終活準備をする上で、まず気になるのは老後の生活のこと。
年金受給年齢の引き上げに加え、年金制度の法改正等、少子高齢化の進展により高齢者にとって、将来、お金や介護のことで困らないために、老後の暮らしの中で、必要な家計管理や資産形成を考えることが大切です。
そんな背景を元に、ここではお金についての必要な知識や考え方を紹介します。

老後破産とは?

老後破産に陥る人はどんな人だと思いますか?との問い掛けに対して、「年金の少ない人」「貯金ができていなかった人」とイメージする方が一般的に多いかと思います。
このように、老後破産の背景に、自己破産や、生活保護を重ね考えてしまいがちですが、実際に『貧困高齢者』になって苦しむ人たちの多くは、意外にも現役時代は高収入世帯と言われた人たちも含まれています。

老後破産とは、自分と配偶者の経済力だけでは、生活が成り立たなくなることを言います

なぜ老後破産に陥るのか?その原因を考える。

ちなみに、収入の少ない人たちは、現役時代から堅実な生活を送っており、老後の年金も当てにできないとわかっているため、しっかり貯蓄している人が多くみられます。

老後の生活とお金。少子高齢化社会の今、終活で考えなければいけないこと│【年代別】金融資産保有額と難関手取り収入
※資料参照元:金融広報中央委員会「知るぽると」家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和3年調査結果

このように年収が少なくても習慣的に貯蓄している人は、老後になっても堅実的な生活を続けることができ、介護や医療が必要になっても軽減制度が利用できます

それに比べ、高収入世帯の3割近い人たちは、あまり貯蓄ができていないと言われています。
貯蓄がなくても、高額な退職金と平均以上の年金受給額が見込まれ、老後に困ることがない環境とも言えますが、なぜこのような人が老後破産に陥ってしまうのでしょうか。
現役時代の華やかな暮らしをしていた人たちの中には、収入がなくなった後もその生活レベルを容易には下げることができず、それが老後破産の大きな原因となるようです。

また、介護保険料等、公的な滞納が続くと、財産の差し押さえや、諸々の公的受給で給付制限を受ける可能性がありますので、老後の生活においては、今後さらに深刻化する少子高齢化社会を見据え、しっかりと計画を立てる必要があります

2025年問題。超高齢化社会が与える社会的影響とは。

老後の生活とお金。少子高齢化社会の今、終活で考えなければいけないこと│高齢者人口及び割合の推移※資料参照元:総務省統計局 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-

日本の人口の年齢別比率の変化により「超高齢化社会」となり、雇用、医療、福祉など、さまざまな分野に影響を与えることが予想される「2025年問題」については、すでにご存じの方も多いと思いますが、さらに、その先にある2035年~2039年の深刻な福祉的社会問題も考えなければいけません

この頃になると団塊の世代が85歳以上となり、平均寿命を超えた多くの高齢者が亡くなる「多死社会」を迎え、以下のような問題に陥る可能性が高いと言われています。

  • 亡くなる方が増えることによる深刻な火葬場不足
  • 2人に1人が介護を必要とし、残る一方も長期入院などの医療費や介護費の増大
  • 多くの高齢者が亡くなったり、特別養護老人ホームや老人保健施設などの施設への入所で、住居(住まい)自体を移すことによる、空き家問題の深刻化
  • 団塊ジュニア世代が高齢者となり、定年を迎えることによる、労働人口の激減

それに加え、生涯未婚率は増えていき、現在6割の有配偶者率が5割になると言われています。社会において、公助や共助だけに頼って老後を過ごすことはもはや不可能かもしれません。

超高齢化社会に向けて、私たちはどう備えるべき?

高齢者が『老後破産』から逃れるために、自助や互助の力をどうやってつけていけばいいのでしょうか。

ご存知のとおり、75歳の後期高齢者になると、介護を必要とする要介護認定率が急激に増加します
これは、健康寿命が、男性約72歳、女性約74歳であることからも裏付けされ、現役時代に高収入だった人でも、貯蓄ができず、退職後も生活レベルが下げられず、75歳までに退職金を使い果たし、介護が必要となった時点で破産してしまう可能性があります。
年金受給額は、平均で夫婦で月20万円くらいですが、高収入だった人は、平均より年金受給額も多いです。ですが、単身で月20万円を超えて受給している場合、介護保険に関する軽減制度は一切受けることができません。その配偶者についても同様です。

安価と言われる特別養護老人ホームでさえ、軽減制度が受けられない人は、月15万円~20万円かかると考えなければいけません
介護費用でそれだけかかれば、その他の支払いや家族の生活費を捻出することはとても困難です。
年金受給額の多い人たちには、せめて不要な税金を支払わなくて済むようにアドバイスすることはできても、介護費用を下げることは難しいのが現実です。
逆に、低年金の人たちは、これまで通り堅実的な生活ができることに加え、サードライフ(健康でなくなった後の老後)に突入しても、様々な軽減制度を利用することによって、介護費用を最小限に抑えることができるのです。

貯金もなく、年金で生活が賄えなくなった人たちの場合、今までは子どもに援助を求めたり、持ち家を売却して安価なマンションへ引っ越すことを選択する家庭が大半でした。
しかし、このような社会情勢の中、高い就業意欲を持つ高齢者(シニア)世代は年々増加傾向にあり、2018年では60~64歳の70.3%が、65~69歳の48.4%の男女が「働けるうちはいつまでも」と考え働いています*
また、シニアの雇用に積極的な会社や仕事も増えています
* 参照元:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果の要約」

人生100年時代に突入していく中で、老後を考えた資産運用は非常に大事になっていきます。ぜひこの機会に、生活の見直しを含め、自身の終活で着実に資産を貯めることを考えた老後のライフプランの対策を講じることをお勧めします

終活・お葬式のことなら終活メディア