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葬祭プランナーの谷花 美穂

相談員 : 谷花 美穂

贈ることはできる?自宅葬における供花を解説

マナー・流れ

会館葬と違い、自宅葬では供花を贈るべきか迷う方が少なくありません。
スペースの制約や、喪主・ご家族の意向によって対応が異なるため、一般的な葬儀と同じ感覚で判断すると、思わぬ失礼につながる可能性もあります。
特に、形式にとらわれず静かに見送りたいと考えるご家庭も増えている中で、「供花は贈ってもよいのか」「どのような花を選ぶべきか」といった判断には慎重さが求められます。
本記事では、自宅葬における供花の可否や選び方、贈る際のマナーや注意点について、参列者の立場から整理して解説します。
迷ったときの対応方法や、確認すべきポイントまで含めて紹介しますので、適切で失礼のない弔意の伝え方を知りたい方はぜひ参考にしてください。

自宅葬に供花を贈ってもよいのか?

自宅で行われる葬儀に参列する際、供花を贈ってよいのか迷う人は少なくありません。
会館葬と異なり、自宅葬は空間の制約や家族の意向が強く反映されるため、一般的な感覚で判断すると戸惑う場面もあります。

自宅葬では、花の受け入れ可否や形式がご家庭ごとに異なります。供花を歓迎されることもあれば、スペースや準備の都合で遠慮される場合もあります。とくに自宅という私的な空間では、装飾の規模や雰囲気を抑えて行いたいと考えるご遺族も多く、参列者側の思いやりが必要になります。

そのため、供花を贈るかどうかは慣例ではなく、遺族の意向に沿って判断することが適切です。訃報に明記されていない場合は、ご家族または葬儀社を通じて事前に確認するのが、もっとも配慮ある対応といえるでしょう。

基本的には「家族の意向に従う」が原則

自宅葬に供花を贈る際は、まずご家族の意向を確認し、それに従うことが基本的なマナーです。
会館葬のように定型的な流れがない自宅葬では、供花を受け付けるかどうかも各家庭の判断によって異なります。

特に自宅葬は、限られた空間のなかで少人数で執り行われることが多く、供花の設置場所や搬入の対応に困るケースも想定されます。
そのため、喪主があらかじめ供花の受け入れを控えることも珍しくなく、こうした意向は訃報や案内状に「供花ご辞退」などのかたちで記載されている場合があります。

このような表記がある場合には、気遣いとして贈るつもりであっても、それに従うのが礼儀です。
参列者としては、自分の判断で善意を形にするよりも、まず相手の意思を尊重する姿勢が、結果として最も丁寧な対応につながります。

明記がない場合は、必ずご家族に確認を

供花に関する案内が特に記されていない場合は、自分の判断で控えるのではなく、ご家族に確認を取ることが丁寧な対応とされます。
一見控えめな配慮に見えても、意思を確認しないまま行動を決めることは、本来の意向とずれてしまう恐れがあります。

とくに自宅葬は会館と異なり、花の置き場や搬入時間などに制約があるため、事前の連絡なく供花が届くと、対応が間に合わず困惑されることもあります。善意からの行動であっても、結果としてご遺族の負担を増やしてしまう可能性がある点には注意が必要です。

こうした事情をふまえると、供花を贈りたいと考えた時点で、一度ご家族または葬儀社へ連絡を入れるのが望ましいといえます。
葬儀社を通すことで直接的なやり取りを避けられるほか、花の種類や大きさを祭壇と調和させて配置してもらえるなど、結果として遺族にとっても負担の少ない形で気持ちを伝えることができます

自宅葬で贈る供花の選び方と注意点

自宅葬に供花を贈る場合は、空間や雰囲気に配慮した花の選び方が重要です。
会館葬と同様に考えて大きな花や派手な色合いを選んでしまうと、設置場所に困ったり、場の雰囲気を損ねたりする可能性があります。

特に自宅葬は、ご家族が生活する空間をそのまま葬儀に使うため、飾る花の大きさ・香り・色調において、控えめな選択が好まれます。空間全体との調和が求められることから、「目立つ供花」ではなく「なじむ供花」が適しているといえるでしょう。

贈る側としては、見映えや印象だけで判断するのではなく、喪主の意図や設営状況を踏まえて、負担をかけない範囲で気持ちを形にするという視点が求められます。この章では、そうした前提のもとでふさわしい花の選び方と注意点を具体的に整理していきます。

スタンド花ではなく、かご花・アレンジメントが適切

自宅葬に供花を贈る場合は、スタンド花ではなく、かご花やアレンジメントのような卓上型の花が基本です
スタンド花は高さや幅があるため、自宅の限られた空間では設置が難しく、かえってご家族にとって負担になることがあります。

会館葬では広い祭壇の両脇などに大きなスタンド花を並べることが一般的ですが、自宅ではそのようなスペースを確保できないケースが大半です。家具の配置や動線との兼ね合いもあり、床置きや大型装飾は避けられる傾向にあります。

そのため、テーブルや仏壇のそばに置ける小ぶりなアレンジ花を選ぶことで、空間を圧迫せず、落ち着いた雰囲気を保つことができます
見た目の豪華さよりも、場になじむ控えめなサイズと形状を意識することが、贈る側に求められる配慮といえます。

香り・色味は控えめに

自宅葬で供花を贈る際は、香りや色味が強すぎない、落ち着いた印象の花を選ぶことが基本です。
住宅という限られた空間では、香りがこもりやすく、彩りの強い花は場の雰囲気を損ねる場合もあるため、慎重な選択が求められます。

たとえばユリのように香りの強い花は、ごく少量であれば使用されることもありますが、多用すると空間に広がりすぎてしまい、参列者やご家族の体調に影響する可能性もあります。また、真紅や濃いオレンジといった色味の花は、故人を偲ぶ場としては目立ちすぎると感じられることがあります。

そのため、供花としては菊、トルコキキョウ、カーネーションなど、白やクリーム、淡い紫といった色合いが多く用いられています。
色彩を抑えた花を選ぶことで、空間全体の静けさや落ち着きを損なわず、遺族への配慮としても自然な印象を与えることができます。贈る側の気持ちが前面に出すぎないよう心がけることが、供花におけるマナーのひとつです。

花屋や葬儀社に供花を依頼するときに伝えるべきこと

自宅葬に供花を贈る場合、花屋に注文する際は最低限の情報を正確に伝えることが大切です。
自宅という空間の特性に合わせた花を選んでもらうためには、受け取り側の事情を事前に共有しておく必要があります。

具体的には、「自宅葬であること」「卓上サイズでお願いしたいこと」「香りの強すぎない花にしてほしいこと」の3点が基本となります。これらを伝えることで、空間に合った適切な供花を準備してもらいやすくなります。また、ご家族から色味の希望を聞いておける場合は、それもあわせて伝えるとより調和がとれます。

一方で、葬儀社に供花を依頼する場合は、これらの条件を含めて調整済みで対応してもらえることが多いため、安心して任せることができます。特に他の参列者と統一感を持たせたい場合や、式全体の装飾とのバランスをとりたい場合には、葬儀社経由での手配が有効です。

どちらの方法であっても、贈る側が自分本位に選ぶのではなく、喪主側の意向を踏まえた伝え方をすることが重要です。供花は気持ちを示すものであると同時に、空間や場の雰囲気への配慮も求められるため、細かな情報共有が円滑なやりとりにつながります。

供花を贈るタイミングとマナー

供花を送るタイミングを考える人

自宅葬に供花を贈る場合、「いつ」「どのように」届けるかは、ご遺族への配慮として非常に重要なポイントです。
花の内容が適切でも、タイミングや渡し方を誤ると、準備中の負担になったり、設営の妨げになってしまう可能性があります。
とくに自宅葬では、会館のような受け入れ体制が整っているわけではなく、花の搬入や設置も家族主導で進められていることが多くあります。そのため、事前に日程や到着時間を調整することが、贈る側に求められるマナーといえるでしょう。
この章では、供花を届ける適切なタイミングや避けるべき行動、そして実際に贈る際に気をつけたいマナーについて整理していきます。
形式にとらわれない葬儀だからこそ、タイミングと配慮が印象を左右するという前提を踏まえて対応することが大切です。

到着は通夜または葬儀の前日か設営時

供花は、通夜または葬儀当日の午前中など、設営に支障のない時間帯に届くように手配するのが望ましいとされています。
特に自宅葬では、ご遺族が準備を進める時間と空間に限りがあるため、到着のタイミングが適切でないと負担をかけてしまう可能性があります。
具体的には、葬儀の直前や夜間など、慌ただしい時間帯に花が届くと、飾り付けや受け取りの手間が生じ、ご家族の動線や心情にも影響を与えかねません。スタンド花でなくても、設置の手間や置き場の確保が必要となるため、タイミングの配慮は不可欠です。
こうした事態を避けるためには、あらかじめ葬儀社と到着時間を調整しておくことが確実です。葬儀社に依頼すれば、全体の進行や他の供花とのバランスを見ながら配置してもらえるため、結果的にご遺族への配慮にもつながります。贈る側としては、花の内容だけでなく、届けるタイミングにも十分な注意を払う必要があります。

当日持参は避けるのが望ましい

供花は、葬儀当日に持参するのではなく、事前に届けておく方が望ましいとされています。
参列のついでに手渡したいという気持ちも理解できますが、自宅葬の場合は式の準備や設営を家族が担っているため、花の受け取りや配置に手が回らないことがあります。
とくに式直前の時間帯は、ご家族が来客対応や段取りの確認などで多忙になりがちです。そのような中で花を持ち込むと、置き場所の確保や飾り付けの判断を急がせてしまい、結果的にご遺族の負担になってしまう恐れがあります。
できれば、前日か当日の朝までに宅配などで届くように手配するのが安心です。
花を通じて気持ちを伝える意図があっても、そのタイミングや渡し方次第で印象は大きく変わります。ご遺族の状況に配慮した形で届けることが、何よりも大切です。

供花と香典、両方必要?

供花を贈る際は、香典との兼ね合いも考慮し、過剰にならないよう配慮することが大切です
両方を贈るのが丁寧だと思い込んでしまうこともありますが、遺族の立場からすれば、過度な厚意はかえって気を遣わせてしまうことがあります。
自宅葬のように小規模で行われる葬儀では、とくに「供花・香典いずれか一方で十分」という考え方が一般的になっています。訃報に「供花・香典ともにご辞退申し上げます」と明記されている場合は、それに従うのが基本です。
そのような場合は、弔電やお悔やみの手紙など、気持ちを伝える別の手段を選ぶことも配慮の一つです。形式にとらわれず、相手の意向を尊重したうえで無理のない形で弔意を示すことが、もっとも礼を尽くした対応といえるでしょう。

供花を贈らない選択もマナーとして正しい場合がある

自宅葬においては、供花を贈らないという判断が、かえって礼儀にかなった対応になることもあります
葬儀の形式や規模が多様化している現在、供花や香典を「受け取らない」という方針を明確にしているご家庭も増えています。
とくに自宅葬では、会館のような受け入れ設備がない分、花の設置や管理が遺族の負担になりやすく、その事情を踏まえてあえて供花を辞退するケースも珍しくありません。そうした意向があるにもかかわらず、自己判断で贈ってしまうと、善意がかえって気遣いの対象となることもあります。
供花を控えることは決して非礼ではなく、相手の希望をくみ取ったうえで静かに見送る姿勢として、十分に丁寧な行動といえます。この章では、供花をあえて贈らない選択が適切とされる場面や、代わりにできる弔意の伝え方について整理します。

喪主側が辞退しているなら、無理に贈らないことが配慮

供花や香典を辞退する意向が明記されている場合には、その意思を尊重し、あえて贈らないという判断がもっとも配慮のある行動です
「何か形にして弔意を示したい」という思いがあっても、喪主が望む静かな見送りの場に過度な厚意を持ち込むことは、本来の趣旨から外れてしまうおそれがあります。

実際に、自宅葬を選ぶご家庭の中には、「最小限の規模で、家族だけで静かに見送りたい」と考えて、あらかじめ供花を受け付けない方針を示すケースが増えています。そうした場合に贈り物が届いてしまうと、ご遺族にとっては気を遣う対応や手間が発生し、結果として負担になってしまうこともあります。
形式的な“正しさ”よりも、相手の意向に寄り添った柔軟な判断こそが、現代の葬儀における「控えめな対応」といえます。礼を尽くすという気持ちは、必ずしも目に見える形で示す必要はありません。むしろ、何もしないことがもっとも礼儀にかなう場合があることを、あらかじめ理解しておくことが大切です。

弔電やお悔やみの手紙で気持ちを伝える

供花を控える場合でも、弔電やお悔やみの手紙を通じて、故人を偲ぶ気持ちやご遺族への心遣いを十分に伝えることができます
花を贈らなければ失礼ということはなく、大切なのは形式ではなく気持ちの届け方です。

とくに喪主が供花や香典を辞退している場合、無理に贈り物を用意するよりも、言葉による弔意の方がご遺族にとっても受け取りやすく、負担になりにくいという利点があります。
短くても丁寧な文面で心情を伝えることで、「静かに送りたい」というご遺族の意向を損なうことなく、温かい配慮を伝えることが可能です。

かたちにとらわれず、相手の状況に応じた方法で心を届けることこそが、本来の弔意のあり方です。供花に代わる手段を選ぶ際も、「何をするか」ではなく「どう受け取られるか」という視点を持つことが、参列者としての礼儀につながります。
なお、弔電の送り方や文例について詳しく知りたい方は、以下のページも参考になります。
家族葬における弔電マナーと文例集|むすびす公式サイト

自宅葬に供花を贈るときは、まず確認と配慮を

自宅葬では、供花を受け入れるかどうかや、その内容・届けるタイミングまで、すべて喪主の意向に左右されます。
参列者として何かを贈りたいと感じたときは、まず一度、その意思が受け入れられる状況かを確認することが大切です。
贈る場合には、スペースを圧迫しないサイズ感や、場に調和する色合い・香りに配慮し、控えめな印象の花を選ぶことが基本です。
一方で、ご家族が供花や香典を辞退しているのであれば、それに従うことが何よりの礼儀となります。
気持ちを届ける方法は供花に限られません。静かに寄り添う姿勢や言葉による弔意も、十分に心のこもった弔いのかたちです。
相手の立場に立った判断と、無理のない心配りが、もっとも誠実な行動につながります。

よくある質問

自宅葬の場合、供花を贈ってはいけないのですか?
一律に「贈ってはいけない」という決まりはありませんが、自宅葬は家族の意向が強く反映される葬儀形式のため、まずは供花を受け付けているかどうかを確認することが基本です。訃報に「供花ご辞退」と書かれている場合は、必ずそれに従いましょう。
供花を贈る場合、どんな花を選べばよいですか?
派手な色や香りの強い花は避け、白や淡色を中心とした、落ち着いた雰囲気の小ぶりなアレンジメントやかご花が適しています。スタンド花は場所をとるため、自宅葬では不向きとされることが多いです。
花はいつ届ければよいですか?当日持参でも大丈夫でしょうか?
前日または当日の午前中までに宅配などで届くよう手配するのが望ましいです。葬儀当日の持参は、設営中のご家族に負担をかけてしまう可能性があるため、できるだけ避けるのが無難です。
供花と香典の両方を贈ったほうがよいのでしょうか?
必ずしも両方を贈る必要はありません。どちらか一方で気持ちを伝える形でも失礼には当たりません。喪主が辞退している場合は、弔電や手紙など他の方法で弔意を示すことも考えましょう。
弔電を送りたいのですが、文面の例はありますか?
はい、弔電の書き方や文例については、むすびすの公式サイトに詳しく解説されています。 家族葬における弔電マナーと文例集|むすびす公式サイト

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中川 貴之