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相談員 : 馬場 美月

葬儀の挨拶はどうしたらいい?例文を交えながら解説

葬儀では、喪主として参列者に感謝を伝える場面や、参列者として遺族にお悔やみを述べる場面など、さまざまな挨拶の機会があります。
急なことで戸惑う中、どのような言葉を選べばよいのか悩む方も少なくありません。
この記事では、喪主・親族・参列者それぞれの立場にふさわしい挨拶の流れや基本マナー、状況に応じた例文や言い回し、お礼状の書き方までを丁寧にまとめています。
あらたまった場だからこそ、形式だけでなく、想いが伝わる言葉を見つけるためのヒントになれば幸いです。

葬儀の挨拶とは?場面と役割の基本

葬儀の場面では、喪主・親族・参列者のいずれの立場であっても、「挨拶」という形で相手と気持ちを交わす機会があります。
その内容は、参列への感謝、お悔やみの言葉、故人への想いなど、状況によって異なりますが、共通して大切なのは相手を想う気持ちが伝わることです。
特に喪主や遺族にとって、葬儀の挨拶は故人に代わって参列者へ感謝を伝える重要な役割を担います。一方、参列者側も、言葉を選びながら遺族の気持ちに寄り添う必要があります。
葬儀における挨拶の場面は主に次のように分類できます。

喪主・親族が挨拶する主な場面

  • 通夜の終了時(参列者へのお礼)
  • 通夜振る舞いの開始・終了時
  • 葬儀・告別式の終了時(出棺前の挨拶)
  • 精進落としの場での感謝の言葉
  • 僧侶や宗教者への個別挨拶

これらはすべて、「故人に代わって伝える感謝の言葉」という意味合いがあります。

参列者が挨拶する主な場面

  • 受付でのお悔やみの言葉
  • 焼香後や遺族との対面時の一言
  • 弔辞を依頼された場合の挨拶
  • 精進落としでの遺族への声かけ

参列者の挨拶では、「心よりお悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」といった一言でも十分に気持ちが伝わる言葉を、場の空気に合わせて伝えることが大切です。

大切なのは、無理をせず丁寧に伝えること

葬儀の挨拶は、決して華やかである必要はありません。
形式ばかりを気にするのではなく、「失礼がないように」「気持ちが伝わるように」と心を込める姿勢が何よりも大切です。
このあとからは、立場ごと・場面ごとに、挨拶のポイントと具体的な例文をご紹介していきます。

喪主や参列者が挨拶をする場面

喪主の挨拶は、葬儀において最も重要な役割のひとつです。
親族や地域の方、仕事関係者など、故人にご縁のあった方々が集まる場で、遺族の代表としての責任と思いやりが問われる瞬間でもあります。
喪主は一般的には長男が務めますが、ご家族の状況によっては配偶者や別の親族が代表となることもあります。
いずれの場合も、落ち着いて感謝の気持ちを伝えられるよう、あらかじめ挨拶の準備をしておくと安心です。
葬儀では、喪主が挨拶を行う場面がいくつかあります。以下では、主なタイミングと、その場で伝える内容のポイントをご紹介します。

喪主が挨拶する主なタイミング

シーン タイミング 主な目的
通夜終了時 読経・焼香後/閉式直前 参列者へのお礼、翌日の案内
通夜振る舞い 開始時・終了時 軽食や会食への導入と締めくくり
葬儀・告別式 出棺前(式の最終盤) 全体の締めくくりとしての感謝の言葉
精進落とし 会食の開始時/終了時 ご参列・供養へのお礼
僧侶・宗教者 控室での迎え/終了後の見送り時 お世話になる礼とお見送り

出棺前の挨拶(告別式の最後)で話す基本構成

喪主として参列者に挨拶する際に大切なのは、「感謝の気持ちを伝えること」です。
参列してくれたことへのお礼や、生前の故人との交流に対する感謝の気持ちを伝えることが重要です。
うまく話そうとしたり、慣れない言い回しなどは使わず、ゆっくり自分なりの言葉で伝えましょう。
挨拶の長さはおよそ1~3分が目安です。
「短すぎず、長すぎず」を意識して挨拶文を考えましょう。
挨拶の内容をすべて暗記しなくて大丈夫です。心配な方は紙を見ながら、ゆっくり落ち着いて話しましょう。

  1. 自己紹介(例:故人の長男 ○○ です)
  2. 弔問への感謝(ご多用中のご参列への御礼)
  3. 生前の感謝(故人が受けた厚意への御礼)
  4. 故人の人柄やエピソード(短くても温かみのある内容)
  5. 今後のお願い(遺族への変わらぬご支援のお願い)

すべてを網羅できなくても大丈夫です。
大切なのは、形式にとらわれすぎず、落ち着いて感謝を伝える姿勢です。

喪主の挨拶で気をつけたいこと

  • 緊張していても問題ありません。伝えるべき言葉を、ゆっくり誠実に話すことが最も大切です。
  • 例文をそのまま覚える必要はなく、自分の言葉に置き換えても構いません。
  • 短くても、感謝の気持ちと故人への想いが込められていれば、十分に心が伝わります。

参列者が挨拶をする主なタイミング

葬儀には多くの方々が参列します。
遺族は参列者一人ひとりとゆっくり話せる状況にありません。
参列者は遺族への配慮を心がけ、手短にお悔やみの言葉を述べましょう。
挨拶の内容は主に3つです。

  1. 自己紹介(自分と故人との関係)
  2. 遺族へのお礼(生前の故人の厚意に対する感謝)
  3. 今後のこと(遺族への気配り、力添えなど)
シーン タイミング・状況 挨拶の目的
受付時 香典を渡すとき お悔やみを伝える第一声
焼香後・対面時 遺族と顔を合わせたとき 形式的でない気持ちの言葉
弔辞を依頼された場合 葬儀・告別式の式中 故人との関係・想いを伝える
精進落とし 会食開始時の一言 ねぎらい・共感を込めた挨拶

弔辞を頼まれた場合の基本構成と例文

弔事は故人と親交の深かった参列者の代表が、故人に対する哀悼の意を表して贈る別れの言葉です。
故人の生前の関係から遺族が最もお願いしたい人に依頼するものですから、依頼されたら固辞せず引き受けましょう。
弔辞の長さは、ゆっくり読み上げて約3分。400字詰め原稿用紙で2枚程度を目安にするとよいでしょう。
弔辞に上手な表現や言い回しは必要ありません。自分なりの言葉で故人の思い出やエピソードを語り、故人のご冥福を祈ることが大切です。また忌み言葉は遺族への配慮として避けることがマナーです。

弔辞の流れ

①個人への呼びかけ
②故人の思い出
③故人の功績、優れたこと
③遺族への気遣い
④故人への感謝
⑤故人の冥福を祈る

弔辞を読むときは席を立ち、遺族と僧侶に一礼して祭壇の前に進み出て、遺影に一礼して「弔辞」と言ってから読み始めます。
故人に語りかけるように、はっきりした口調で、ゆっくり読み進めましょう。
弔辞を終えたら、包んでいた奉書紙(ほうしょし、ほうしょがみ)あるいは白封筒に戻し、祭壇に供えて一礼してから席に戻ります。

葬儀の挨拶マナーと避けたい言葉

葬儀の挨拶では、故人への想いを込めると同時に、遺族や参列者に不快感を与えないような言葉選びや態度が求められます。
形式や言葉の選び方を間違えると、思いがけず失礼にあたることもあるため、基本的なマナーを押さえておくことが大切です。
ここでは立場別の注意点や、宗教・文化に配慮した表現の避け方について解説します。

喪主・遺族側が気をつけたいこと

  • 長時間の挨拶にならないようにする(目安は1~3分)
  • 無理に形式的な表現を使わず、自分の言葉で伝える
  • 「○○家を代表して」「故人に代わりまして」など、立場を明確に伝える一言を添えると丁寧

参列者が気をつけたいこと

  • 長話を避け、受付や焼香時の挨拶は一言で簡潔に
  • 遺族が疲れていることを前提に、静かな口調で対応
  • 弔辞を依頼された場合は断らず、できるだけ引き受けるのが礼儀

忌み言葉や生死に関する直接的な表現は避ける

忌み言葉は冠婚葬祭の場で避けるべき言葉であり、葬儀の場面では特に注意が必要です。
例えば、「浮かばれない」「迷う」「四(死)」「九(苦)」などは、死や不幸を連想させるため避けるべきです。
また、「重ね重ね」「しばしば」「たびたび」といった重ね言葉も不適切とされています。
さらに、「死ぬ」「急死」「生きていたとき」といった生死に関する直接的な表現や、故人の死因に関する話題も避けるべきです。
これらの言葉は葬儀の場で用いると、不適切な印象を与える可能性があります。

縁起がよくない言葉 別れる、消える、終わる、絶える、切れる、
迷う、落ちる、浮かばれない、とんだことに、
四(死)、九(苦)、など
不幸の連鎖を想起させる言葉 重ね重ね、しばしば、たびたび、次々、益々、
再三、続く、追う、繰り返す、など
生死を直接表現する言葉 死ぬ、死亡、急死、存命中、など
【言い換え例】
他界、逝去、永眠、急逝、早世、生前、旅立つ

ここで挙げた言葉はほんの一例です。 忌み言葉や避けるべき言葉はたくさんありますので、葬儀の挨拶を考える際にはインターネットやマナー本などを参考にするのが良いでしょう。
最近は忌み言葉について気にしない方も増えていますが、葬儀は幅広い年齢層の方々が参加する場でもありますので、言葉使いのマナーについて理解しておくことが大切です。
参列者が不快に思わないよう、配慮深く挨拶をすることが望ましいです。

教の宗派、神道やキリスト教で避けるべき言葉

仏教では、「浮かばれない」「迷う」「落ちる」といった言葉は避けます。
浄土真宗では、亡くなった門徒は阿弥陀如来に導かれ、すぐに成仏すると考えられているため、「ご冥福」「ご霊前」という言葉は使いません。
神道やキリスト教では、「往生(大往生)」「成仏」「冥福」「仏」「経」「僧」といった仏教用語を使いません。
キリスト教では「死は悲しむべきことではない」とされており、「お悔やみ申し上げます」などの言葉は使うべきではありません。
「安らかな眠りをお祈りいたします」などに言い換えて、家族をいたわる気持ちを伝えましょう。
葬儀の挨拶は短く簡素にまとめるのが基本
遺族は大切な家族を亡くした心労から、ゆっくり話せる状況にありません。
また、参列者の中には高齢者や小さなお孫さんもいるかもしれません。
そのため、長時間の挨拶は負担になります。
葬儀の挨拶はなるべく簡素にまとめ、遺族に対する配慮と参列者への気配りを心がけましょう。

気持ちが伝わる挨拶とは?

参列者にとって、挨拶は形式を守ること以上に、相手に寄り添う気持ちや静かな態度が大切です。
長く話さなくても、表情や声のトーンから伝わる思いやりが、遺族にとって何よりの支えになります。

そのまま使える 葬儀の挨拶文例集【喪主・親族・参列者】

これまでにご紹介してきた挨拶の流れやマナーを踏まえ、ここからは実際に使える挨拶例をまとめてご紹介します。
喪主・親族・参列者それぞれの立場に応じて、どのような言葉を使えばよいか迷ったときの参考としてお役立てください。
短い一言から丁寧な挨拶まで、状況に応じて使いやすい表現を集めています。

喪主・親族の挨拶文例

通夜終了時(読経後・閉式時)

本日はご多用のところ、○○の通夜にご参列いただき、誠にありがとうございました。
生前のご厚情に心より御礼申し上げます。
明日の葬儀は、午前10時より○○斎場にて執り行います。何卒よろしくお願いいたします。

告別式終了時(出棺前)

遺族を代表いたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
私は故○○の長男 ○○でございます。
本日はお忙しい中、ご会葬くださいまして誠にありがとうございました。
父が晩年を穏やかに過ごせたのは、皆様の温かいお心遣いのおかげと感謝しております。
今後とも、変わらぬご支援を賜れましたら幸いです。

通夜振る舞いの開始時

本日はお越しいただきありがとうございます。
ささやかではございますが、お食事を用意しておりますので、どうぞごゆっくりお過ごしください。
故人との思い出など、お聞かせいただければ幸いです。

精進落としの締めの挨拶

本日は最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
まだまだ落ち着かない中ではございますが、本日をもちまして一つの節目を迎えることができました。
今後とも○○家をどうぞよろしくお願い申し上げます。

親族代表の挨拶(喪主に代わるケース)

本日は○○の葬儀にご参列くださり、誠にありがとうございました。
本来であれば喪主 ○○よりご挨拶申し上げるべきところですが、ただいま体調を崩しており、私 ○○(故人との関係)が代わりましてご挨拶申し上げます。
故人の生前に賜りましたご厚情、心より感謝申し上げます。

参列者の挨拶文例

受付時の一言(香典を渡すとき)

ご愁傷様でございます。
心ばかりですが、どうぞお納めください。

焼香後や対面時

心よりお悔やみ申し上げます。
どうぞご無理なさいませんように。

精進落としでの声かけ

本日はご立派なお式でした。お疲れが出ませんように。
○○さんの思い出話ができて、少し心が和らぎました。
ご家族の皆さまも、どうぞお身体を大切に。

弔辞の例文(3分程度)

○○さん、突然の別れがまだ信じられません。
○○さんとは20年来のご縁があり、日々温かなお人柄に励まされてきました。
最後のお別れとなるのがとても寂しく、残念でなりません。
どうか安らかにお休みください。心からの感謝とともに、お別れの言葉を申し上げます。

ワンポイント:短くても伝わる一言一覧

シーン 一言例
受付 ご愁傷様です。心ばかりですがお納めください。
焼香後 お悔やみ申し上げます。どうぞご自愛ください。
精進落とし 本日はご立派なお式でした。お疲れが出ませんように。
弔辞後 ○○さん、ありがとう。忘れません。

挨拶に完璧な正解はありません。
短くても、自分の言葉で丁寧に伝えることが、何よりの礼儀となります。
もし自信がないときは、紙に書いたメモを見ながらでも大丈夫です。大切なのは、気持ちに寄り添う姿勢です。

葬儀後の挨拶とお礼の基本マナー

葬儀が無事に終わっても、喪主や遺族にはまだ果たすべき大切な役割があります。
そのひとつが、「お世話になった方へのお礼」です。
感謝の気持ちを伝えることは、遺族としての礼節であり、今後のお付き合いを円滑に続けるための心遣いでもあります。
お礼の方法には大きく分けて以下の2つがあります。

  • 挨拶回り:直接訪問して感謝を伝える
  • お礼状:距離や事情により訪問できない場合に送る手紙

挨拶回りの基本マナー

訪問の対象

以下のような方々へは、できるだけ早めにお礼を伝えましょう。
• 僧侶・神職・牧師などの宗教者
• 葬儀の世話役・葬儀委員長
• お手伝いをしてくれたご近所の方
• 香典や供花をいただいた職場関係者
• 故人の恩人や特別にお世話になった方

挨拶回りのタイミング

• 葬儀の翌日~初七日までを目安に済ませるのが一般的
• 事前に電話で訪問の都合を確認するのが礼儀です

訪問時の服装・手土産

• 落ち着いた色合いの平服で問題ありません(喪服でなくてもOK)
• 手土産はタオルや菓子折りなど、2,000~3,000円程度が目安

挨拶の例文(訪問時)

このたびの葬儀では、大変お世話になりました。
おかげさまで無事に終えることができました。
心ばかりのお礼の品をお持ちしましたので、どうぞお納めください。
今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします。

お礼状の基本と書き方

送る相手

  • 遠方で訪問できない方
  • 会葬していないが、香典・弔電・供花をくださった方
  • 忙しくて挨拶回りに行けなかった方

送るタイミング

  • 四十九日または三十五日の忌明け後に送るのが通例
  • 返礼品(品物)と一緒に送る場合は、内容や日付に注意

お礼状に含める要素

項目 内容の例
感謝の言葉 ご厚志を賜り、心より御礼申し上げます
法要の報告 四十九日の法要を滞りなく執り行いました
返礼品の案内 心ばかりの品をお届けいたしますので、ご受納ください
今後のお付き合い 今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
書面でのお詫び 本来であれば直接お伺いすべきところ、略儀ながら書中にて失礼いたします

お礼状の例文(基本形)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先般 ○○の葬儀に際しましては ご芳志を賜り誠にありがとうございました。
おかげさまで 四十九日の法要を滞りなく相済ませましたことをご報告申し上げます。
つきましては 供養のしるしとして心ばかりの品をお届けいたしますので どうぞご受納くださいますようお願い申し上げます。
本来であれば拝眉のうえ御礼申し上げるべきところではございますが 略儀ながら書中をもって御礼申し上げます。
敬具

お礼状を書く際の注意点

  • 句読点は基本的に使わない(弔事では失礼とされる風習あり)
  • 忌み言葉・重ね言葉は避ける
  • できるだけ丁寧な便箋か礼状セットを用いる
  • 手書きが基本だが、人数が多い場合は印刷でも可(メールはNG)

お礼を伝えることは、故人を大切に思ってくれた方々との「ご縁」を今後に繋げる行為でもあります。
形式にとらわれすぎず、相手を思いやる言葉と態度があれば、きっと気持ちは伝わります。

葬儀後に送るお礼状|文例・構成・注意

葬儀を終えたあとも、感謝の気持ちを伝える大切な役割が喪主や遺族には残されています。
なかでも「お礼状」は、遠方の方や直接会えない相手に、心を込めて感謝を伝える手段として広く使われています。
ここでは、送る相手・タイミング・書き方のマナー・注意すべき表現・相手別文例まで、実用的にまとめました。

1. お礼状の対象者と送るタイミング

お礼状を送る相手

  • 遠方に住んでいて、挨拶回りが難しい方
  • 葬儀に参列していないが、香典・弔電・供花・供物などをくださった方
  • ご高齢で訪問を遠慮したい方
  • お世話になった職場関係者、故人の恩人 など

送るタイミング

  • 一般的には四十九日または三十五日などの忌明け後に送付
  • 香典返しなどの返礼品と一緒に郵送する場合は、お礼状と品物が同時に届くように手配

2. 書き方の構成とNG表現(句読点・忌み言葉)

お礼状の基本構成

  1. 時候の挨拶(忌明け後の場合のみ)
  2. ご厚志への感謝(香典・供花などへのお礼)
  3. 法要の報告(四十九日などを終えた旨)
  4. 返礼品の案内(心ばかりの品を送った場合)
  5. 今後のお付き合いのお願い
  6. 書面による非礼へのお詫び
  7. 日付・署名

忌み言葉・句読点などの注意

  • 句読点は使わないのが弔事の基本マナー
     (理由:句読点=終止符・区切りを意味し、縁を切ることを連想させるため)
  • 避けたい表現の例
NG表現 言い換え
死ぬ、急死、死亡 逝去、永眠、旅立つ
終わる、絶える、別れる 相済ませる、節目を迎える
重ね重ね、再三、たびたび このたびは、ご厚情に対し などに置換

3. 宗教ごとの言葉の違い(浄土真宗・神道・キリスト教)

宗教によって「避けるべき言葉」が異なるため、相手の信仰に配慮する必要があります。

宗教 避ける言葉 適した表現
浄土真宗 ご冥福、ご霊前 ご厚志に感謝申し上げます/お心遣いに御礼申し上げます
神道 成仏、冥福、仏、僧、お経 玉串料、安らかな旅立ち、御神前
キリスト教 成仏、冥福、仏様 安らかな眠りをお祈りいたします/天に召された など

4. 【文例集】職場・恩人・供花・弔電など相手別例文

職場の方へのお礼状

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
先般 父 ○○ 儀 永眠に際しましては ご多忙中にもかかわらず
ご厚志を賜り 誠にありがとうございました
おかげさまで 四十九日の法要も滞りなく相済ませました
つきましては 心ばかりの品をお届けいたしましたので
ご受納くださいますようお願い申し上げます
略儀ながら 書中をもって御礼申し上げます
敬具

恩人・目上の方へのお礼状

拝啓 ご丁重なるご弔意を賜り 誠にありがとうございました
また 故人 ○○ が生前中賜りましたご厚情に対しましても
深く感謝申し上げます
今後とも変わらぬご交誼を賜りますようお願い申し上げます
本来ならば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところですが
略儀ながら 書中をもってご挨拶申し上げます
敬白

供花や弔電をくださった方へのお礼状

拝啓 このたびは 故 ○○ の葬儀に際しまして
ご丁重なる弔電ならびにご供花を賜り 誠にありがとうございました
故人も安らかに旅立って行ったことと存じます
ささやかではございますが 心ばかりの品をお届けいたしますので
ご受納くださいますようお願い申し上げます
敬白

5. 会葬礼状とお礼状の違い、即日返しとの関係

項目 会葬礼状 お礼状
渡す対象 葬儀に参列した全員 特別にお世話になった方、香典・供花を頂いた方
渡す方法 葬儀当日に香典返しと一緒に手渡し(即日返し) 郵送または後日訪問時に手渡し
内容の違い 印刷された定型文が一般的 一人ひとりに合わせて書くのが理想

※ 即日返しが主流となった今も、お世話になった方には改めてお礼状を送るのが丁寧とされています。

不安な方へ|自分の言葉で伝えるためのアドバイス

「挨拶やお礼状は形式が決まっていて、間違えたら失礼になるのでは…」
そんな不安を感じる方も多いかもしれません。けれど、最も大切なのは相手を想う気持ちです。
ここでは、葬儀の場で自分らしい言葉を選ぶためのヒントをお伝えします。

無理せず、例文を「自分の言葉」に置き換える

例文はあくまで「型」。そのまま使っても問題はありませんが、できれば自分の言葉に言い換えることで、より気持ちが伝わりやすくなります。

  • 「ご多用のところご会葬いただき、誠にありがとうございました。」
     →「お忙しい中、お越しいただき本当にありがとうございました。」
  • 「生前のご厚誼に対し、心より御礼申し上げます。」
     →「生前にたくさんのお心遣いをいただき、深く感謝しております。」

堅い表現が苦手な場合は、無理に背伸びせず、丁寧な口調で素直に伝えることが一番です。

故人とのエピソードを一言添える工夫

挨拶やお礼状に故人の人柄が感じられるひとことを添えると、受け取った方の心に残りやすくなります。

  • 「母は皆さんとのおしゃべりが何よりの楽しみでした。」
  • 「父が最期まで明るく過ごせたのは、皆さまのおかげです。」
  • 「○○さんと最後に笑いあった日のことが、忘れられません。」

文章全体に深みが出て、機械的な印象を与えません。

気持ちが伝わる挨拶とは何か?

気をつけるべきポイントは、言葉そのもの以上に「姿勢・態度・トーン」です。

  • 声のトーンは落ち着いて、穏やかに
  • 相手の目を見て丁寧に話す
  • 長く話さなくても、礼を尽くすことを意識する

「ありがとう」「ご苦労さま」「お世話になりました」という短い言葉でも、
その人の言い方や間の取り方で、想いはしっかり伝わります。

困ったときは葬儀社や経験者に相談を

「何を話したらいいかわからない」「文面が不自然でないか不安」
そんなときは、プロに相談するのが一番安心です。
お葬式のむすびすでは、下記のようなサポートも行っています。

  • 挨拶文の添削や言い回しのご提案
  • 故人らしさを表現するエピソードの整理
  • 会葬礼状・お礼状の印刷・郵送手配

ご遺族の不安を少しでも軽くできるように、言葉の面からも丁寧に寄り添っています。
どんなに準備していても、葬儀の場では思うように話せないこともあります。
それでも、「伝えたい」と思う気持ちこそが、最も大切なメッセージになります。

葬儀の挨拶・お礼に関するよくある質問

Q

葬儀の挨拶は喪主でなくてもしてよいのですか?

はい。
喪主が高齢または体調不良の場合など、親族代表や長男・長女が代わりに挨拶することも一般的です。
形式よりも、感謝の気持ちをきちんと伝えることが大切です。

Q

お礼の挨拶は必ず口頭でしなければなりませんか?

直接お会いできる方には口頭でのお礼が望ましいですが、遠方や都合が合わない方には、お礼状や手紙でも問題ありません。
品物と一緒にお送りすることで、気持ちをきちんと伝えることができます。

Q

会葬礼状とお礼状はどう違いますか?

会葬礼状は、葬儀に参列された方全員に渡す挨拶文(定型)で、香典返しと一緒に手渡されることが多いです。
一方でお礼状は、特別にお世話になった方や、参列していないが香典や供物を頂いた方へ送る個別の手紙です。
内容や書き方が異なるため、用途に応じて使い分けましょう。

Q

忌み言葉や宗教ごとの違いは、そこまで気にするべきですか?

最近は寛容な方も増えていますが、年配の方や宗教に厳格なご家庭では、配慮が非常に喜ばれます。
言葉遣いに迷ったら、無理に難しい表現を使わず、丁寧な言い回しを選ぶよう心がけましょう。

Q

精進落としではどんな挨拶をすればいいですか?

かしこまった言葉でなくても構いません。
  • 「本日は最後までありがとうございました。どうぞごゆっくりなさってください」
  • 「皆さまのおかげで、良いお式にできたと思います」
など、労いと感謝が伝わる一言があれば十分です。

心を込めた言葉が残す印象

葬儀という特別な場面では、何をどう話すべきかと悩む方が多くいます。
それでも、人の心に残るのは、かたちや言い回しよりも、その言葉に込められた想いです。
喪主として伝える感謝。
参列者として述べるお悔やみ。
どちらも、かけがえのない人との別れを受けとめる時間のなかで交わされる、大切な言葉です。
形式やマナーはたしかに必要です。
けれどそれにとらわれすぎず、「相手を思う」「故人を偲ぶ」気持ちが軸にあるかどうか。
それこそが、挨拶やお礼の本質です。
心からの感謝を、自分らしい言葉で届ける。
その一歩が、悲しみの中にある人の心を、そっとあたためることもあります。
むすびすでは、葬儀そのものだけでなく、挨拶や言葉の場面でも、皆さまに寄り添ったサポートを行っています。
話すことに不安がある方、言葉選びに迷う方も、どうかひとりで悩まず、気軽にご相談ください。
葬儀の挨拶は、故人を送る時間の中で交わされる“言葉の贈り物”です。
どんなに短くても、心を込めた一言が、きっとその場にいる誰かの心に静かに届きます。

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