自宅葬は大変?負担を抑えるためのポイントを解説
住み慣れた自宅で、家族水入らずで故人を見送れることは、自宅葬の大きな魅力です。
一方で、自宅葬は「大変」という声もよく聞かれます。
この記事では、自宅葬が大変と言われる理由と、その負担を抑えるためのポイントを解説します。
自宅葬が大変と言われるのは家族に負担がかかるから
その理由は、家族が自宅を葬儀ができる形に整える必要があるためです。祭壇の設営や進行そのものは葬儀社に依頼できますが、設営の前提となる部屋の準備や近隣への対応は、家族があらかじめ行っておく必要があります。一般的な式場を利用する葬儀では、こうした準備の多くを施設側が担っているため、自宅葬ならではの負担として感じられやすくなります。
特に、故人が亡くなってから葬儀までは日数が限られています。限られた時間のなかで、慣れない準備を進めなければならない点も、負担を大きく感じさせる要因のひとつです。
自宅葬で負担となる主な内容は、次の3つです。
- 祭壇などの設置を行うスペースの確保
- 近隣への配慮
- 葬儀後の片づけ
これらはいずれも、式場を利用する葬儀であれば発生しない、あるいは施設側が対応してくれる項目です。自宅葬ならではの負担として、次の見出しから詳しく解説します。自宅葬そのものについては、自宅葬とは?葬儀におけるポイントを解説も併せてご確認ください。
スペースの確保が負担になる
自宅で葬儀を行うためには、祭壇と棺を置くスペースが必要です。
棺に花を入れてお別れするだけの形式であれば、棺を囲むスペースと、自宅から棺を運び出す際の導線を確保しておく必要があります。
一方、祭壇を組む場合や宗教者を自宅に招いて読経を行う場合は、参列者が座るスペースも別途必要になります。参列者の人数が多くなるほど、必要な広さも増えます。
これらのスペースは、多くの場合リビングなど広い部屋を使って確保します。ソファやテーブルなどの家具を一時的に移動させたり、部屋によっては畳や床を保護したりする作業も必要です。加えて、参列者を迎える前には部屋だけでなく玄関や廊下の掃除・整理も欠かせません。
普段の生活空間を、短い期間で葬儀にふさわしい状態に整える作業そのものが、家族にとって負担になりやすいポイントです。祭壇の飾り方については、どうすればいい?自宅葬における祭壇を解説で詳しく解説しています。
近隣への配慮が負担になる
自宅で葬儀を行う場合は、近隣への配慮も欠かせません。
祭壇や花の搬入、出棺時の寝台車の乗り入れなど、葬儀の前後には車両の出入りが発生するため、最低でも2か所ほどのスペースを確保しておく必要があります。加えて、参列者も車で訪れることが多く、その分の駐車スペースも別途考えておかなければなりません。
車両の出入りや人の動きが増えることで、近隣に騒音などの影響が出やすくなる点にも注意が必要です。特にマンションなど集合住宅の場合は、共用部分の出入りが増えるため、より配慮が求められます。
こうした負担を減らすため、近隣にコインパーキングなどの駐車スペースを確保しておいたり、事前に自治会や近隣住民へ挨拶をしておいたりといった準備が有効です。
葬儀後の後片付けが負担になる
葬儀で使用した祭壇や、葬儀社が用意した備品の片づけ、原状回復は、葬儀社のスタッフが対応します。
一方で、葬儀社が用意した祭壇や備品以外の、もともと自宅にある家具については、基本的に家族が元の場所に戻す作業を行います。ただし、葬儀社によってはスタッフが手伝ってくれる場合もあるため、対応範囲は事前に確認しておくと安心です。
大きな家具の移動は、準備の際と同様に重労働になりやすく、体力的な負担がかかる作業のひとつです。
また、自宅で葬儀を行う場合は、参列者への食事を自宅で用意するケースもあります。
その場合は、料理の手配や配膳だけでなく、食事後の片付けも家族が担うことになり、葬儀そのものの後片付けに加えてさらに負担が重なります。
自宅葬の負担を抑えるポイントは葬儀社との相談
自宅葬の負担を抑えたいときは、葬儀社に相談することが重要です。葬儀社への事前相談は葬儀全般で活用できる仕組みですが、自宅葬の場合は特に、実際に自宅を見てもらいながら相談できる点が重要です。事前に自宅の状況を確認してもらうことで、どのように自宅葬を行うかが具体的になり、準備を行う時間も確保できます。
まず葬儀社に確認したいことは、どこで葬儀を行うかです。リビングで対応可能かどうか、対応可能な場合は家具をどのようにしておくべきかなど、家族が準備すべき範囲を具体的に提示してくれます。家族だけで対応する範囲については、家族のみの場合はどうすればいい?自宅葬を葬儀社に依頼するときの範囲を解説もご参照ください。
経験豊富な葬儀社であれば、近隣への配慮など、家族だけでは判断しづらい部分についても親身に相談に乗ってくれます。
葬儀社との相談は複数社行う
葬儀社によって、自宅葬への対応力には差があります。自宅葬の実績が豊富な葬儀社もあれば、式場での葬儀を主に扱っており、自宅葬の対応に慣れていない葬儀社もあります。1社のみに相談すると、提示された内容が自宅葬として一般的な範囲なのか、その葬儀社ならではの対応なのかを判断しづらくなります。
複数の葬儀社に相談することで、自宅の状況に対する見立てや、対応してもらえる範囲を比較できます。同じ自宅であっても、葬儀社によって提案内容や対応可能な範囲が異なる場合があるため、比較したうえで自分たちに合った葬儀社を選ぶことが安心につながります。葬儀社の選び方については、葬儀社はどう比較する?後悔しない選び方と注意点を解説も参考にしてください。
事前に葬儀社へ相談しておくことで、家族だけでは把握しきれない負担を減らしながら、自宅葬ならではの良さを活かして葬儀を行えます。
よくある質問
- 自宅葬はなぜ大変だと言われるのですか?
- 一般的な式場を利用する葬儀では施設側が担う準備の多くを、自宅葬では家族側が担う必要があるためです。近隣への配慮やスペースの確保、葬儀後の片づけなどが主な負担として挙げられます。
- 自宅葬で必要なスペースの目安はありますか?
- 棺に花を入れてお別れするだけであれば棺を囲むスペースと運び出す導線が必要で、祭壇を組んだり読経を行ったりする場合は参列者が座るスペースも必要になります。必要な広さは家の間取りや参列人数によって異なるため、葬儀社に自宅を見てもらったうえで確認するのが確実です。
- 自宅葬では近隣への挨拶は必要ですか?
- 車両の出入りや人の出入りが増えるため、近隣への事前の挨拶や配慮が望ましいとされています。特にマンションなど集合住宅では、共用部分の利用が増える分、より配慮が求められます。
- 葬儀後の片づけはすべて葬儀社が対応してくれますか?
- 祭壇の撤去や葬儀社が用意した備品の片づけは葬儀社が対応しますが、もともと自宅にあった家具を元の場所に戻す作業は基本的に家族が行います。対応範囲は葬儀社によって異なるため、事前の確認が安心です。
- 自宅葬の負担を抑えるにはどうすればいいですか?
- 葬儀社への事前相談を活用し、自宅の状況を見てもらったうえで準備の範囲を確認することが有効です。複数の葬儀社に相談すると、対応できる範囲や提案内容を比較でき、自分たちに合った葬儀社を選びやすくなります。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版