の時間帯に参列すれば、最初から最後まで滞在する必要はありません。時間に制約がある場合は、焼香を終えた時点で退席しても問題になることはありません。途中で帰る予定がある場合は、受付や葬儀社に一声かけておくと、周囲に配慮した形で退席しやすくなります。
- 葬儀告別式に参列した場合、火葬場まで行く必要はありますか
- 一般参列者の場合、葬儀告別式の式が終わるまで参列し、出棺を見送って解散となるのが一般的です。火葬場まで同行するケースは多くありません。親族として参列する場合は、火葬や収骨まで関わることもありますが、時間に制約がある場合は事前に確認したうえで判断すると安心です。
- 葬儀の途中で帰らなければならない場合、どうすればよいですか
- 途中で退席する可能性がある場合は、受付や葬儀社のスタッフにあらかじめ伝えておくことが大切です。通夜であれば焼香後、葬儀告別式であれば式終了後や出棺のタイミングなど、区切りの良い場面で退席することで、周囲に違和感を与えにくくなります。
- どうしても葬儀の時間が合わない場合はどうすればよいですか
- 通夜や葬儀告別式のいずれにも参列できない場合は、弔問という形で弔意を伝える方法もあります。弔問は、通夜と葬儀の間や、葬儀後に遺族が落ち着いた時期に行われることが多く、事前に確認してから伺うのが一般的です。時間の制約がある場合は、無理に参列にこだわらず、状況に応じた方法を選ぶことも一つの判断です。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版