Funeral Episode

親分に賛辞を ご葬儀事例

  • ご葬儀の形式
    一日葬
  • 参列者数
    ご親族 11名/ご会葬者 1名
  • 斎場
  • 式の費用
    100〜150万円
  • 宗教
    仏教
  • オプション
    • 料理
    • メイク・湯かん
    • 骨壷
    • 棺
    • 返礼品
お葬式の様子

幼い頃から家計を支え、働き、家のことも身の回りのことも自分でやり続けてきた親分肌のお父様。
文句を言いながらも人のためのことは決して投げ出さず、頼られれば必ず応えてこられた方でした。
ご葬儀はご親族中心の小さな一日葬。
限られた時間の中で、これまで伝えきれなかった賛辞と感謝をまっすぐに届けるお別れとなりました。

頑固で優しい、頼れる親分肌

故人様は幼い頃からご苦労が多く、学校に通う時間もほとんどない中で新聞配達を続け、ご家族を支えてこられました。

大人になってからは植木職人として働き、その後は部品工場に勤め、足を悪くされるまで責任感を持って仕事に向き合い続けました。

ご自宅では釣りや畑仕事を楽しみ、料理が得意で、きんぴらごぼうとおいなりさんはご家族の大好物でした。

包丁研ぎから自転車のパンク修理、配線まで、何でも自分でやってしまう職人気質。

口調は江戸弁で、文句を言いながらも人の世話を焼くのが好きな、頑固で優しい親分肌のお父様でした。

ご自身の話は多くされない一方、武勇伝を語っては褒められると照れくさそうに笑う姿が、ご家族の記憶に深く残っています。

限られた中で全部を尽くす一日葬

川越市斎場で営まれたご葬儀は、仏式の一日葬として行われました。

ご親族11名とご友人お一人という小規模ながら、その分だけお父様のためにできることを丁寧に積み重ねる時間になりました。

思い出の品は多く並べず、お好きだった焼酎の緑茶割や柿ピー、さきいか、漬物など、日常に寄り添う品々をご家族が手向けられました。

棺は、お父様の好きな色味に近い緑色のものを選び、最後までお顔を見られるよう面会型をご用意しました。

ご住職にもご理解いただき、式中もアクリル蓋のまま、四名のご家族が柩のそばに向かい合わせで座り、お父様に寄り添うことができました。

限られた時間でも全部やるというご家族の想いが、式の一つ一つに込められていました。

賛辞と感謝を伝えるためのひととき

読経の後、ご家族は組紐をお手向けし、一つは奥様の手で柩の中のお父様へ、もう一つはお孫様へ託されました。

お孫様は涙を浮かべながら組紐を手にし、その後の時間もずっと握りしめておられました。

お花入れでは、一輪ずつ声をかけながら手向け、愛犬の写真もそっと柩に添えられました。

足を悪くされてから散歩に連れて行けなかったことをお話しされ、ご家族が静かに涙を拭う様子もありました。

献酒の場面では、ご家族全員で柩を囲み、賑やかなことが好きだったお父様らしく乾杯をされました。

次女様の手作りの焼酎緑茶割を手向けられ、お孫様は「一緒にお酒を飲みたかった」と静かに語りかけておられました。

お孫様のお別れの手紙は途中で言葉を詰まらせながらも最後まで読み切られ、その声にご親族が深く耳を傾けていました。

派手な演出がなくとも、お父様を思う温かな気持ちが満ちる、賛辞と感謝を真正面から伝えるひとときになりました。

内容とお写真は、ご家族・会社様のご了承を得て掲載させていただいております。

葬祭プランナー 松嵜 靖長の写真

この事例の担当葬祭プランナーより一言

松嵜 靖長

ご家族から、父が喜ぶことは全部やりたいと伺い、この一日葬は親分に賛辞を贈る時間にしたいと考えてお手伝いしました。
お花や進行に不安を抱えていらしたご家族が、設営をご覧になって安心された表情が印象的でした。献酒では、ご家族で囲んで乾杯をしましょうとご提案し、笑顔と涙が混じり合う温かな場になったと感じています。
ご葬儀後には、父らしい時間になりました、不安なく見送れましたとのお言葉をいただき、少しでも寄り添えたことをありがたく思っております。
これからもご自宅で落ち着いてご供養を続けていけるよう、引き続きサポートいたします。

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