葬儀の搬送の流れと注意点とは?マンションでの対応も解説
故人が亡くなられたあと、最初に行うのが搬送です。 病院から自宅や安置施設へ移動する際は、葬儀社が専用の搬送車で対応します。 特にマンションや集合住宅では、棺がエレベーターに入るかどうかなど、現場での対応が必要になる場合もあります。 この記事では、葬儀の搬送の流れと、マンションなどでの注意点をわかりやすく解説します。
搬送の基本的な流れ
故人が亡くなられたあと、まず行われるのが搬送の手続きです。病院から自宅、または安置施設へとご遺体を移すこの工程は、葬儀全体の出発点ともいえます。葬儀社が24時間対応で搬送を行うため、慌てずに流れを把握しておくことが大切です。
病院で亡くなった場合の流れ
病院で亡くなった場合、医師による死亡確認が行われ、死亡診断書が発行されます。ご遺体は一時的に霊安室に安置され、その後、家族が依頼した葬儀社によって搬送が行われます。提携葬儀社が自動的に案内されることもありますが、希望する葬儀社があれば変更も可能です。
搬送先の選び方
搬送先は主に「自宅」「葬儀社の安置室」「公営斎場の保冷施設」などから選びます。自宅に安置する場合は、布団や照明を用意し、静かに故人をお迎えします。施設に安置する場合は、面会可能な時間や冷却設備の有無も確認しておくと安心です。
家族が行う手続きと準備
搬送と並行して、家族は必要な手続きや準備を進める必要があります。死亡診断書の受け取りや病院の精算、安置場所の確保など、事前に流れを知っておくと対応がスムーズです。
必要な書類と手続き
- 医師から死亡診断書(または死体検案書)を受け取る
- 入院費を精算し、退院手続きを行う
- 葬儀社に搬送先と時間を伝える
- 安置場所(自宅・施設)の準備を整える
夜間・休日の対応
深夜や休日に亡くなった場合、病院の会計や退院手続きは翌日以降となることがあります。葬儀社の多くは24時間対応しているため、まずは搬送のみ依頼し、手続きは翌日に進める流れが一般的です。
マンション・集合住宅での搬送
マンションや集合住宅では、エレベーターや通路の構造によって棺が入らない場合があります。スムーズな搬送のためには、事前に建物の設備とルートを確認しておくことが重要です。
エレベーターに棺が入らない場合
エレベーターの奥行きや高さによっては、棺を水平に入れることができない場合があります。その際は、棺を縦にして搬送する、トランクルーム付きエレベーターを使用する、外階段を利用するなど、葬儀社が最適な方法で対応します。トランクルームを使う場合は、管理事務所に鍵の貸出を依頼しましょう。
自宅安置の際の配慮
棺を自宅に安置する際は、部屋の広さと気温に注意が必要です。室温が高い季節はドライアイスを使用し、涼しい部屋を選ぶことが望ましいです。葬儀社に依頼すれば、安置の設営やドライアイス交換、線香や花の準備まで任せられます。
搬送車への同乗
故人の搬送に家族が同乗したい場合は、事前に葬儀社へ確認が必要です。安全上の理由から人数に制限があり、同乗できるのは一般的に1〜2名です。距離や車両の種類によって対応が異なります。
同乗ができるケース
短距離の搬送では、家族が同乗できる場合があります。移動中に故人と過ごす静かな時間を持てることから、希望される方も多いです。一方、長距離や高速道路を利用する搬送では、安全面を考慮して別車で同行するケースもあります。
注意点と確認事項
同乗を希望する場合は、事前に葬儀社へ人数と距離を伝えましょう。搬送中は静粛を保ち、携帯電話の使用や写真撮影は控えるのが基本です。万が一に備えて、同行者の身分証を携行するようにしましょう。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版