葬儀社はどう比較する? 後悔しない選び方と注意点
葬儀社を探し始めたとき、多くの方が最初に気になるのは「いくらかかるのか」という点ではないでしょうか。できるだけ費用を抑えたいと考えるのは自然なことですが、葬儀は価格や内容の違いが分かりにくく、比較の仕方を誤ると「思っていた内容と違った」「後から費用が増えた」といった後悔につながることもあります。 このページでは、複数の葬儀社に事前相談を行い、実際の見積内容や対応を比較した結果をもとに、葬儀社を選ぶ際に押さえておきたい考え方と判断のポイントを整理します。価格だけに振り回されず、納得できる選択をするための参考にしてください。
葬儀社を比較する前に知っておきたい前提
葬儀社を探し始めたとき、「どこに頼めばよいのか分からない」「何を基準に比べればよいのか迷う」と感じる方は少なくありません。葬儀は頻繁に経験するものではなく、多くの人にとって初めての選択になるためです。
費用をできるだけ抑えたいと考えるのは自然なことですが、葬儀社選びは価格だけで判断できるほど単純ではありません。プランの表記や定額料金だけでは、どこまでの内容が含まれているのか分かりにくく、条件によって差が出ることもあります。
そのため、葬儀社を比較する際には「安いかどうか」だけでなく、「どのような前提で説明されているのか」「事前にどこまで案内してくれるのか」といった視点を持つことが大切です。
このページでは、実際の事前問い合わせや見積比較をもとに、葬儀社を選ぶ際に押さえておきたい考え方と判断の基準を整理しています。迷いや不安を整理し、自分に合った葬儀社を選ぶための参考にしてください。
葬儀社の広告価格と実際の見積はどれくらい違うのか
葬儀社を比較する際、多くの方が最初に目にするのは、ホームページや広告に掲載されている「プラン価格」です。しかし、その金額が実際にどこまでの内容を含んでいるのかは、表記だけでは分かりにくいのが現状です。
そこで今回は、複数の主要な葬儀社に事前に問い合わせを行い、できる限り条件を揃えたうえで、広告上の金額と実際に提示された見積内容を比較しました。ここで紹介する内容は、特定の葬儀社を評価・批判することを目的としたものではなく、葬儀社比較の際に生じやすい「価格のズレ」を理解するための参考情報です。
比較にあたって統一した条件
比較を行うにあたり、条件による差が出ないよう、以下の内容で統一しました。
- 火葬場併設の公営斎場を利用
- 無宗教の一日葬
- 家族葬(参列者は約15名を想定)
- 料理・返礼品は付けない
- 安置施設を5日間利用
- 火葬料金・式場使用料は除外
葬儀の内容としては、近年選ばれることの多い、比較的シンプルな形を想定しています。また、安置日数によるドライアイス費用など、日数に応じて変動する項目についても、可能な範囲で考慮しています。
主要6社の価格表示と見積内容の比較
上記の条件をもとに、以下の6社に事前問い合わせを行いました。- 小さなお葬式
- よりそう
- 小さな森の家
- さがみ典礼
- 花葬儀
- むすびす
比較の結果、広告上の金額と実際の見積内容に差が出るケースがあること、また、そもそも事前見積書の送付に対応していない葬儀社があることも分かりました。
とくに、広告価格とほぼ同額で葬儀が可能なケースがある一方で、条件を揃えて見ていくと、想定よりも金額が上がる場合もあります。これは必ずしも「高い=悪い」「安い=良い」という話ではなく、どこまでを基本プランに含めているか、どの段階で説明があるかという違いによるものです。
| 葬儀社名 | サイト掲載価格 | 事前相談で提示された見積(最小条件) | 同一条件で算出した見積(当社調査) |
|---|---|---|---|
| 小さなお葬式 | ¥385,000 | ¥385,000 | ¥429,000 |
| よりそう | ¥297,000 | 個別見積もり送付無し | 個別見積もり送付無し |
| 小さな森の家 | ¥308,000 | ¥430,500 | ¥443,630 |
| さがみ典礼 | ¥327,800 | 個別見積もり送付無し | 個別見積もり送付無し(同封の冊子には家族葬平均115万円とのこと) |
| 花葬儀 | ¥430,000 | ¥1,067,488 | ¥593,784 |
| むすびす | ¥561,000 | ¥574,200 | ¥574,200 |
※比較対象としている葬儀社は、料金公開の有無や提供スタイルが異なります。 価格重視のサービス、式場運営を行う事業者、提案型の葬儀社など、立ち位置の違いを踏まえたうえで、同一条件での金額整理を行っています。
この比較から見えてくるのは、単に「最安値の葬儀社はどこか」という結論ではありません。重要なのは、価格差がどの段階で、どのような理由で生まれているのかを理解することです。 次の章では、価格だけでは見えにくい、葬儀社選びで注意したいポイントや、実際に起こり得るトラブルについて整理します。
価格だけで葬儀社を選ぶと起こりやすいトラブル
葬儀社を比較する際、「条件が同じなら、できるだけ安いところを選びたい」と考えるのは自然なことです。しかし、価格だけを基準に選んでしまうと、後から思わぬトラブルに発展するケースがあります。
とくに葬儀では、宗教や慣習、人間関係が絡むため、事前の確認不足が大きな問題につながりやすい点に注意が必要です。
無宗教葬と菩提寺をめぐる認識のズレ
代表的な例が、無宗教葬と菩提寺の関係です。
今回の事前問い合わせでは、「お墓のある菩提寺があるが、葬儀は無宗教で一日葬を行いたい」という前提で、各葬儀社に相談しました。 本来、菩提寺の敷地内にお墓がある場合、無宗教葬を行うのであれば、事前に住職へ確認し、了承を得ておく必要があります。この確認を怠ると、葬儀後に寺院との関係が悪化したり、追加の対応が必要になることがあります。
しかし、こうした点について事前に説明や確認を促してくれた葬儀社は、6社中3社のみでした。残りの葬儀社では、少なくとも事前相談の段階では、このリスクに触れられることはありませんでした。
事前確認がないことで起こり得る問題
菩提寺との確認を行わないまま無宗教葬を進めた場合、次のような事態が起こる可能性があります。- 後日、住職への謝罪が必要になる
- 通常よりも高額なお布施を求められる
- 今後の法要や納骨に影響が出る
こうしたトラブルは、葬儀そのものの費用とは別の精神的・時間的負担を生むことになります。しかも、これらの多くは、事前に一言確認していれば避けられた可能性が高いものです。
「安い=安全」ではない理由
重要なのは、こうしたリスクが「無宗教葬だから起こる」「特定の宗教だから起こる」という話ではない点です。問題になるのは、顧客が知らない前提や慣習をプロとして補足してくれるかどうかです。
価格が安いこと自体が悪いわけではありません。ただし、安さを優先するあまり、説明や確認が省略されてしまうと、結果的に後悔につながることがあります。葬儀社を比較する際は、「この金額で何ができるか」だけでなく、「どこまでリスクを説明してくれるか」という視点を持つことが大切です。
葬儀社を比較する際の5つの判断基準
葬儀社選びで後悔しないためには、料金の安さだけで決めるのではなく、「その会社がどんな考え方で、どこまで伴走してくれるか」を含めて比較することが大切です。葬儀は短時間で意思決定が求められ、しかも宗教・慣習・家族関係など、トラブルの火種が混じりやすい場面でもあります。だからこそ、比較の基準をあらかじめ整理しておくと、いざという時に判断がぶれにくくなります。
ここでは、事前問い合わせや見積比較を通して見えてきた「比較の軸」を、5つに整理して紹介します。
判断基準① トラブルを未然に防ぐ案内があるか
葬儀社を選ぶうえで、最初に見ておきたいのは「希望を叶えてくれるか」よりも前に、トラブルを避けるための確認をしてくれるかです。
葬儀は、やり直しがききません。費用の大小以上に、当日や葬儀後に「知らなかった」「聞いていない」で揉めることが、精神的な負担として残りやすいからです。とくに注意したいのが、次のような確認が必要になりやすい論点を、こちらが言わなくても拾ってくれるかどうかです。
- 菩提寺(お墓のあるお寺)があるか
- 宗教形式(無宗教・仏式など)と、親族の合意
- 納骨や法要の予定(葬儀後に困りやすい)
- 火葬場・斎場のルール(友引、利用条件など)
- 参列者の範囲(呼ぶ/呼ばないの整理)
ここで大事なのは、葬儀社が「正解」を押し付けることではありません。 遺族が知らないまま進めて不利益になりそうな点を、先回りして説明する姿勢があるかがポイントです。
見分けるためのチェック質問
事前相談や問い合わせの場で、次のように聞くと、その葬儀社のリスク感度が分かります。
「菩提寺があるのですが、無宗教で行う場合に注意点はありますか?」
「親族間で意見が分かれた場合、どう整理して進めますか?」
「追加費用が発生しやすい項目を先に教えてください」
これらに対して、具体的な確認事項や選択肢を示してくれる会社は、当日の段取りも丁寧な傾向があります。逆に「できますよ」とだけ即答して話が進む場合は、後から条件が出てくる可能性もあるため注意が必要です。
判断基準② 事前準備にどこまで協力的か
葬儀社を比較している段階では、「まだ元気だから」「縁起でもないから」と、事前準備に対して遠慮を感じる方も少なくありません。しかし実際には、事前に情報を集め、選択肢を整理しておくことが、いざという時の負担を大きく減らします。
近年では、本人や家族が存命中に葬儀について考える「事前相談」を行う人も増えており、都市部では半数近くにのぼるとも言われています。こうした流れの中で、葬儀社が事前準備にどう向き合っているかは、その会社の姿勢を見極める重要なポイントになります。
事前相談への向き合い方に差が出やすい
事前相談を行った際、葬儀社によって対応にははっきりとした違いが見られます。
たとえば「電話や面談で状況を丁寧に聞いたうえで、資料や見積を用意してくれる」「まずはサイトを見てください」と案内され、具体的な説明は後回しになる、「パッケージ販売を理由に、事前見積の提示がない」といった具合です。
事前準備の段階では、急いで契約をする必要はありません。むしろ、「今すぐ契約にならないかもしれない相談」にどれだけ真摯に向き合ってくれるかを見ることが、葬儀社選びでは重要になります。
見積書を出してくれるかは大きな判断材料
複数社を比較する場合、事前見積書の有無は大きな違いになります。
見積書があることで、何が含まれていて、何が含まれていないのか、条件が変わった場合、どこが増減するのか他社と何をどう比べればよいのかが具体的に見えてきます。
一方で、事前の段階では見積を出さない、あるいは「その時にならないと分からない」と説明される場合もあります。その対応自体が悪いとは限りませんが、比較検討をしたい立場の人にとっては判断材料が不足しやすいのも事実です。
「今ではない相談」への姿勢を見る
事前準備は、葬儀社にとって必ずしも効率の良い業務ではありません。
それでもなお、時間をかけて説明し、資料を整え、質問に答えてくれるかどうかは、その会社の価値観が表れる部分です。
葬儀社を比較する際は、費用やプラン内容だけでなく、「事前に相談したとき、どこまで寄り添ってくれるか」という点も、判断基準の一つとして意識しておくとよいでしょう。
判断基準③ 営業メール・電話の考え方が自分に合うか
葬儀社に問い合わせをすると、その後に電話やメール、SMSなどで連絡が入ることがあります。 これを「しつこい」と感じるか、「気にかけてくれている」と感じるかは、人によって受け止め方が分かれるところです。
重要なのは、営業連絡があるか・ないかではなく、その頻度や距離感が自分に合っているかどうかです。
連絡が多い葬儀社・少ない葬儀社の違い
事前相談後の連絡対応は、葬儀社によって大きく異なります。- 定期的に電話やSMS、メールで状況確認をしてくる
- 必要最低限の連絡にとどめ、こちらからの問い合わせを待つ
- 資料送付後、ほとんど連絡がない
どの対応が正解というわけではありません。ただし、連絡の取り方には、その会社の営業方針や顧客との向き合い方が反映されます。
たとえば、「不安なときにすぐ相談したい」「細かく声をかけてもらえる方が安心」という方にとっては、連絡頻度が高い葬儀社は心強く感じられるでしょう。一方で、「必要なときに自分から連絡したい」「過度な営業は避けたい」という方にとっては、頻繁な連絡が負担になることもあります。
内容が個別化されているかを見る
もう一つ注目したいのは、連絡の中身です。
連絡が多くても、事前相談の内容を踏まえた具体的な案内、状況に応じた選択肢の提示が含まれていれば、有益な情報提供と言えます。
反対に、定型文を少し変えただけのメールや、一方的な案内が続く場合は「数を重視した営業」に近い印象を受けるかもしれません。この違いは、実際に葬儀を依頼した際のコミュニケーションの質にも影響しやすい部分です。
「連絡がない」ことのリスクも考える
問い合わせ後にまったく連絡がない場合もあります。
静かで好ましいと感じる方もいますが、いざという時にスムーズにつながるのか、こちらの相談内容を覚えているのかといった不安が残ることもあります。
葬儀は、急を要する場面で連絡を取る必要があるため、連絡のしやすさや反応の速さも含めて考えておくと安心です。
自分にとって「ちょうどいい距離感」を基準にする
葬儀社を比較する際は、「営業があるかどうか」ではなく、「その連絡の仕方が、自分の性格や考え方に合っているか」という視点で判断することが大切です。
事前相談の段階で感じた違和感や安心感は、実際に依頼した際にも、そのまま現れることが多いからです。
判断基準④ 希望に対する柔軟性・多様性があるか
葬儀社を比較する際、見落とされがちですが非常に重要なのが、希望に対する柔軟性や、多様な考え方を受け入れる姿勢があるかどうかです。
とくに近年は、家族構成や価値観の変化により、葬儀の形も多様化しています。
今回の事前問い合わせでは、次のような条件を想定しました。
- 対象者は母
- 入院中で、余命が限られている状況
- 家族葬(参列者は約15名)
- 無宗教の一日葬を希望
- 公営の火葬場併設斎場を利用
これは、現在実際に選ばれることの多い、ごく一般的な想定です。
しかし、この条件に対する受け止め方や提案内容には、葬儀社ごとに明確な違いが見られました。
無宗教葬・自由な形式に対する向き合い方
無宗教葬は「自由葬」とも呼ばれ、宗教儀礼にとらわれず、故人や家族の思いを反映しやすい葬儀形式です。その分、決まった型がなく、葬儀社や担当者の提案力が問われやすい側面があります。
調査の中で分かったこと。
- 実際の無宗教葬の事例写真や式次第を提示してくれる
- どんな進行が可能かを具体的に説明してくれる
- 「こういう形もあります」と選択肢を複数示してくれる
上記のような対応をする葬儀社がある一方で、形式的な説明にとどまり、具体像が見えにくいケースもありました。 柔軟性が高い葬儀社ほど、「何ができるか」だけでなく、「やらない選択」や「簡略化する方法」についても説明してくれる傾向があります。
「こうあるべき」という考えが強すぎないか
葬儀には長い慣習がありますが、それがそのまま今の家族すべてに当てはまるとは限りません。
比較の中で感じられたのは、葬儀の「在り方」を会社側が強く決めている場合、柔軟な提案が出にくいという点です。
「一般的にはこうです」
「通常はこの形になります」
という説明が悪いわけではありません。
ただ、それが唯一の選択肢として示される場合、遺族の考えが後回しになってしまうこともあります。
他の宗教・形式でも共通する視点
この柔軟性の問題は、無宗教葬に限った話ではありません。
仏式・神式・キリスト教式など、どの宗教形式であっても、下記の点は葬儀社選びの大きな判断材料になります。
- 家族の事情に合わせて調整できるか
- 形式と気持ちのどちらを優先するか
- 変更や要望に対して否定せず受け止めるか
葬儀社を比較する際は、「その形式に対応できるか」だけでなく、どこまで柔軟に寄り添ってくれるかという視点で見てみると、自分に合った会社を選びやすくなります。
判断基準⑤ 見積の出し方が誠実か
葬儀社を比較する際、最終的な判断材料になるのが見積内容です。
同じ「一日葬」「家族葬」という言葉を使っていても、見積書の中身をよく見ると、含まれている内容や前提条件には大きな違いがあります。 重要なのは金額の大小そのものではなく、その金額がどのような前提で算出されているのかが、分かりやすく説明されているかという点です。
「最低限の見積」かどうかを確認する
見積書の中には、必要最低限の項目だけを記載し、条件が変わると追加費用が発生する前提のものもあります。 これは必ずしも不誠実というわけではありませんが、そのことが事前に説明されているかどうかが重要です。
- 安置日数が延びた場合の費用
- 司会進行や音響など、当日になって必要になりやすい項目
- 宗教者を呼ぶ場合の扱い
- 火葬場・斎場の条件による差額
こうした点について、「必要になったら追加になります」とだけ伝えられるのと、「こういう場合は増減します」と具体的に説明されるのとでは、受け取る安心感が大きく異なります。
見積書の書き方に姿勢が表れる
誠実な見積書には、次のような特徴が見られます。
- 項目ごとに内容が具体的に書かれている
- 金額が変動する可能性について補足がある
- 不要なものを外した場合の調整が可能
- 質問を前提とした説明が添えられている
反対に、項目名だけが並び、内容が分かりにくい見積書の場合は、「どこまで含まれているのか」を自分から確認する必要があります。
「比較できる見積」かどうかが大切
複数社を比較する場合、見積書があることで初めて、同じ土俵で検討することができます。条件を揃えたつもりでも、見積の前提が異なっていれば、単純な金額比較はできません。
だからこそ、葬儀社を選ぶ際には、「見積の前提条件をきちんと説明してくれるか」「他社と比較することを前提に話してくれるか」といった姿勢も、重要な判断材料になります。
見積書は、単なる価格表ではなく、その葬儀社がどれだけ誠実に向き合おうとしているかを映すものです。金額を見るだけで終わらせず、その背景にある考え方にも目を向けてみてください。
比較調査から見えた、葬儀社ごとの特徴整理
ここまで見てきたように、葬儀社にはそれぞれ異なる考え方や強みがあります。 価格・対応・柔軟性のどれを重視するかによって、「合う葬儀社」は人それぞれ異なります。 以下は、今回の事前問い合わせや見積比較を通じて見えてきた、各葬儀社の特徴を整理したものです。
小さなお葬式|とにかく費用を抑えたい人向け
- 価格重視:◎
- 事前案内・リスク説明:少なめ
- 柔軟性・提案力:限定的
向いている人
内容や形式にはあまりこだわらず、できる限り費用を抑えて葬儀を行いたい人。
条件を割り切り、「最低限で良い」と明確に決められる場合には、選択肢になり得ます。
よりそう|価格最優先で、手厚い連絡を求める人向け
- 価格重視:◎
- 連絡頻度:多め
- 事前見積:限定的
向いている人
価格を最優先し、電話やメールで頻繁にフォローしてもらえる方が安心な人 連絡が多い点を「ありがたい」と感じるかどうかで、評価が分かれやすいタイプです。
小さな森の家|自社式場を使いたい人向け
- 価格重視:〇
- 会館利用:前提
- 柔軟性:一定あり
向いている人
公営斎場ではなく、葬儀社の会館を使って落ち着いた環境で行いたい人 会館利用を前提に考えている場合には、比較候補になります。
さがみ典礼|知名度・安心感を重視する人向け
- 価格・内容:不透明になりやすい
- 事前対応:控えめ
- ブランド力:高い
向いている人
金額や細かな比較よりも、知名度やCMの安心感を重視したい人 ブランドを信頼できるかどうかが、判断の分かれ目になります。
花葬儀|柔軟な提案力を重視する人向け
- 価格:やや高め
- 提案力・柔軟性:高い
- 事例提示:あり
向いている人
多少費用がかかっても、希望に沿った柔軟な提案を受けたい人 無宗教葬や自由度の高い葬儀を考えている場合、比較対象として有力です。
むすびす|丁寧な説明と柔軟性を重視する人向け
- 価格:中〜やや高め
- リスク説明・事前対応:手厚い
- 柔軟性・提案力:高い
向いている人
金額だけでなく、納得感や安心感を重視して葬儀を進めたい人 事前説明や見積の分かりやすさを重視する方には、選びやすい傾向があります。
まとめ|葬儀社比較で後悔しないために大切なこと
葬儀社を選ぶ際、費用は重要な判断材料のひとつですが、それだけで決めてしまうと後悔につながることがあります。広告に表示された価格や定額プランだけでは、実際の内容や前提条件が分かりにくい場合があるためです。
後悔しないためには、価格の安さだけでなく、事前にどこまで説明してくれるか、見積の前提条件が明確か、トラブルを避けるための確認があるかといった点を含めて比較することが大切です。こうした対応の積み重ねが、結果として安心して葬儀を任せられるかどうかを左右します。
また、葬儀の満足度は、規模の大きさや豪華さだけで決まるものではありません。たとえば電化製品でも、価格やメーカー名だけではなく、どのような機能があり、自分の使い方に合っているかを理解して選ぶはずです。葬儀も同様に、どのようなお別れができるのか、どこまで柔軟に対応してもらえるのかといった「中身」を知ることで、その葬儀社が自分たちに合っているかを判断しやすくなります。
葬儀社を比較することは、単に金額を並べることではありません。自分や家族にとって何を大切にしたいのかを整理し、その考えに合った葬儀社を選ぶことが、納得のいく葬儀につながります。このページが、その判断の助けになれば幸いです。
よくある質問
- 葬儀社は、安い・高いだけで選んでも大丈夫ですか?
- 価格の安さや高さだけで判断するのはおすすめできません。 大切なのは、「その金額で何ができて、どこまで希望を叶えてもらえるのか」を理解することです。電化製品でも、価格だけでなく性能や機能を確認して選ぶように、葬儀社もサービス内容や対応範囲を知ったうえで比較することが、後悔しない選び方につながります。
- 安い葬儀でも後悔しないために何を確認すればよいですか?
- 表示価格だけで判断せず、「総額でいくらになるか」「費用に何が含まれているか」「追加費用の有無」を必ず確認しましょう。また、お別れの時間や対応体制など、費用以外の要素にも目を向けることが大切です。
- 仲介業者と直営葬儀社、どちらが安心ですか?
- 一概には言えませんが、直営葬儀社は自社で施行を行うため、打ち合わせと現場対応の連携が取りやすく、対応品質が安定している傾向があります。仲介業者は価格の安さが魅力ですが、施行業者との連携や引き継ぎに注意が必要です。
- 葬儀社を比較する際にチェックするポイントは?
- 比較する主な項目は「費用の総額と内訳」「希望する形式への対応力」「口コミや実績」「キャンセルポリシーの明示」「担当者やチームの対応体制」です。価格だけでなく、内容と安心感を総合的に比較することが重要です。
- 格安葬儀=悪徳業者なの?
- 必ずしもそうではありません。ただし、極端に安い価格を前面に出す業者の中には、後から高額な追加費用が発生したり、サービス内容が不十分なケースもあるため注意が必要です。事前に見積書や実施内容をしっかり確認しましょう。
- 事前相談をすると契約しなければいけない?
- いいえ。多くの葬儀社では、事前相談はあくまで無料で、契約を強制されることはありません。むしろ納得して選んでほしいと考える葬儀社が増えています。不安な点があれば遠慮せず相談し、複数社を比較することが推奨されます
- 小規模葬でもしっかり送れる?
- はい。人数の多少ではなく「どんな想いで送るか」が大切です。家族葬や一日葬といった小規模な形式でも、故人らしさを大切にした内容であれば、十分に心のこもったお別れができます。空間演出や進行の工夫によって満足度は大きく変わります。
この記事の監修者
むすびす株式会社 代表取締役社長兼CEO 中川 貴之
大学卒業後、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズの立ち上げに参画。2002年10月葬儀業界へ転進を図り、株式会社アーバンフューネスコーポレーション(現むすびす株式会社)を設立、代表取締役社長に就任。明海大学非常勤講師。講演・メディア出演多数。書籍出版